* 放 送 後 記 *

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2023年10月24日(火)PM 10:00 まで



アイナ「SCHOOL OF LOCK! 表現の講師 アイナ・ジ・エンドです! 私が主演を務めさせていただいている映画『キリエのうた』が先週、ついに公開されましたー! フィー★(拍手)」

アイナ「『キリエのうた』は、13年間の出会いと別れ、『キリエのうた』が繋ぐ4人の物語。キャストに、松村北斗さん、黒木華さん、 広瀬すずさん、村上虹郎くん、大塚愛さんなどなど、本当にたくさんの方々と共演させていただいております。」

アイナ「先週ね、ついに公開されました! ドキドキでしたね。1年半以上、Kyrieが頭にずっと住み着いているので『公開やっとされたのか!』 と思って、当日はワクワクして、吉祥寺の劇場まで自分も観に行ってしまいましたね。」

アイナ「はい。今日はね、こんな方も来ております……岩井さん、いかがですか?

岩井「いやー、ドキドキですね。

アイナ「ドキドキですね(笑)」

岩井「本当にドキドキです(笑)」

アイナ「今夜のアイナLOCKS! のゲスト講師は、映画『キリエのうた』原作・脚本・監督の……岩井俊二先生です!!!

岩井「どうもー! 」

SCHOOL OF LOCK!


アイナ「岩井俊二監督は、これまで『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』『Love Letter』『スワロウテイル』『リリィ・シュシュのすべて』などなど、本当にたくさんの映画を手がけていらっしゃる、大大大大大先生です!! 来てくださってありがとうございます! 」

岩井「どうも、お招きいただきましてありがとうございます。」

アイナ「さっき一瞬に聞いたんですけど、岩井さんはアイナLOCKS! も聞いたことがあるとか? 」

岩井「はい、ちょっと最近ですけど、聞いたことあります。」

アイナ「嬉しい! 」

岩井「受講生です。」

アイナ「受講生(笑)ここは、10代が多く通っているラジオの中の学校なんですけども、岩井さんは、なんと先生だった時代があるんですよね?! 」

岩井「ていうか、教員免許を取得したことがあります。」

アイナ「やばーい! ガチ先生来た!!! 」

2人「(笑)」

岩井「教育学部だったんで、中学校の美術の先生の教育実習までは行ったことがあるっていう。」

アイナ「美術だったんですね! 」

岩井「その後の教員採用試験を受けなきゃいけないところで、僕は映像の方に行きたかったんで、そこまでは行かなかったんですけど。そう、だから、教育実習のときに『岩井先生』って呼ばれてました。中学1年生から3年生に。『岩井先生! 岩井先生! 』って。」

アイナ「今日は、そんな岩井とこんな授業を行っていきます。」

アイナ『岩井俊二先生と映画「キリエのうた」SP〜! 』

アイナ「岩井先生に映画のお話も聞かせてもらいつつ、生徒ちゃんの悩みにも一緒に答えてもらいたいと思います。」

岩井「はい! 」

アイナ「『キリエのうた』という映画は、2022年の2月頃にクランクインしたんですけども、岩井さんはもっと前からこの映画について考えてたんですよね? 」

岩井「そうです。前に『ラストレター』という映画を作ったんですけど、その頃からじわじわと誕生してきた話なんですけど…」

アイナ「そんな前からあったですね! 」

岩井「そうなんです。本当はその続編っていうのがあって、『未咲(みさき)』っていう続編をまだ世に出してないんですけど、その中に入ってた一編だったりして。だから、逆になかなか『未咲』を映画化する道半ばなんですけど、先にそこがうまくいってそれを作ってたら、多分、この映画なかった可能性があるっていう。だから、本当に映画の運命って分からないというか。それを思うとね、なんかすごい冷や汗が出ますよね。アイナさんとも出会えなかったかもしれないっていう。」

SCHOOL OF LOCK!


アイナ「いや恐ろしいですね。私、BiSH解散して唯一の光が『キリエのうた』だったんで。本当に『キリエのうた』があったから頑張れたなって心から思ってるんですよね。今の話聞いて、何だかありがたいなと思いました。」

岩井「ね! ほんとに奇跡のような映画でした、本当に。」


SCHOOL OF LOCK!


