初のライブストリーミング公演『SAKANAQUARIUM 光』を振り返る (1)

サカナクション 2020.8.21 金曜日

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聴取期限 2020年8月28日(金)PM 22:00 まで





サカナクション初のライブストリーミング公演『SAKANAQUARIUM 光』が無事終了しました。音楽のライブを、映像配信を通じて再解釈したこの公演。今回は、このオンラインライブについて、山口一郎先生と副担任の江島啓一先生の2人で振り返ります。

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山口「いやー……疲れたな。さすがに。」

江島「疲れたね。思ったより疲れた。」

山口「楽しかったけどな。……でも、お前は本番になるとハイハットがうるさい(笑)。」

江島「それはモニターのせいじゃない?」

山口「モニターじゃないよ!俺は分かったわ。今回のライブでお前のプレイがよく分かった。外音(スピーカーから鳴っている音)がないから誤魔化しが効かないじゃないのよ。リハーサルの時はソフトなタッチでドラムを叩いてるんだけど……本番になると、気合が入っているのか分からないけど叩く強さが強くなるな。」

江島「この前は、本番前にサニーさん(PAの佐々木さん)に『暴れてこい』って言われたの。」

山口「ははは!(笑) でも、"暴れてこい"と"うるさい"は、なんかニュアンスが違うと思うよ(笑)。」

江島「ニュアンスが違うの?似てるでしょ?」

山口「"気合入れろ"っていうのと、"ジャカジャカうるさい"っていうのはちょっと違うだろ。」

江島「まあ、でも、出ちゃうよねー、音にね。」

山口「そこもさ、すごい俺がおいしいところだったりするのよ。「ボイル」で俺にだんだんカメラが寄ってくるところあるやん。カメラがぐーっと寄ってきて、俺が"言葉で今繋げるから"……はっ……っていうところ、お前も感情が入っちゃってるのか分かんないけど、ドラムがジャー!!って。やっているこっちの身になってみろよ(笑)。なんで俺はお前に煽られながらそこを歌わなあかんねんってさ。」

江島「いやー、あそこで俺もいかなかったら寂しいと思うよ、いっくん。いっくんだけなんかいっちゃってるみたいな感じになって。」

山口「……リハーサルくらいで大丈夫(笑)。リハーサルでも充分ビシビシきてるから。」

江島「あ、きてる?パッションだよ。パッションだから。」

山口「パッションは内にも秘められるよ(笑)。外に出す必要はないよ。」

江島「そうか、そうか(笑)」

山口「まあ、ワーワー言ってるけど、楽しかったな。」

江島「うん。楽しかった。」

サカナクション初のオンラインストリーミングライブ『SAKANAQUARIUM 光』。は、8月23日(日)23:59までアーカイブで観ることができます。

『SAKANAQUARIUM 光』特設サイト [ →コチラ!]

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Photo by 横山マサト


山口「はい、授業を始めますから席に着いてください。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている人はサカナLOCKS! [ →インスタアカウント]をフォローしなさい。授業が始まりますよ。さて、先日サカナクション初のライブストリーミング公演『SAKANAQUARIUM 光』が無事終了となりました。まだアーカイブは観られるけども。本当に、観てくださった皆さん、ありがとうございました。述べ、6万人観てくれましたよ。6万人の人がチケットを買ってくれたという実数字でございます。ここはもう、盛りはなし!本当に助かりました。うちの事務所の社長にこれで赤字じゃないですよね?黒字ですよね?って言ったら、『おう。今日のライブは黒字だ。だが、ツアーが中止・キャンセルになった分を含めるとまだ赤字だな!』って……まだ追い込もうとしていますね、僕を(笑)。まだまだ頑張らないと会社はなんとかならないぞと追い込みがかけられていますけども。でもね、僕たち的にも本当に気合が入っていたライブだったので、それを6万人もの方に観てもらえたというのは非常に嬉しいです。本当にありがとうございました。」

山口「今回は、サカナクションのドラム 江島啓一先生と一緒にライブストリーミング公演『SAKANAQUARIUM 光』の舞台裏のお話をしていきたいと思いマッスル。では、この髭男爵と振り返っていきたいと思います。」

