今夜の授業を職員のジェーンが振り返り!
今夜のSCHOOL OF LOCK!授業テーマは
『夏休み特別授業〜ヤングケアラーの君と〜』
ヤングケアラーとは、本来大人がやるべき家事・介護などを大人の代わりに行っている18歳未満の子供たちのこと。ヤングケアラーとは何なのか? 何が問題なのか? どうすればいいのか? 今夜は朝日新聞の
畑山記者を迎えて授業を届けていきました。
1人目に電話をした生徒は RN:
GREEN AZUKI。自分はヤングケアラーかもしれないという RN:GREEN AZUKIはこんなメッセージを送ってきてくれました。
★ヤングケアラー
学校で習ったから知ってる。
弟が障がい者で、祖母が介護必要、母も自由な生活ができない。弟は昔よりかはよくなったけど、分からないことが多い。これをやってって言ってもできるか分からない。祖母は歩くときに手が必要だからトイレとかはついていく。母は病院の日がある。その日は祖母の介護をして、弟を見る。弟はゲームばっかりしてるからいいけど、祖母はいつ「痛い」っていうか分からない。2人ともデイサービスに行っているときは迎えをしなくてはならない。母は体が悪いから手助けをしなきゃならない。父は仕事だからいない。誰もいない時が一番良いけど2人がデイサービスから帰ってきたら終わり。
母の病院が遅くなったら洗濯物入れてご飯を作る。私が生まれた時はほとんど動けなかったみたい。大人になって一人暮らしするならこんな感じかななんて考えながらやったら軽くなるからそう思ってる。嫌だとは思うけど、しょうがないから。
GREEN AZUKI
大阪府、14歳、女の子
RN:GREEN AZUKI のお母さんは昔から足が悪く、小学生の弟は軽度の発達障害、2年前から一緒に暮らし始めた祖母は認知症を患っているので、どうしても自分が家族の面倒を見る時間が多くなってしまっているという。お父さんもいるけど家族のために働いてくれているので仕事で疲れて帰ってきている父にはあまり負担をかけられないと思ってしまい、誰にも相談できないまま自分が我慢をして家族のために時間を削ってしまっている、、と話を聞かせてくれました。
続いて2人目に電話をした生徒は RN:
るあ。一緒に住んでいるおばあちゃんが糖尿病と認知症を患っているRN:るあ は、おばあちゃんの介護をしつつ、バイトをしながら高校に通い家庭にお金も入れているという。もしかしたら自分もヤングケアラーかもしれないと感じ、こんなメッセージを送ってきてくれました。
私はいま、糖尿病と認知症のある祖母の介護をしています。
介護をしてる身の私も最近「ヤングケアラー」と言う言葉を知りました。正直ヤングケアラーは辛いです。やることも多いし自分がやりたいことに充てたい時間もない状態です。朝起きて家事しながら介護して、バイトして、学校行って帰ってきたらまた介護と家事。。一日の終わりにはヘトヘトです。
今はあまりヤングケアラーについての認知度も低いし、どういうものなのかも分からない方々が多いと思います。なのでこの機会に少しでも興味を持って理解を深めてくれればいいなと思います☺︎
るあ
東京都、16歳、女の子
中1の頃からおばあちゃんの介護をしているというRN:るあ の家族は祖父母とお母さん、姉と弟という家族構成。母は体調が悪いので介護が出来ず、姉は非協力的。。弟はまだ小学生なので自分とおじいちゃんでおばあちゃんの介護をしているけど、おじいちゃんにも体力の限界があるのでどうしても RN:るあ に負担がかかってしまっているという。今の不安としては、もし将来自分にやりたい事がみつかっても今まで色々と諦めて来た分、また諦めてなくてはいけない事が出てくるのではないかと思っている。と、その思いを聞かせてくれました。
もしかしたら自分もヤングケアラーかもしれない。と書き込みをくれた生徒のみんな、ありがとう。“ヤングケアラーという言葉を初めて知ったという生徒のみんなも思ったこと感じたこと、意見を聞かせてくれてありがとう。もし君の身近にヤングケアラーかもしれない人がいたら少しでもケアしてあげて欲しいです。今日授業を受けた生徒のキミならきっとできるはず・・・!