アイナ「そして、実は少し前に、『人とお話をするのが苦手だったり、心を開くのが苦手な生徒ちゃん、よかったらお話しませんか? 』と生徒に伝えました。そしたら、なんと沢山のメッセージをいただきました! 」

アイナ「私の役『キリエのうた』の主人公、路花とどこか似ていたり、同じような悩みを抱えている生徒ちゃん達です。そんな生徒ちゃんのお悩みを紹介していきましょう! 」



「いじりが辛いけど言えない」

相手はネタで言ってるかもしれないけど、私は傷ついてることが多いです。
ネタとか軽いノリで言われてるってわかってても傷ついちゃって、はっきり嫌って言わないとずっと言われるなと思っててもなかなか言えません。言おうとしても嫌われたりするかな、などと考えてしまいます。こうゆう時どうしたら良いですか?

チンするご飯
山形県/16歳/女の子


アイナ「高校生のチンするご飯ですね…うーん。ありますよね、いじりが本当は嫌だけど、『みんな笑ってるし、耐えるか』みたいな。でも、やっぱ重なってくると辛くなる。岩井さん、ご経験あったりしますか? 」

岩井「いや、ありますよやっぱり。あるけどね…“いじり”と“いじめ”って、一文字しか違わないでしょ? だから難しいよね。愛のあるいじりももちろんあるだろうし。でも、段々エスカレートしてきたりもするから。逆に、いじる側がほどほどにっていうのが大事かもしれない。」

アイナ「そうかも。」

岩井「ね! “ほどほどに”って言ってあげたらいいんです。“いじりもほどほどに”って(笑)」

アイナ「それいいかも! わーって言われた時に、『いじりもほどほどに♪』って。チンするご飯言える? これ頑張って言ってみて! 」

アイナ「でも、『いじりもほどほどに』って言われたら、相手も『あ、そっかそっか! 今チンするご飯傷ついてんねや、やめとこう! 』って思えるかも。」

岩井「ね! 」

SCHOOL OF LOCK!




「相談できない」

私は本音を言うと泣いてしまいそうになったり、勇気が出なくて誰にも悩みを相談出来きないことに悩んでいます。仲良しのお友達や相談してって言ってくれる人もいるけど、人に相談することがすっごく苦手でずっとひとりで抱えて心が限界になりそうな時があります。本当は相談したいことがあるのになんて伝えたらいいのか分かりません。だから生きてきてほとんど誰にも自分の悩みや抱えていることを言ったことがありません。どうしたらうまく伝えることができますか?

アイスランドポピー
大阪府/14歳/女性


アイナ「14歳ってことは、中2かな? アイスランドポピーに対して岩井さん、なんか話あったりしますか? 」

岩井「そうですね…まあ、うまく伝えることも大事なんでしょうけど、僕もここまで長く生きてると、過去を振り返ってね、誰にも相談できなかったりして、ぎゅっと口をつぐんでる瞬間だったり、その時期だったりって、自分の人生の中でひと際強く光輝いてるというか。」

岩井「辛いんだけど、やっぱりその時は誰にも相談できず、一生懸命自分で考えるしかないんでしょうね。その時間って、こんな年齢で振り返ると、人生にとってはすごい大事な時間だったなっていう気がするんで。」

岩井「だから、ただただ辛いではなくて、『いや、これって結構、将来すごく大切な時間だったんだな』と思えるかも。『あのおっさん、そんなこと言ってたしな』みたいにちょっと思ってもらえると、少し肩の荷が下りるんじゃないかなーと。」

SCHOOL OF LOCK!


アイナ「確かに! “辛いことは後で人生の財産になる”って大人の人に言われ続けて生きてきたけど、なんか岩井俊二さんに言われると、本当にそうなんだなって思いました! 」

岩井「いや、ほんとにそうだと思うよ。そうだと思います! 」

アイナ「アイスランドポピーよかったね。一緒に乗り越えていこう! 」

SCHOOL OF LOCK!