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江島「よろしくお願いします。髭男爵でーす。」

山口「ふふふ(笑) 今回のオンラインライブでヒゲマンボウから髭男爵にちょっと昇格。髭男爵にしてやるわ。」

江島「格上げ?おー、ありがたい、ありがたい。」

山口「今日は、サカナクションのドラム 髭男爵こと江島啓一がいるから、振り返っていきたいんだけど。」

江島「はい。」

山口「まず、リハーサルをしたじゃない、オンラインライブをやろうってことで、こんな感じになるよっていう。」

江島「うん。ざっくりしたコンテみたいなものが……」

山口「そう、台本みたいなものがあったけど、あんまりイメージはできてなかったじゃん。あんな風になるなんて思っていなかったじゃん。」

江島「思ってなかった。」

山口「セットとかも僕らは知らなかったしね。あと、普段のライブとは違うっていうこともなんとなく分かっていたでしょ?外に音を出すスピーカーがないからさ。」

江島「そうだね。お客さんもいないしね。」

山口「江島くん的にはオンラインライブになるっていうことで、リハーサルで普段のライブとは違うだろうなっていう想定で考えていた部分ってある?」

江島「まずね、音的にいうと、普段、音が3種類あるんですよ。演奏中に聴いている音と、録音した音と、実際に会場のスピーカーで出してお客さんが聴いている音。その3つがあるんだけど、スピーカーから出ている音って(演奏者は)聴けないのさ、絶対に。」

山口「ステージにいるもんね。」

江島「うん。だから、録音した演奏を聴いて、なんとなくスピーカーで鳴ったらこうだろうなっていうのを予想しながらやっているんだけど。今回は、その録音した音とお客さんが聴いている音が全く一緒になるから、より緻密に音響を作れた。サニーさん(PAの佐々木幸生さん)とか、浦本さん(レコーディング・エンジニアの浦本雅史さん)とかと一緒に、録って確認して、録って確認して……っていうのをずっと繰り返していたから、普段のライブよりも密にコミュニケーションがとれてた。」

山口「レコーディングに近いよね。」

江島「近いね。」

山口「演奏する時も、外音(スピーカーから出る音)がないからさ。反響がないわけじゃん、会場の音響がないわけだから。ステージ上の音も小さいしさ。だからレコーディングしている時とほぼ環境的には一緒なんだなっていう気がしたよね。」

江島「そうそう。あと、今回は初めて『リアルタイムマスタリング』をやっているから、本当に音はレコーディングに近いかも。」

山口「マスタリングっていうのは、鉋(かんな)がけみたいなものだよね。毛羽立っている木に鉋をかけて綺麗にするっていう……音の作業がマスタリングっていうんだけど。」

江島「そう、最後のね。レコーディングではいつもやっているんだけどね。ライブでは初めてかもしれない。」

山口「だから、普段のライブからすると明らかに音的なところも違うし、演奏する側のテンションも違ったってことだよね。」

江島「違うね。……でもね、お客さんがいない環境ってあんまり想像できていなかったかも、リハーサルの時。」

山口「俺は散々、言うたでしょ?お客さんがいない中でライブするのって大変だよと。演技をしなきゃいけなくなるかもしれないんだよって。」

江島「うん、言ってた。」

山口「本番どうだった?」

江島「本番ね、そんなに演技は必要なくテンションが上がった。最終的には。」

山口「うん。だってうるさかったもん、お前のドラム!テンション高くてさー。ジャンジャンジャンジャン、ジャカジャカジャカ!!ってさー。」

江島「ふふふ(笑)。パッションです!」

山口「内に秘めろっつってんの、パッションはよー。ハイハットに出さなくていいから、パッションは。」

江島「出ちゃったんだよ!出ちゃったんだよねー、自然と。」

山口「(笑)」

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山口「普通のコンサートだとさ、テクニカルリハーサル → ゲネプロ → 本番っていう流れで、普通はテクニカルリハーサルからメンバーが入ってくるじゃん。でも、今回はテクリハがなかったんだよね。予定していたんだけど。普通のライブだと、照明をこうするとか、この辺で煙が出てどうするとかっていうのを一回メンバーがステージの下から見る。」