今夜のテーマは夏休み特別授業!! 〜ヤングケアラーの君と〜
『 ヤングケアラー 』
さかた校長「
先週火曜日に、SCHOOL OF LOCK!の授業の中で、生徒のみんなに
アンケートを募集したんだけど…。
『ヤングケアラー』という言葉、みんなは聞いたことあるかな? 俺たちも、SCHOOL OF LOCK!で知って調べようと思ったくらい、聞きなじみのない言葉だった」
こもり教頭「僕も、校長と同じくSCHOOL OF LOCK!で聞いたのが初めてでした」
さかた校長「『ヤングケアラー』というのは、
“本当だったら大人がやるはずだとされていることを大人の代わりにやっている18歳未満の子どもたち”のことを言います」
こもり教頭「より具体的にヤングケアラーとはどういうことかと言うと、大人の代わりにやっていること、例えば…。
『病気の家族の代わりに、家事やおじいちゃんおばあちゃんの介護をしている』
『親の代わりに、弟妹の世話をしている』
『親が家に帰ってこないから、1人でご飯の準備をしている』など」
さかた校長「具体的にあげれば、きっとキリがないと思うけど、とにかく、本来生徒の君がやらなくていいことを大人の代わりにやっている、そういうことだと思ってほしい。
SCHOOL OF LOCK!の学校掲示板を見ていて、“もしかしたらヤングケアラーかも…”と思った生徒もいると思うんですよ。毎日生徒の書き込みを読んだり電話で話していて、ヤングケアラーという言葉が出なかったとしても、生徒の悩みの奥に、ヤングケアラーという問題がひょっとしたらあるかもしれない」
こもり教頭「自分で“それをするのが当たり前”だと思って、気づいていない生徒もいるかもしれないと思っていて。“家族の世話を家族である自分がするのって当たり前じゃん”って思っている生徒もいると思うんです。家のことをやっていると、周りの人から“偉いじゃん”って言ってもらえる、褒められたりすることもあるじゃないですか」
さかた校長「褒められるようなことだし、素晴らしいことではあるからね」
こもり教頭「逆に気付いてほしいけど、周りに言えないって生徒もいると思う」
さかた校長「ナイーブなところだからね。家族のことや家庭のことを友達とかに話したりはできないなって生徒もいると思う。
今夜のSCHOOL OF LOCK!は
『夏休み特別授業〜ヤングケアラーの君と〜』。
『ヤングケアラー』という言葉、そして存在を知ってほしい! そして知った上で、“みんなに何ができるのか?”を考える、そんな2時間にしたいと思う」
♪ 115万キロのフィルム / Official髭男dism
さかた校長「『ヤングケアラー』という言葉を、今、初めて知ったって生徒もいるだろうし、自分がそうかもしれないって生徒もいると思う。この2時間で、自分なりに思ったことや考えたことをみんなで共有して、考えていこう。気になったことだったり思いついたことがあったら、掲示板に書き込んでほしいと思います」
さかた校長「俺たちも知識があるわけじゃなくて、知らないことだらけだから、ここからはこの方と一緒に授業をお届けしたいと思います。
朝日新聞の畑山敦子記者です。よろしくお願いします!」
畑山記者「よろしくお願いします」
さかた校長「心強いですね。畑山記者は、朝日新聞で、『ヤングケアラー』の問題について、どういう風に取り組んでいらっしゃるんでしょうか?」
畑山記者「数年前から、ヤングケアラーの人や、10代の頃にそういう経験をしてきた人に話を聞いたり、サポートしている人たちに取材をしてきたりしています。経験を聞いていると、大変なことがあっても周りに言えなかったりとか、いろんな選択の時に悩んだとか、孤独を感じたとか…そういう声を伝えていって、ヤングケアラーの課題について知ってもらえたらと思っています。今日は、校長、教頭、皆さんと、ヤングケアラーについてお話できればと思います」
さかた校長「改めて、『ヤングケアラー』とはどういう人達の事を言うのか、教えていただけますか?」
畑山記者「ケア…“介護”とか“世話”と聞いて、家族の車いすを押したりとか、食事やトイレのサポートをしたりなどをイメージすると思います。そういった身体的な介助だけではなくて、家事をしたり、自分より小さい、幼い兄弟の世話をしたりするとか。あと、メンタルに不安がある家族や、精神疾患などのある家族の話を聞いたり、認知症の家族がいたらその見守りをしたりとか、そういうことも含まれます」
さかた校長「小さい妹や弟がいる生徒はもちろんいると思うし、そういうこと(下の兄弟の面倒を見ること)も、ヤングケアラーに含まれる場合があるんですよね。
他に何か特殊なケースなどもあるんですか?」
畑山記者「病気や障がいとは関係ないところで言うと、日本語が得意ではない、外国にルーツがあるような家族がいて、子供の方が日本語が得意で、家族のために日常的に通訳をしたり、病院とか役所など、重要な手続きを任されたりすることも。あと、聴覚障害のある家族の通訳をしたり…という場合もあります」
こもり教頭「自分がヤングケアラーだと気付きづらい環境にいるってこともありうるんですね」
畑山記者「そうですね。自分がやっていることは、家族が困っているから、それを支える、助ける。例えば、“手伝い”だと思っている。それをやるのが当たり前だと思っている。そのことによって自分の時間がなくなったりすることがあっても、なかなかそこに気付かない、見えづらいところだと思います」
さかた校長「見える範囲が、自分の家庭が日常ですからね。その子たちにとったら、当たり前だからこそ気付かないってことがありますね。ヤングケアラーって、どのくらいの割合でいるんですか?」
畑山記者「国が去年から今年にかけて、初めて全国の中高生に実態調査をしていて。その結果によると、“家族の世話をしている”と答えたのは、中学2年の子で5.7%。全日制高校2年の子で約4.1%という結果が出ています。すごくざっくりですけど、
約20人に1人がヤングケアラーだった、ということがわかりました」
<⇒
ヤングケアラーの実態に関する調査研究(概要)>
こもり教頭「20人に1人って聞くと、少なくはないなって印象ですね。気付かないけど自分の身の周りにいたりってことがあるってことですね」
