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ON AIR BLOG / 2017.04.12 update
今日のテーマは、「安すぎてやっていけない!!」
もやし生産者の業界団体が発表した声明について。
解説して頂くのは、毎日新聞 中村秀明さんです!
Q:もやし生産社の業界団体が発表した声明とは・・・!?
A:もやし生産の業界団体が3月「生産するためのコストはどんどんアップしているのに
スーパーなどでの小売価格はあげてもらえず、廃業が相次いでいて、
このままでは続けられない」と訴えています。
Q:そもそも、もやしはどう作るのでしょう?
A:緑豆やブラックマッペ、大豆の種を使って生産されています。
種を洗って発芽させるため、温水につけた後、
暗い栽培室で温度や湿度を管理して8日間で出来上がり。
水で洗って、袋詰めして出荷するというものです。
工場の中で天候に影響されず、自動化された状態で出来上がるので、
価格が安定しているし、一年中1袋25円とか、30円とか、
ありがたい値段でスーパーなどの売り場にならんでいます。
おまけにビタミンCなど栄養も豊富。
ところが、もやし生産者協会が「このままでは、どこも廃業してしまう」と
緊急声明を出して、値上げを訴える事態に発展しています。
Q:何が問題になっているのでしょう?
A:協会によると、この10年くらいで原料となる緑豆、
これは中国が産地ですが、天候不順などの影響を受けて3倍に価格が
高騰しているそうです。そして、人件費も20%くらいアップ。
一方、スーパーなどでの小売価格は販売競争の影響で10%下落しているといいます。
その結果、全国に230あった生産会社は、100社以上が廃業したそうです。
現在、生き残った会社もかつかつの経営状況でといいます。
そこで、今回の業界として緊急声明になったというわけです。
もやしはスーパーで1袋10円台とかで販売されることもある激安目玉商品なんですが、
「どうか適正な価格でのお取引を心よりお願い申し上げます」と呼びかけ、
「度を超えた値下げ競争をやめ、せめて1袋40円で売って欲しい」とお願いしているそうです。
Q:安いにもワケがあるというか、ほどがあるということでしょうか?
A:もやしだけでなく、「とにかく安ければいい」と言っていられない。
商品の向こう側にはそれで生活している人がいるということも気にかけたい。
今後、ちょっともやしが高くなるかもしれないけど、
「やっていけません」という悲鳴が出ていたなあと思い出してほしいですね。