第201話「遠回しのbother」
世界的な大企業、「オモテナセルフカンパニー」の最高執行責任者、つまり副社長に就任することが決まったジェニファー。
本格的に働き始めるまでは、あと1週間。その間は、日本で過ごしたい。いや、茂木と過ごしたい。そう思ったジェニファーは……電話をかけていた。
ジェニファー:もしもし?
節子:ジェニファー、どうしたんだい急に?
電話をかけた相手は、茂木ではなく、ジェニファーのおじいちゃんの妹、節子だった。
ジェニファー:あの、Isn't there anything bothering you?
節子:あ、ジェニファー、私、英語は分からないよ。(笑)
ジェニファー:あ、ごめんなさい!botherは悩ますとか困らせるって意味で、
えーと、あなたは何か困っていることはありませんか?という意味です!
節子:…困っていること?あぁ、ジェニファー、何かあったのかい?
ジェニファーは、10分後、ようやく本音を打ち明けた。
ジェニファー:…前に私は茂木を振っているから、今更こんな気持ちになっても…
節子:そういうことだったの。余計なこと考えないで、素直に茂木さんと過ごせばいいじゃない。
ジェニファー:…え?
節子:茂木さんに会いたいんでしょ?私はね、会いたい、と思った時に、会えなかったの。
ジェニファー:…はい。
節子:会いたいと思ってる時に、会えるって幸せなことよ。
ジェニファー:……そうですね。
ジェニファーは、節子と話した翌日、日本へやって来た。そして、久しぶりに茂木と2人で会うことに。