畑山記者「そうですね。クラスにはそういう人がいたりすることはあるかもしれないですね」
こもり教頭「ヤングケアラーって、どんな環境で起きやすいんですか?」
畑山記者「もちろんご両親がいる家族でもそうですし、1人親の家庭でも、おじいちゃん、おばあちゃんが同居しているって場合もあるんですけど、背景として大きいのは、核家族化ですね。親と子供だけという世帯が一般的になってきて、家族の世話をする大人が少なくなってきている。大人が働きながら誰か家族の世話をするのが大変になってくる。そういうことで、子供が世話を担うということになってきているのかなと思います」
さかた校長「なるほど。今の時代の在り方も、ヤングケアラーと密接な関係があるってことですね。
家族の世話を家族がする、困っている家族を助けるということ自体は素晴らしいことじゃないですか。これは何が問題なのですか?」
畑山記者「確かに“家族が支え合う”というのはもちろん良いことで、話を聞いたヤングケアラーの人たちもすごく思いやりがあるなって感じたんですけど、でもそれが、自分の時間とか、本当に自分がやりたいことが犠牲になってしまっていると問題で。
国の実態調査でも、“家族の世話をしている”と答えた人のうち、“ほぼ毎日やっている”と答えた人が約5割いました。“家族の世話に1日どのくらいの時間がかかっているか?”というと、中学生で約4時間、高校生で約4時間弱で、それって、学校とか部活とかアルバイトをしている中高生にとっては、結構なウェイト、大きな時間だと思うんですね。家族の世話をしなくてはいけないことで、勉強や部活、友達との時間など、本来できることができなくなっていたら…。また、進みたい道や進路を選ぶ時にもそれが影響して、自分のやりたいことを変えざるを得ないとしたら、大事な10代の時間を過ごしていく中で、そこは見過ごしてはいけないところかなと思います」
こもり教頭「確かに、自分の母親だったりしたら、僕もそういう行動を取ると思うんですけど、それがゆえに、気付かないうちに自分の時間がどんどんなくなっていって、それが積み重なっていくと、気付いたら自分がやりたいことが全くなかった、なんてパターンも起こるでしょうね」
さかた校長「本人からしたら、家族のためだったり、優しさだったり、家族への愛ゆえの行動で。だけど本来ならもっと自由な道があるのに、その選択肢を奪われてしまっている、そういったことに、本人が気づけていない状態もあるということですよね」
畑山記者「そうですね。自分がやりたいことがあっても、その前にやっぱりまず家のこと、家族のことがあるから、本人も(家族の世話をするのが)自然のことだと思っていて、自分の思いを言い出しづらいとか。自分のやりたいことを優先したら、家族がどう思うかとか。そういう風に悩んだりすることもあります」
さかた校長「家庭内のことだから周りの友達に言いづらいということもあって、周りの人たちが気づいてあげようにもなかなか介入しづらいというか」
こもり教頭「把握しづらい、気付きづらい、というのも問題点になるのですか?」
畑山記者「そうですね。気付きづらい原因は2つあって。まず、本人が学校や友達に言えるかというと、家族のことだし、ましてや病気や障がいがからむことだと“恥ずかしさ”とか、“話しづらい”というのもあって。取材した中に、2人家族で精神疾患のあるお母さんをずっとケアしてきたという人がいるんですけど、精神疾患の一般的なイメージが良くないのでずっと言えなかった、というのがありました。“人からどう思われるか”というのもあるかと思います。
あともう1つ、(介護が必要な家族がいる場合)介護のサービスを使っていたりすると思うんですけど、介護サービスが入っていない時に子供が家事をしたり、見守りをしたりしていると思うんですが、“子供がやっている”ということに気付く人がこれまで少なかったのかな、とも思います」
さかた校長「境目がすごく難しいというか、境界線が難しい分、本人たちも周りも気付きづらいってところが難しいところではありますね。
SCHOOL OF LOCK!では、LINE MUSICと共同で、ヤングケアラーに関するアンケートを行いました。そのアンケート結果を紹介していきましょう」
【アンケート結果】
回答:1281人
「ヤングケアラーを知っている」人:46%
「知らない」人:43%
「聞いたことがある」人:11%
「自分が“ヤングケアラーかもしれない”」と答えた人:18%
「いいえ」と答えた人:82%
こもり教頭「この18%って、けっこう高い数字かなって思うんですけど」
畑山記者「高いかなと思いました。『ヤングケアラー』という言葉に反応して、そもそも関心のある人が(アンケートに)多く答えてくれているんじゃないかということと、家族を世話していると言っても、少しの時間の人もいるだろうし、関わっている度合が違っても“自分はそうなんじゃないかな?”と思って答えてきてくれた子もいるのかな、と。とはいえ、この数字を見ると、決して珍しいわけでもなく、わりと身近にそういう人がいるんだろうなと感じます」
さかた校長「今回のアンケートは、確かに、『家事や家族の世話などをした経験がありますか?』という質問でしたので、ほんのちょっとした時間のお手伝いしたレベルの回答も含まれているかもしれないんですけど、やっぱり18%…200人くらいの子供たちがそう思っているっていうのは、本当に身近に“(自分は)ヤングケアラーじゃないか”と思っている子供たちがいるんだなって思いますね」
こもり教頭「あと、『家事や家族の世話をすることを誰かに相談したり、助けを求めたりするのに、ためらいを感じますか?』という質問に、およそ64%が“ためらいを感じる”と回答しています」
畑山記者「確かに、多くの人が、“困っているからすぐ相談しよう”とか“話そう”とは思いづらいのだろうなというのは感じました。言いづらいということもあるし、あと、相談する、助けを求めるにしても、誰に言ったら良いのかっていうのも悩むと思うんですよね。例えば、学校のことだったら先生に…となるけど、“家のことで先生に言って良いの?”って思うだろうし。あと、信頼して話せる大人が近くにいるのか。ためらうのと同時に、“誰に相談していいのかわからない”というのもあるのかなって思います」
♪ おまじない / Karin.
