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ON AIR BLOG / 2019.06.26 update
今日は「参議院選挙って何を争うの?」というテーマで
毎日新聞 論説委員 平田崇浩さんに解説していただきました。
Q きょうのテーマは「参議院選挙って何を争うの?」。
きょうはちょうど国会の閉会日。国会が終われば参院選ですね。
A 参院選は7月4日公示、21日投開票の日程で行われる見通しです。
参院選はそもそも政権を争う選挙ではありません。
一昨年の衆院選で勝利した第4次安倍政権の中間評価という位置づけになります。
Q 安倍政権のどこが良くてどこが悪いかを考えるには、
何が争点になるのかを知っておきたいですよね。
選挙直前の国会ではどんな議論があったのですか?
A じつは議論があまりなかったのです。
毎年1月から開かれる通常国会は5カ月程度の会期があるのですが、
4月以降の後半国会で安倍首相が野党の質問に答える機会は
数えるほどしかありませんでした。
Q 去年は森友問題や加計(かけ)問題があって
野党が何度も安倍首相を追及していた記憶がありますが。
A 選挙の前にそういうスキャンダルを追及されたり、
閣僚が失言したりするのが嫌だったのでしょう。
与党は野党から予算委員会の開催を要求されても拒否し続けました。
Q 先週、党首討論がありましたよね?
A この国会で党首討論が開かれたのは1回だけです。
選挙の前だからこそ、国民生活に関係する重要な政策課題、
例えば人口減少や少子高齢化が進む将来への不安にどんな対策を取るべきか、
それぞれの政党・政治家が考えを明らかにして、
選挙で有権者が投票先を決める材料を提供するというのが国会の役割だと思うのですが。
Q 年金が2000万円不足する話なんかはもっと議論してもらいたいと思います。
A 人生100年時代ということで、お年寄りの夫婦が公的年金だけで30年間暮らす場合に
平均2000万円不足するという報告書を金融庁がまとめました。
将来の年金財政は大丈夫なのか、自分たちはちゃんと年金がもらえるのか、
だれもが不安に思っていますよね。
報告書の問題提起をもとに国会で議論すればいいと思うのですが、
政府は報告書の計算が乱暴で誤解や不安を与えるといって、
報告書を受け取らず、封印してしまいました。
Q では、丁寧に計算したら実際にはいくら足りないのか、
年金だけで足りないならどれだけ自力で準備しないといけないのか、
具体的な説明をしてほしいです。
A 政府の対応は、選挙の前に議論すると不都合だと言っているようなもので、
かえって年金不安を招くのではないかと心配です。
Q どうせ自分たちは年金をもらえないとあきらめている若い人もいますよね。
A 年金や医療、介護など、老後の生活を支える社会保障制度は国家の基盤といえるものです。
本当に年金がもらえないなんてことになったら国家が崩壊します。
そのような不安を若い人たちに抱かせないように、
人口減少や少子高齢化と正面から向き合った議論を選挙や国会の論戦で、
国民の目に見える形で行うべきです。
Q 明日からG20ですよね。
A 安倍首相とトランプ大統領は日米貿易交渉の結論を参院選後に先送りしました。
どんな合意をしようとしているのか、気になります。
明日からはG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)が大阪で開かれます。
議長を務める首相の外交手腕も注目されますが、
参院選では首相が語ろうとしないことにも目をこらしていきたいですね。
――選挙の前の国会で議論が少なかったのは残念です。
来月の参院選では、政党や政治家のひとたちが
積極的に訴える公約だけでなく、
何を語らないか?も投票判断の材料にしたいと思います。
憲法改正、老後の2000万円問題、外交、沖縄基地問題、
私たちも考えなきゃいけない問題は山積み。
選挙までに各政党の訴えを勉強しないとですね。
毎日新聞 平田さんありがとうございました。
毎日新聞 論説委員 平田崇浩さんに解説していただきました。
Q きょうのテーマは「参議院選挙って何を争うの?」。
きょうはちょうど国会の閉会日。国会が終われば参院選ですね。
A 参院選は7月4日公示、21日投開票の日程で行われる見通しです。
参院選はそもそも政権を争う選挙ではありません。
一昨年の衆院選で勝利した第4次安倍政権の中間評価という位置づけになります。
Q 安倍政権のどこが良くてどこが悪いかを考えるには、
何が争点になるのかを知っておきたいですよね。
選挙直前の国会ではどんな議論があったのですか?
A じつは議論があまりなかったのです。
毎年1月から開かれる通常国会は5カ月程度の会期があるのですが、
4月以降の後半国会で安倍首相が野党の質問に答える機会は
数えるほどしかありませんでした。
Q 去年は森友問題や加計(かけ)問題があって
野党が何度も安倍首相を追及していた記憶がありますが。
A 選挙の前にそういうスキャンダルを追及されたり、
閣僚が失言したりするのが嫌だったのでしょう。
与党は野党から予算委員会の開催を要求されても拒否し続けました。
Q 先週、党首討論がありましたよね?
A この国会で党首討論が開かれたのは1回だけです。
選挙の前だからこそ、国民生活に関係する重要な政策課題、
例えば人口減少や少子高齢化が進む将来への不安にどんな対策を取るべきか、
それぞれの政党・政治家が考えを明らかにして、
選挙で有権者が投票先を決める材料を提供するというのが国会の役割だと思うのですが。
Q 年金が2000万円不足する話なんかはもっと議論してもらいたいと思います。
A 人生100年時代ということで、お年寄りの夫婦が公的年金だけで30年間暮らす場合に
平均2000万円不足するという報告書を金融庁がまとめました。
将来の年金財政は大丈夫なのか、自分たちはちゃんと年金がもらえるのか、
だれもが不安に思っていますよね。
報告書の問題提起をもとに国会で議論すればいいと思うのですが、
政府は報告書の計算が乱暴で誤解や不安を与えるといって、
報告書を受け取らず、封印してしまいました。
Q では、丁寧に計算したら実際にはいくら足りないのか、
年金だけで足りないならどれだけ自力で準備しないといけないのか、
具体的な説明をしてほしいです。
A 政府の対応は、選挙の前に議論すると不都合だと言っているようなもので、
かえって年金不安を招くのではないかと心配です。
Q どうせ自分たちは年金をもらえないとあきらめている若い人もいますよね。
A 年金や医療、介護など、老後の生活を支える社会保障制度は国家の基盤といえるものです。
本当に年金がもらえないなんてことになったら国家が崩壊します。
そのような不安を若い人たちに抱かせないように、
人口減少や少子高齢化と正面から向き合った議論を選挙や国会の論戦で、
国民の目に見える形で行うべきです。
Q 明日からG20ですよね。
A 安倍首相とトランプ大統領は日米貿易交渉の結論を参院選後に先送りしました。
どんな合意をしようとしているのか、気になります。
明日からはG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)が大阪で開かれます。
議長を務める首相の外交手腕も注目されますが、
参院選では首相が語ろうとしないことにも目をこらしていきたいですね。
――選挙の前の国会で議論が少なかったのは残念です。
来月の参院選では、政党や政治家のひとたちが
積極的に訴える公約だけでなく、
何を語らないか?も投票判断の材料にしたいと思います。
憲法改正、老後の2000万円問題、外交、沖縄基地問題、
私たちも考えなきゃいけない問題は山積み。
選挙までに各政党の訴えを勉強しないとですね。
毎日新聞 平田さんありがとうございました。