茂木:今日はスーパーには寄らずに帰ろう。お金がないんだ。ああ、お腹空いたなぁ。ああ、おでんの屋台。あったまるだろうし。僕は大根が好きなんだよ。大根は…150円。150円か。持ってない。150円といったら明治時代に…
時は明治元年。明治新政府は、大名などから現在の東京の中心部の土地を奪ったのだが、その結果でたくさんの空き地ができてしまったという。
その空き地を畑などに利用してもらったほうがいい、と安い値段で売り出したのだが、当時一坪、畳2畳分の売り値は、1銭5厘。現在のお金に換算すると!一坪!およそ150円!!
茂木:昔は、150円で土地が買えた時代もあったんだ。だけど、150円さえ持ってない。大根、だいぶ味が染み込んでそうで、本当にうまそうだな。ちくわぶも、こんにゃくも、全部おいしそう。いいなぁ。食べたいなぁ。やっぱり大根だとなぁ。でも、…我慢だ。はー、腹減った。
億万長者から、一気にすべり堕ちた茂木。高級料理から、カップラーメンに。豪邸から、4畳半のアパートへ。美女が群がっていた男から、電気代も水道代も払えない、男に。
茂木:よし!僕は、決めた。もう、働く!働くぞ!
- Prev || 1 || Next -