■
ヤングケアラー
学校で習ったから知ってる。
弟が障がい者で、祖母が介護必要、母も自由な生活ができない。
弟は昔よりかはよくなったけど、分からないことが多い。
これをやってって言ってもできるか分からない。
祖母は歩くときに手が必要だからトイレとかはついていく。
母は病院の日がある。その日は祖母の介護をして、弟を見る。
弟はゲームばっかりしてるからいいけど、祖母はいつ「痛い」っていうか分からない。2人ともデイサービスに行っているときは迎えをしなくてはならない。
母は体が悪いから手助けをしなきゃならない。父は仕事だからいない。
誰もいない時が一番良いけど2人がデイサービスから帰ってきたら終わり。
母の病院が遅くなったら洗濯物入れてご飯を作る。
私が生まれた時はほとんど動けなかったみたい。
大人になって一人暮らしするならこんな感じかななんて考えながらやったら軽くなるからそう思ってる。嫌だとは思うけど、しょうがないから。
GREEN AZUKI
女性/14歳/大阪府
2021-08-03 17:07
GREEN AZUKI 大阪府 14歳 女性
さかた校長「GREEN AZUKI、書き込み読ませてもらったよ。いつぐらいから、こういう風にお世話をするようになったのかな?」
GREEN AZUKI「昔から。母が足が悪くて、弟も軽度の発達障害を持っていて、おばあちゃんは2年くらい前に家に来て、一緒に住むことになりました」
さかた校長「おばあちゃんは2年前からってことは、まだその時、小学6年生とかだよね。小6の時から今のような日常が続いている感じなのかな」
GREEN AZUKI「はい、そうですね」
さかた校長「お母さんが病院の日には、おばあちゃんの介護や弟の世話で1日が過ぎてしまったりするかな?」
GREEN AZUKI「はい」
さかた校長「自分の好きなことをしたり、自由な時間っていうのは、1日の中ですごく少ないかな?」
GREEN AZUKI「そうですね。おばあちゃんがいる時は、けっこう削られます」
こもり教頭「書き込みに書いてあったけど、“いつおばあちゃんが『痛い』っていうかわからないし、動くときもサポートしたりだから、ちょっと気を張る時間が多い”と」
GREEN AZUKI「はい」
こもり教頭「学校が終わったらすぐ家に帰って、家のことをやってって感じ?」
GREEN AZUKI「はい。デイサービスとかに行ってる時は、(自分が家に)帰った時には(おばあちゃんや弟は)いないんです。(帰宅して)ちょっとしたら帰ってくるって感じです」
こもり教頭「じゃあ、その時にほんのちょっと家で1人の時間があるかな〜ぐらいの?」
GREEN AZUKI「はい」
さかた校長「お父さんは、仕事で家にあんまりいない?」
GREEN AZUKI「はい」
さかた校長「じゃあ、お父さんに、おばあちゃんの介護だったり弟を見るのが大変っていう話はなかなか?」
GREEN AZUKI「はい、言えてないです」
さかた校長「言えない理由があるの?」
GREEN AZUKI「やっぱり、お父さんが仕事して頑張ってくれているので、“今、これを言ったら気を遣うかな?”って考えて、言えてないです」
こもり教頭「なるほどね。お父さんにまでもっと負担を抱えさせてしまうんじゃないかなって思いがあるから」
さかた校長「畑山記者、話を聞いて、どうでしょうか?」
畑山記者「話を聞いていて、1人でおばあちゃんのこととか、弟さんのこと、お母さんのことも、色々気を遣ったりとか、いろんなことをやったりしているのかなと思うんですけど、お父さんにはなかなか言えないということだったんですけど、“自分の時間がなくてしんどいな”とか、そういうことって、誰かに言えたり、話せたりしていますか?」
GREEN AZUKI「ん〜…今はいないです」
畑山記者「そうですか…」
さかた校長「友達とか、周りの仲の良い子たちとかにも話したりできないか?」
GREEN AZUKI「はい。なんか、これを言ったら、変に気を遣わせてしまうし、関わり方とかも変わってくるんじゃないかなって思います」
こもり教頭「自分が今まで出してない部分を友達に話したことによって、向こうに気を遣われてしまうのもね。こういう場合、どうSOSを発信したらいいんですか?」
畑山記者「そうですね。多分、すごく自分で抱えてしまっていると思うので、友達とかに話せなくても、ちゃんと秘密を守ってくれる先生とかいるかな? もしそういう人がいたら、その人か。あと、おばあちゃんがデイサービスを使っているってことなので、介護保険のサービスを使っていると思うんですね。だとすると、担当の“ケアマネージャーさん”っていう、介護サービスのことを色々相談に乗ってくれてる人がいるんですけど、そういう人はお家の状況がわかっていると思うので、“私が実はこんなことをやっていて”って話したら、“それは大変だったね”って相談に乗ってくれると思います。話せる大人がいたら、ぜひ、相談してもらえたらなって思います」