江島「演出確認みたいなね。」

山口「そう。演出確認みたいなのを普通はやるんですけど、オンラインライブだとそれが必要ないんです。カメラの中の話だから、カメラワークの確認……カメリハなんですよ。メンバーも現場に来て、引きのステージの絵を見ていてもしょうがないんですよ。みんなが観るのは画面だから。だから、家で映像をチェックしてもらった方がいいよねっていうのを急遽現地で判断して、僕はステージの上に立っていたんですけど、メンバーは家でチェックしたんだよね。」

江島「うん。家で見てた。」

山口「家で見て感想をメールでばーっと送ってきたのを最終的にまとめて演出に反映していくっていう感じになったんだよな。」

江島「うん。映像を見ながら、ここは気になるとか、ここはよかったとかっていうのをチャットでやりとりしていたんだけど。配信を観てくれている人たちってコメントしたりするじゃん。こういう気持ちなんだなって思った。」

山口「(今回の公演の)オープニングはスマホを持っているところから始まるじゃん。俺、カメリハの時も、スマホを見ながら歩いてポケットに入れてそのままステージに行ったじゃん。リハーサル中、ポケットでスマホがプルップル、プルップル……お前らのメールが俺のポケットでずーっとプルプルしてさ(笑)。」

江島「ははは(笑) 何十通も着て(笑)。」

山口「何事だよ!みたいな(笑)。 でも、そういう風にカメリハをして、翌日ゲネプロをやったわけだよな。」

江島「通しリハーサルね。」

山口「そのゲネプロって実際に衣装を着替えて本番通りやるじゃない。その前にサウンドチェックの意味も込めてリハーサルをやったんですけど、そのリハーサルも今回は頭から通したんだよな。だからカメラマンの人たちは、メンバーが入ってカメラワークを決めるのはその時が初めてだったんで、リハーサルでとりあえず一回流れを見てもらって、ゲネプロで本番通りにやるっていう形で、当日2回通したんだよね。」

江島「うん。あれ結構疲れたね(笑)。」

山口「うん、くったくただったよ。」

江島「カメラマンも大変そうだったね、皆さん。」

山口「いやー、みんなすごいよ。プロだよ、やっぱり。正直メンバーが家で1回確認した時のカメラワークと比較すると、あの時はもうどうしようって感じだったもんね。」

江島「そうそう。全然違った!1日経って。」

山口「うん。だから、あの時はみんなが分かってなかったんだよね、つまりは。」

江島「オンラインライブをやったことないから。」

山口「うん、やったことないから。初めて『おはようございます、今日からよろしくお願いします』って集まって、せーのでやったやつだから。だから、本当の意味でのリハーサルは、メンバーが来てからの一発目が最初なんだよね。」

江島「それにしてはクオリティがすごかったなー。」

山口「すごい。そこから本番初日のクオリティに一気に持って行ったのはやばいよね。」

江島「うん……さすがっすね。」

山口「カメラも、映画用のカメラを使ったりしていたし、あそこまで予算が膨らんだ理由はカメラの台数と質なんだよね。サカナクションは幕張メッセとかでスピーカーを300発入れたりしてきたじゃない。そこでコストがかかるでしょ。今回のオンラインライブは外にスピーカーがないじゃん。そのスピーカーの代わりにカメラにお金をかけたんだよね。もちろん、音の部分はサニーさんが3Dサウンドを持ち込んだりしていたけど、ある種、映像の方に田中監督がお金をかけたっていうのは英断だよね。それをちゃんとイメージできていたっていうのはすごいなって思う。」

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江島「すごいよね。」

山口「すごいよ。あとさ、「茶柱」の時のカメラクレーンあるじゃん。こんなでっかいクレーンでこうやって……ラジオだからこうやってっつっても見えないけど(笑)。すっごいでかいクレーンの先にカメラが付いていて、そのクレーンを手で動かしている人がいるんだよね。めちゃめちゃがたいがいい人。」

江島「操縦している人ね。」

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山口「あれって、CMとかで撮影する時って長くても5分とかじゃん、多分。10分とか……あるか分からないけど。だけど、俺たちのライブは2時間ずっとそれをやっていたから。初めてだって言ってたよ、あんなに長くクレーン動かすのって(笑)。」

