ビークル先生がステージを去っても、仙台の雨は止まなかった。
でもZEPP SENDAIのロビーは熱気と汗が、1バンドを終えるごとにむせ返るほど強くなって、みんなビショビショに濡れてて、正直、外も中も関係なかった。
僕がロビーを歩いて楽屋に戻ろうとしていると、ひときわビッショビショに汗まみれの女子が客席から出てきて2人歩いてて。
「あー、もうホント死ぬかと思ったー!」
「死ぬかと思ったねー!やばい、超楽しい!」
僕の頭の中で、2人の生徒のキャッキャした声がずっとグルグル回って回って離れなかった。
校長教頭登場、締めくくりの黒板。
『死ぬほど』
死ぬほど。それはどれほどなんだろう。
生きるってどういう意味か。死にたいってどういう気分か。
死ぬは、死ぬでしかない。でも死ぬほど、ってのは、生きるってことだ。
今日、仙台の雨空に旗をぶっ立ててくれた講師の4バンドは、みんな僕たちに叫び続けた。
「こんなもんか!!!??? まだまだいけんだろ!!!???」
心臓がコントロールできねーぐらいバクバク言ってぶっ倒れてゲロ吐きそうなぐらい目まいがしてゼーハーが止まんなくて。
俺たちはそこまで行ったのか?
それともスネて下向いて恥ずかしがって自分にリミッターかけて自分の足にブツブツ言ってただけなのか?
楽しむときは、死ぬほど楽しめ。これで私死ぬかもしんない。それでいいじゃねーか。
そんな楽しみを持ちながら死ねるなんて最高に幸せだ。
落ち込むときは、死ぬほど落ち込め。もう俺、死んだほうがマシだ。それでいいじゃねーか。
壁や悩みや苦しみは、乗り越えられるヤツの前にしか現れない。
乗り越えられないヤツには、それが壁だとは、それが悩みだとは感じられない。
キミがそれを悩みだと思ったってことは、壁が見えたってことは、
必ず、次へ行けるってことだ。雨が降ったら、次は晴れる。それと同じくらい、簡単なこと。
死ぬほど暴れろ。死ぬほど叫べ。死ぬほど笑え。死ぬほど泣け。
死ぬほど恋しろ。死ぬほど失恋しろ。
そこに『生きる』が。そこに『LIVE』がある。
生きる意味なんかない。資格も権利もない。ただ、そこにある。
明日には明日の旗がある。今日の旗は明日には持ってかなくていい。
思う存分振り回して破ってボロボロにしちゃっていいんだよ。
仙台のみんな、熱かった。初めて会えてうれしかったよ。ありがとう。
またいつか、どこかで会おう。
その時は、今日と同じように、振り回してボロボロになった旗、また見せてよ。
text by やんも先生
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