さかた校長「デイサービスの人たちは事情がわかっていると思うから、信頼してちょっと自分の悩みを話すっていうのはいいと思うよ。
不安なことってある?」
GREEN AZUKI「はい。なんか、この状況が高校生になってもずっと続くって考えると不安です」
さかた校長「進路を選ぶ時に、どうしても意識してしまうよね」
GREEN AZUKI「はい」
さかた校長「でも、家族のことは大好きだもんね?」
GREEN AZUKI「はい、大好きです」
さかた校長「だからこそだね。GREEN AZUKIに優しさがあるからな。それゆえに、しっかり家族のことを思って行動しているけど、それで本来もっとある選択肢が狭まってしまうのはいたたまれないからな。デイサービスの人とか、(介護に)詳しい大人に相談してみるっていうね」
畑山記者「そうですね。“家族のためだから”と言ってそのことを優先しないで、まず相談をしてみたら、自分だけでやるのではなく、他のいろんな人が助けてくれたりとか、少しでも負担を軽くすることができるんじゃないかなって思います。ぜひ高校とかは、自分のやりたいことを目指して進んでもらえたらなって思います」
さかた校長「GREEN AZUKI、話を聞かせてくれてありがとう。何かあったら、すぐ掲示板に書き込んでくれていいからな」
こもり教頭「どうもありがとう」
GREEN AZUKI「ありがとうございました」
■
ヤングケアラー
ヤングケアラーという言葉は2ヶ月前にテレビで初めて知りました。
でも内容を聞いていると、友達にひとりそうじゃないかと思う子がいます。
中学の時にその子と仲が良かったのですが、遊ぼう!と誘ったら
「今日はおばあちゃんの病院の付き添い」
「今日はごはんを作らないといけない」
「今日は洗濯物が多くてちょっと無理っぽい」
いつも家の用事であまり遊べませんでしたが、私は家の手伝いをして偉いなくらいにしか思ってませんでした。それからだんだん学校も休みがちになってちょっと心配になって家まで行きました。友達は「明日はちゃんと行くから!」っていつも笑顔だったけど、友達のお母さんからはいつもお酒の匂いがしていました。
それから私は県外へ引っ越しして離れてしまったけど、今思うと友達のお母さんは主婦なのに友達が家事全般していたのはおかしいし、疑問に思うところがたくさんありました。
もう少し、私がヤングケアラーの知識があれば助けられたんじゃないかと後悔しています。
友達には心から笑顔でいてほしい!って思います。
chocolateコスモス
女性/15歳/和歌山県
2021-08-03 20:09
こもり教頭「『ヤングケアラー』という言葉が浸透してないがゆえに気付かれないってことがけっこうあるんですかね?」
畑山記者「言葉もですし、そういうヤングケアラーの状況を知らなかったりすると(気付かれないこともある)。この方はちゃんと知っていて、友達のことをよく気付いているなって思いました。だけど、“今日、ちょっと忙しくてゴメン”みたいな時に、“あれ? なんで忙しいのかな?”とか、“本人が言いづらそうだけど、それって、もしかして、家族のことで色々あるのかな?”って、これまでは気付きにくかったのかなって思います」
さかた校長「こういうことがあると知っていれば、ぼんやりしたものの輪郭がはっきりすると思いますね」
■
ヤングケアラー
友達にヤングケアラーの子がいます。彼は母子家庭で、母親が夜遅くまで家に居ないため、家事を1人で行っていたと聞きました。彼には姉と妹が1人ずつ居ますが、皆から家事を押し付けられていて、しなかったら親から殴られると言っていました。話している時こそ軽い口調でしたが、そのせいで精神的にも追い込まれているのだと感じました。
自分が彼と出会ったのは中学2年生の時で、それまで全く接点がなかったので、彼の事情など何も知りませんでした。お互い家が近いので、一緒に帰りながら遊んだりするうちに段々とお互いの家庭環境のことなど、あまり人に言えないようなことを話し合えるようになりました。今でも軽く話したりはするので、自分が彼の心の拠り所になれればいいなと思います。
ぬりかべがるーら
女性/15歳/福岡県
2021-08-03 18:50
さかた校長「家庭内でも兄弟間でもそういうことが起きてしまうのかっていう…」
畑山記者「聞いていて、ちょっと心配。この投稿をしてくれた人も心配しているんだと思うんですけど、確かにすごく心配な状況だなって思います。本人が軽い感じで言っていたとしても、多分、家では相当しんどいのかなって思います。難しいのは、それ以上は家のことだから踏み込みづらいっていうのはあるんだろうなって思いますね。誰かがもうちょっと気付いてあげられたらなと思いますね」
こもり教頭「正直、RN ぬりかべがるーらが背負いきるのも現実的に不可能じゃないですか。無理ではあるからこそ、学校の先生に、“私は心配です”って伝えてみるっていうのも1つの手ではないですかね?」
畑山記者「そうですね。それはあると思います。本人から先生に言えなかったりすると思うので、友達から言うとか」