江島「そうか、そうか。」

山口「でも、「茶柱」はあの人のワンカットだからね。あの人の目線だけで「茶柱」を1曲やっているから、すごい緊張感だったと思うよ。」

江島「しかも、中盤にきてのその山場が……」

山口「うん、中盤にきて一番いいところじゃん。ぐっと集中して。だから、ちょっと疲れて手を離してガクーンってなっちゃったらもう、バクーンって(笑)。」

江島「腕力がなくなったら終わってたってことだよね。」

山口「そう、だから本当に(終了後)腕がパンパンになったって言ってた。」

江島「そうか、そうか。」

山口「本当にすごいチームが集まって、カメラチーフも奥口(睦)さんって言って、普段CMとかを作って活躍しているカメラマンの方で、サカナクションのアーティスト写真もそうだけど、「新宝島」「忘れられないの」「さよならはエモーション」とかのミュージックビデオのカメラマンを務めてくれた方で。やっぱりすごいチームでやれたよね。」

江島「みんなフレンドリーだった。」

山口「うん、そう思う。」

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山口「あと、やっぱりサニーさんがすごかった。PAの。」

江島「ミックス?」

山口「PAの仕事って、Public Address(パブリックアドレス)だからさ、デカい会場の大きいスピーカーで大勢に聴かせる音の調整が仕事なわけじゃん。でもさ、オンラインライブになると、やることが違うじゃん。もともとラインで聴かせる職業じゃないからさ。ミックスの考え方がまた別の職業じゃん。」

江島「レコーディングに近いのかな、どちらかというと。」

山口「うん。やることはレコーディングエンジニアとほぼ一緒じゃん。それを、3Dの機能を持ち込んだり、客観的に、家に聴く人たちのために自分のミックスをどう聴かせるかっていうところにちゃんと考えを持っていって、最終的にそこに辿り着いて最終日に完璧だって言える……その姿勢とかモチベーションっていうのに感服したね。」

江島「柔軟なのかな。」

山口「超柔軟だよ、本当に。柔軟だし、サービス精神がないとできないよね。観ている人たちに音で楽しんでもらおうっていう気持ちがないと、自分の違うジャンルのところに踏み込もうって思わないじゃん、普通。何十年もやってきたんだぜ?」

江島「うん。」

山口「ドラムなのにさ、タンバリンでこれからご飯食べていってくださいって言われたら、やれるか?」

江島「ははは(笑)。自信ないっすねー、全然(笑)。タンバリンだけではちょっと自信ないっすね。」

山口「ふふふ(笑)。だからそこで完璧って言わせるものを作るっていうのはすごいことだなって。」

江島「やっぱり、もともと演出でいろんなことをやるって最初に決まっていたから、それに対して音にもひと工夫欲しいってサニーさん的には思ったらしくて。そこからの『3Dサウンドでやってみたらどう?』っていう提案だったんだよね。」

