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ステージに登場し、静かにキーボードの前に着いた。
そっとキーボードに指をおき、金子文香の演奏はスタートした。

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インタビューで「聴き入ってもらえるような心に染みいる演奏がしたい!」
そう話していた彼女。

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ポップだがしっとりとしたメロディー。
すっと体に入ってくるような優しい歌声。
会場は一気に金子文香の世界に包まれた。

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曲調が変わり、優しい歌声から訴えかけるような力強い歌声に全ての人が心を掴まれた。

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「全ての疲れた主人公たちへ」
「おのれを救うことから始めて下さい」

そう言って、2曲目の演奏は始まった。

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2曲目も温かみのある歌声が会場を覆った。
その歌声に感情が溢れそうになる。

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そして立ち上がり、マイクを手に持った。
一人一人に想いを届けるように優しく力強く歌声を響かせた。

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最後は深々とお辞儀をして彼女の演奏は終了した。

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色々なところに連れて行ってもらってるような、そんな気持ちになった。

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最後に「わかりやすく盛り上がれる曲ではないけど、顔をそらさず曲を聴いてくれたことが嬉しい」と話した。

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瞳を閉じると、まだあの歌声が蘇ってくる。
金子文香の歌声やメロディーが心に染み入り、離れなくなっていた。


M1.君の名前も知らないのに
M2.HERO

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