こもり教頭「ヤングケアラーという言葉を知っているってだけで、色々と選択肢が増えますね」
さかた校長「話を聞いてあげるってことは、すごく友達の拠り所になっていると思うし、楽にしてあげていると思うけども、できたら、親でもいいし、周りの大人たちにちょっと相談してみるとか、介入してもらうと。子供だけだと限界があるから。そういうのも選択肢に入れて動いてほしいなと思います」
さかた校長「すごく難しい問題だと思って。“ヤングケアラー”という枠だけにくくれない、中身の多様性が、複雑にいろんな状況が絡まっていて。当事者から見たら、“今、私が頑張って家族のために動いていることで家族が成り立っている”。そう思っていたら、なかなか今やっていることから距離を置くことすらも考えられないんじゃないかなっていう」
こもり教頭「難しいですよね。すごく浅い僕の肌感ですけど、友達に話すことすらも、“友達に背負わせてしまう”とか。学校の先生に相談しても、“じゃあ、自分がその家から出ていくのか”とか、“今やっていることを(自分以外の)誰かに任せられるのか”とか。一概に答えがないってことは、当事者はもっともっと悩んでいるんだなって」
さかた校長「今、この社会全体で、ヤングケアラーをケアしたり手助けしようって動きはあるんですか?」
畑山記者「これまでも、ヤングケアラー当事者、経験した人の声を世の中に伝えたり支えたりする人たちがいたんですけど、国も、去年から実態調査などの取り組みを進めてきていて、支援策などは、実態をふまえて、まさにこれからやっていこうとしているところなんです。
相談したり悩みを話し合ったりできる場を作っている団体を間接的に支えたりとか、“スクールソーシャルワーカー”という、学校に来ている相談員さんを増やしたり、あと、子供が世話をしていると気付いたら、家族が使える介護サービスを紹介して負担を減らしたりしようとしています。
あとはネットで、“厚生労働省 ヤングケアラー”と検索すると、電話で相談できるところや同じ経験をしている人たちで繋がっているグループがいくつか紹介されています。そういうところに相談ができるようになってきているのかなと」
<⇒厚生労働省のヤングケアラーについてのページは
こちら>
こんばんは。年甲斐もなくSCHOOL OF LOCK!が大好きで、いつも校長と教頭と生徒のみなさんの授業を楽しみに聴いています。
実は、今年の6月から、全国初のヤングケアラー相談窓口で働いています。
以前、児童虐待のことを話題にされたのを鮮烈に覚えていて、いつかSCHOOL OF LOCK!でヤングケアラーのことを取り上げてもらえないかと思っていたので、今日の放送には本当に感謝しています。
なかなかヤングケアラーご本人からの相談がないのですが、きっと今回の放送を聴いている生徒の中には当事者の方もいるかなと思いますので、ぜひ、本音の意見を聞かせてもらえればと思っています。
ヤングケアラーの相談窓口
57歳/兵庫県
さかた校長「(神戸市で)今年の6月から、全国初の相談窓口ということですね」
畑山記者「はい。全国で初めて、ヤングケアラーの支援や相談ができる窓口ができたんです。そこで相談を受けたりとか、相談が来たらそのご家庭の聞き取りなどをして、“こういうサービスが使える”とか、少しでも子供が介護を負担しなくていいように、子供の視点で支援に繋げていくということをやっています。ヤングケアラーは18歳未満になっているんですけど、神戸市は20代まで。20代からも相談を受けて支援をしています」
さかた校長「今年の6月ということは、2か月くらい前にやっと初の窓口ができたという。今、メッセージにも“なかなかヤングケアラーご本人からの相談がない”とありました。周りの気付いた人からの相談はあるけど…ということですが、まだまだ浸透してないってことなんですね」
こもり教頭「今、聴いてる生徒の中にも神戸の人もいるだろうし。なにかのきっかけになればね」
<神戸市「こども・若者ケアラー」の専用窓口>
(平日9時〜17時)
専用電話:078-361-7600
FAX:078-361-2573
メール:carer_shien@office.city.kobe.lg.jp
私はいま、糖尿病と認知症のある祖母の介護をしています。
介護をしてる身の私も最近「ヤングケアラー」と言う言葉を知りました。
正直ヤングケアラーは辛いです。
やることも多いし自分がやりたいことに充てたい時間もない状態です。
朝起きて家事しながら介護して、バイトして、学校行って
帰ってきたらまた介護と家事。。一日の終わりにはヘトヘトです。
今はあまりヤングケアラーについての認知度も低いし、
どういうものなのかも分からない方々が多いと思います。
なのでこの機会に少しでも興味を持って理解を深めてくれればいいなと思います☺︎
るあ
16歳/東京都
るあ 東京都 16歳 女性
さかた校長「るあ、学年は?」
るあ「高1です」
さかた校長「糖尿病と認知症を患っているおばあちゃんの介護は、いつぐらいから?」
るあ「中1からです」