山口「そうそう。だから、そこに意識がいってくれているってすごいことだよね。」

江島「提案してくれるっていうのもありがたいしね。」

山口「『サカナクションのライブにスピーカーを300発入れました!サカナクションはすごい音にこだわっています!』って言ってさ、お金かけすぎだよ、

山口ってすごい言われるけどさ……あれ、言いだしっぺサニーさんだからね!(笑)」

江島「(笑)」

山口「『(モノマネで)一郎!サラウンド使ってアリーナでやろうよー!』みたいな。まじっすか、できるんすか……みたいな。」

江島「それで、できちゃうんだもんね。」

山口「そう。そういう人だから、オンラインライブでただ単にステレオでやろうって思わないよね、やっぱりね(笑)。」

江島「思わないんだろうねー(笑)。なんかやってやろうって思うんだろうね、やっぱりね。」

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山口「でも、どう?やってみて可能性感じた?」

江島「可能性感じたし、今回このクオリティになっちゃったから……」

山口「いやー、ちょっとさ……演奏も完璧すぎたよな。」

江島「よかったと思う。」

山口「演奏完璧だなーと思ったわ。もちろん粗はあるけど。逆にライブ感なかったよね、うますぎて(笑)。」

江島「(笑)」

山口「あー、最高っすねーって感じだもんね。」

江島「ははは(笑)。 最高っすねーって感じだった。」

山口「もちろん、ピッチがずれていたり、リズムが変な風になっちゃったり、タッチミスとかはあったけど……全然OKじゃん。」

江島「ありだと思う。半年ぶりとは思えない。」

山口「普通のライブとはプレイの精度が違うね、オンラインだと。」

江島「より細かいところまで気にできるし。」

山口「Twitterとか見た?反応検索した?」

江島「いや、Twitterとか見てない。」

山口「俺はもう、エゴサしまくりだよ!」

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江島「どうでした?反応は。」

山口「いや、すっごいよかった。……けど、びっくりするくらいミュージシャンからの反応がない!(笑)」

江島「あれ、そうなの?」

山口「これはね……なんでなんだろうって思って。」

江島「さかなクンは?」

山口「さかなクンは、『すぎょいでぎょざいますー!!』って連絡きたけど(笑)。」

江島「(笑)」

山口「感動してくれたよ、さかなクンはね。」

江島「ありがたい。」

山口「THE YELLOW MONKEYの吉井(和哉)さんとはちょっとメールでやりとりしていて……」

江島「え!観てくれてたの?マジで?」

山口「うん。観てくれて、よかったよって言ってくれた。」

江島「ありがたいです。」

山口「あとは……GLAYのTERUさんがTwitterで……面識は僕ないんですけどね。」

江島「北海道の先輩の。」

山口「そう、大先輩ですよ。観てくれるって言っていたけどね。実際にリアルタイムでミュージシャンが反応しているツイートは見ていないね。このエゴサ王の俺が発見できていないってことは、多分ないと思う。」

江島「ない?」

山口「……やっぱりそういう役回りなんだよな、俺らって!クラスの中で目立つ奴らがなんかやるとみんな盛り上がるけどよ、俺らみたいなオタクがなんかやってもよー、あんまり周りが盛り上がってくんねーんだよ!(笑)」

江島「ヒエラルキーはそんな上位じゃないからね、俺ら。多分ね。」

山口「そうそう。悲しい性だけど。これをきっかけにオンラインライブをやりたいと思うミュージシャンが出てきたりとか……江島、ここは俺たちハードルを上げたと思うぞ。あんだけのことをやったんだから!……チクチクチクチク言えるぞ(笑)。」

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江島「ふふふ(笑)。あの……先生。そういうことやってるから盛り上げてもらえないんじゃないですか?(笑)」

山口「ぎゃはははは(爆笑)」

江島「(笑)」

山口「でも、オンラインライブっていうものはこれたちの時代、ちゃんと新しいコンテンツになって欲しいと思って今回やったわけ。他のミュージシャンとか、企画する人たちにもいろんなアイディアを振り絞って音楽を好きな人たちをワクワクさせてほしいなって思う。やっぱり、無観客でオンラインライブをやることは悪いことじゃないし間違いじゃないんだけど、それをずっと繰り返してるとみんな飽きてくるし、後ろ向きな気持ちになってきちゃうじゃない、観ている人たちもさ。生のライブがいいな……って思いながらそれを観ることになるからさ。そうじゃなくて、生のライブを超えたとか、違う種類のものだっていうのを発明することをみんなでやりたいなって気がするよな。」

江島「うん。」

山口「でもそれはチームサカナクションで、できたんじゃないか?」

江島「できたと思うしね。1回であそこまで行けたなら、今後どうなるんだろうって。」

山口「実際にライブができるようになってツアーをやってもさ、そのツアーが終わって翌週くらいにオンラインで再解釈したライブをできたらいいよね。」

江島「うんうん。」

山口「またオンラインライブやりましょう。」

ということで、今回の授業は終了です。

山口「今回は制作側から見た『SAKANAQUARIUM 光』の話を江島君としていきましたが、来週は視聴者側からだぞ。視聴者側から見た感想を聞いていきたいと思います。来週も付き合ってくれよ。」

江島「はい!了解です。」

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