アイナ「最後に、SCHOOL OF LOCK! の生徒に向けて、岩井俊二先生から黒板を書いてもらいたいんですけど、いいですかね?? 」

岩井「はい。」

アイナ「10代の子たちに岩井先生が何か言うとしたら、どんな言葉があるかなって。」

岩井「一文字でもいいかな? 」

アイナ「はい! 」

岩井「ちょっとこの話をね、させてもらいましたけど…はい! 」

SCHOOL OF LOCK!


SCHOOL OF LOCK!


アイナ「なんだこの漢字〜! 」

岩井「“噤(つぐむ)”っていうね。」

アイナ「 “噤(つぐむ)”!!! 」

岩井「口を噤(つぐ)むの“噤(つぐむ)”」

アイナ「へえ〜! 」

岩井「何にも言えない、言葉にできない、ぎゅっとなってる時みたいな。そういう時をね、時々人は通過しなきゃいけないと思うんですけど。本当僕なんかは、そういう時間が、特に小学校時代・中学校時代にありまして。友達と喋れなかったり、毎日学校の往復1人で、口を噤みながら通っていたんですけど。」

岩井「でもその時に、いろんな想像や妄想や、いろんなことを頭の中で繰り広げて、それが多分こういう仕事に向く脳みそ作りに役立ったのかなと思ってて。」

アイナ「わー、すごい。」

岩井「ある種、そういう辛い瞬間・辛い時期は、耐え抜けばというか、耐え抜かなくても、どっかでそれを回収できる時期が来るというか。それは、同じような体験をしてる人に優しくなれたりとか、いろんな実りがいつか必ず訪れる気がするんで、この“噤む”瞬間、時期を大切に…と。」


M. キリエ・憐れみの讃歌 / Kyrie (アイナ・ジ・エンド)


SCHOOL OF LOCK!


アイナ「アイナLOCKS! そろそろ終了のお時間です。なんだか今日はアイナLOCKS! 史上1番本当の先生が来たなというか、こんな真心のこもった授業なかなかないんで、よかったら隔週ぐらいで来てもらえたら(笑)」

岩井「あ、ほんとですか! またすぐ来ます(笑)」

アイナ「授業してみてよかったですか? いかがでしたか? 」

岩井「いや、楽しかったです。久しぶりに教員に戻ったような気分で。」

アイナ「『キリエのうた』が今全国で上映されているので、よかったら観に行ってほしいです! 監督からも一言いいただけますか? 」

岩井「そうですね、じゃあ…生徒のみんな! 『キリエのうた』絶対観に行くんだよ? よろしくね!

アイナ「最高です!! 」

岩井「放課後は、寄り道せず真っすぐ帰ってください。」

アイナ「今日は岩井俊二先生、生徒に会いに来てくれてありがとうございました!」

岩井「ありがとうございました! 」

アイナ「そして来週のアイナLOCKS! には…映画『キリエのうた』から、Kyrieのバンドチームのギター担当、村上虹郎先生が来てくれます!

岩井「おー! 」

アイナ「そしてさらに! 再来週は、私のお母さん役、大塚愛先生が来てくれます!

岩井「おー! 」

アイナ「来週からも、楽しみ楽しみ! ということで、これはもう、10月のアイナLOCKS! は『キリエ月間』!!! ぶちかましていきましょう。」

アイナ「以上、SCHOOL OF LOCK! 表現の講師 アイナ・ジ・エンドでした! 生徒ちゃん、またね〜! 」

岩井「またねー! 早く帰れよ! 」

アイナ「(笑)」

SCHOOL OF LOCK!



岩井俊二先生、ありがとうございました!
10月のアイナLOCKS! は『キリエ月間』
来週24日の授業には、Kyrieのバンドチームのギター担当を演じた、村上虹郎先生。再来週31日の授業には、Kyrieのお母さん役を演じた大塚愛先生が来てくださいます。
10月は、アイナLOCKS! と映画「キリエのうた」!!
どちらもぜひチェックしてみてね🎸🎶

★表現にまつわるお悩みをアイナ先生に直接相談する「表現の時間」、生徒とアイナ先生のオススメの本で本棚をつくる「生徒と私の本棚」、自分の得意なことや誰にも負けない経験を履歴書に表現する「私の履歴書」…各授業に参加したい生徒は [ アイナ掲示板 ] または [ メール ] からエントリーをお待ちしています!

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