こもり教頭「じゃあ、もう3年ぐらい」
るあ「そうです」
さかた校長「今ね、るあが介護しているって状態だけど、ご家族は?」
るあ「母子家庭で、お母さんとお姉ちゃんと弟とおじいちゃんおばあちゃんと暮らしているんですけど、お母さんが体調が前から良くなくて、介護ができる状態じゃなくて。お姉ちゃんは今、高校で就活をしてて(介護が)できる状態じゃないし、もともとあんまりそういうことに協力的じゃなくて。弟はまだ小さいので。おじいちゃんは、やってくれている部分はあるんですけど、どうしても年齢のせいでやりきれない部分もあって、最終的に、“じゃあ、私がやるか”みたいな感じになってます」
さかた校長「そうか。家族のそういうこともあって、今ベストな選択というか、るあがやった方が…ってところなんだね」
こもり教頭「お姉ちゃんは、高校3年生?」
るあ「定時制に通っているので、今、高校4年生です」
さかた校長「就活で今、一番忙しい時期ってことか。今、具体的におばあちゃんの介護って、どういうことをしているの?」
るあ「糖尿病の観点からみると、毎週訪問看護でインスリンを打っているんですけど、その時、血糖の測定をしなきゃいけなくて、それはセルフでやるんですけど、本人ができないから代わりにやったりとか、あと、お散歩をする時に一緒に行ったり、糖質を摂りすぎないようにご飯を作ったりするのも考えたり。あと、間食しすぎないように。認知症が入っていると、どうしても間食したことも忘れちゃうので、そこも注意して見なきゃいけないし」
さかた校長「もうそれだけでね…。血糖の測定とか技術のいることも任されてるんだね」
こもり教頭「献立考えて、料理作って、みんなに出しているんでしょう? それも大変だね。けっこうな時間、取るでしょう?」
るあ「取ります」
さかた校長「小学生の弟の面倒も、るあが見てるの?」
るあ「宿題とかは見てます」
さかた校長「るあも自分の勉強があったりね。宿題があるわけで。自分の時間ってあるんだろうか?」
るあ「作りたいとは思うけど、正直もう取れる状況じゃない感じで。ないな〜って感じです」
こもり教頭「加えてバイトもしているんでしょう?」
るあ「してます」
こもり教頭「そのバイト代は、お家に?」
るあ「生活費にしてます」
さかた校長「好きに自分のものに使うわけじゃないんだね」
るあ「ないです」
さかた校長「お母さん、今、体調悪くて、働けないのか?」
るあ「働けてないです」
さかた校長「じゃあ、るあのバイトで稼いだお金が、生活費なのかな?」
るあ「そうです」
さかた校長「そうか…。これはめちゃくちゃ大変だけど。畑山さん、どうでしょうか」
畑山記者「聞いていて、るあさんは、おばあさんのこと、家のことからお金のことまで本当に1人で背負っていて、勉強どころか休む時間もあんまりないんじゃないかなって。体は大丈夫ですか?」
るあ「なんか、体調不良とかになったりとか、寝る時間を削られちゃったりとか…」
さかた校長「どれくらい寝られているの?」
るあ「よく寝れて、4時間」
さかた校長「4時間!? 夜中まで家事やって、早起きして。ちょっとまとめて寝れないっていうのもあるのかな?」
るあ「あります」
さかた校長「おばあちゃんを見たりね」
こもり教頭「大丈夫なの? 身体だけじゃなくて、体調不良とかってない? 大丈夫?」
るあ「けっこうあります。寝不足で、疲れているのにまたやって…みたいな感じの繰り返しで、ずっと負のループみたいになっている。(体調不良に)なっているのはわかるけど、やっぱり治す暇もないし、治せないし、どうしようって」
こもり教頭「そうだよね。体力も無限じゃないからね。減っていくし」
畑山記者「おばあちゃんは、介護のサービスは使ったりしているんですか?」
るあ「いや、使えるのは何かできると思うんですけど、おじいちゃんがなるべく自宅療養したいっていう方針で、自宅でどうにかしようっていう」
畑山記者「家族によっては、“サービスに頼りたくない”って場合もあるんですよね。なんとか家族の中でやろうとして。でも、今やっていることが大変過ぎるので、このまま家族だけでやるのは、もう辛いですよね」
さかた校長「おじいちゃんの気持ちも尊重したいけれどもね。でも、るあがこれだけしんどかったらな。倒れるからな」
こもり教頭「ほんとに、ほんとに」
さかた校長「今、るあが不安に思っていることは?」
るあ「将来、自分が、やりたいことが見つかったとしても、今まで色々と諦めて来たのに、また諦めてなくてはいけなきゃいけないのかなって思ったり。
自分も、(おばあちゃんは)家で療養した方が、本人にとってはいいと思うし、でも、どうしても見きれない部分もあるから、何をしてても心配になっちゃうし。本人の身に何かあったら1番本人が困るじゃないですか。だから、そこが心配だなって思っていて」
こもり教頭「るあが中心になってやってるからこそ、自分がやりたいことでちょっと離れた時に、心配になるしね。放っておけないしね」
るあ「放っておけないです」
さかた校長「知らず知らず絶対に無理を重ねているね。周りに話したりできたりしてるの?」
るあ「中学校の時に、先生たちに何人か話したことがあって、その先生たちが、『子ども家庭支援センター』っていう機関に繋げてくれて、私が話に行ったりするんですけど、お母さんが、私がそういう機関に繋がっているってことを知っちゃうと心配になっちゃうってところがあって、“お母さんやおじいちゃん、おばあちゃんに言わないようにしてほしい”って(お願いをしている)ことで、どうしても私が話に行くぐらいしか、(子ども家庭支援センターが)行動ができないみたいです」
こもり教頭「なるほどな。そうか…」
さかた校長「家族に対しての気遣いがな。もちろん大切な存在だからね」
るあ「そうですね」
さかた校長「けど、端から見たら、めちゃくちゃ大変なことをずっとやってるよ、るあは。やりたいことを諦めて、諦めて、ずっと我慢して。これから先の将来についても、そう思ってしまうよね」
畑山記者「家族の思いを受け止めていると、言えないってことはあるのかなと思うんですけど。でもまず、るあさんの状況からすると、“自分がやるしかない”ということはないと思います。多分この状況だったら、例えば、おばあちゃんの介護だったりとかは、お母さんも体調が悪いということで、働くのが難しい家庭のサポートもあるので、もうちょっと区役所、市役所みたいなところで相談すると、使えるものを紹介してくれたり、サポートしてくれたりすると思います。
このまま1人で頑張ることはないと思うので、相談しに行くのはすごく勇気がいると思いますけど、一緒に相談しに行ける人とかが近くにいたら、ぜひ相談に行ってほしいと思います」
さかた校長「1人で背負うことは全くないから。るあが優し過ぎるからな。全員に対して、“自分が背負ってしまえば、それでうまくいくのなら”って思ってるかもしれないけど、やっぱり、絶対続かないから。体力的にもめちゃくちゃ無理しているからね。
畑山さんもおっしゃってるけど、自治体の相談窓口だったり、そういった所に行けたらいいな」
るあ「はい」
さかた校長「なかなか難しいけどね。そもそも、行く時間を確保するのが難しいよね」
るあ「そうです」
さかた校長「本当に大変なことをしているんだよ、るあ。そして、貴重な時間を使ってこういう風に話を届けてくれて、本当にありがとう」
こもり教頭「本当にありがとう」
さかた校長「全国のみんながこれで(ヤングケアラーの実情を)知ったと思うし、私も一緒、僕も一緒って子もいたと思うから。ありがとうね」
こもり教頭「今、この場で何かできるというのは僕らにはないかもしれないけど、何かあった時には、書き込みやメールをしてほしい。このSCHOOL OF LOCK!はあるから。いつでも来てほしいと思う」
さかた校長「いつでも来てほしい」
るあ「はい、ありがとうございました」
こもり教頭「“ヤングケアラー”という言葉を、僕もこのSCHOOL OF LOCK!で初めて知ったわけですが、今日、この授業を聴いて、何を思うかっていうのが、自分も含めて、すごく大事ですね」
さかた校長「ぼんやりしていたものがはっきりわかったってことだからね」
今日の黒板
『抱えなくていい』
畑山記者「みなさんとお話して、家のことをしている生徒さんからお話を聞いて、やっぱり自分が”家族のお世話をやらないと”って直面した時にヤングケアラーの人が我慢強いというか、自分のことより家族のことを優先しがちであったりとか、家族のためにというその気持ちは大事なんだけど、でもそれは”自分がやるしかない”っていうのはそうじゃないっていう事を伝えたいと思って。やっぱり自分のやりたい事とか将来のことは優先して欲しいし、もしケアしたり世話をするのは当たり前とかそういうことを言われても、そこで気持ちを分かってもらえなかったとしても他に相談したりとか話したり出来るとかあると思います」
こもり教頭「ほんと、抱え込まずにね」
さかた校長「SCHOOL OF LOCK!は、明日夜10時にふたたび開校!」
こもり教頭「起立! 礼!」
さかた校長・こもり教頭・畑山記者「また明日〜〜〜!!!!」
♪ あなたのために / あいみょん
さかた校長の放送後記
「きっかけ」いつからだっていい。一緒にこれからも考えていこう。
こもり教頭の放送後記
“知らなかった“だけじゃない所を自分でしっかり考える。
Music
2021.08.03PLAYLIST
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子どもが行う「祖父母の介護」「弟、妹の世話」「食事の準備」ヤングケアラーの実態
ラジオの中の学校、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」。8月3日(火)の放送では、『夏休み特別授業〜ヤングケアラーの君と〜』をテーマにお届けしました。ヤングケアラーとは何なのか? 何が問題なのか? どうすればいいのか……? パーソナリティのさかた校長とこもり教頭が、朝日新聞記者の畑山敦子さんに話を聞きました。