自分のジェンダーを告白して、体育は男子と一緒に参加できるようになりました。
毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。
今夜、声を届けてくれるのは…!
宮城県 17歳 高校3年生 RN 雨宮和樹 です。
僕は、女性の体で生まれたけど、男性として生きたいと思っている、いわゆるFTMです。
FTMとは、「女性から男性へ(Female to Male)」の略語で、女性の体で生まれてきたものの、男性として生きることを望む人を指しています。LGBTQの「T」、トランスジェンダーにあたります。
高校2年生まで、自分のジェンダーのことは誰にも言わず、普通の女の子として振舞って来ました。それは、小中学校時代に自分のジェンダーをカミングアウトしたことで、いじめにあっていたからです。
しかし、高校3年生になって、自己紹介で、「自分はFTMです。一人称は僕です」とカミングアウトしました。それから早1ヵ月ちょい。現状はあまり変わりません。
未だに「僕」と学校で言うことに抵抗があります。でも、変わったこともあって、クラスメイトの数人が「FTMについて調べてみたよ。言いにくかったよね。告白してくれてありがとう!」と言ってくれて、僕を男の子として見てくれるようになりました。
体育の先生に話すことをためらった僕の代わりに、クラスメイトが説明してくれて、体育は長距離走とか以外は男子として参加できるようになりました。嬉しかったです。
トイレと更衣室はさすがに全てのクラスの人に言うのは大変だと言うことで、女子の方を使っています。
こうやって少しずつでも良いからLGBTQについて知られるといいな…。
そして自分を「僕」と表現したい人が、抵抗なく「僕」と言えるようになったら、嬉しいなと思います。
「去年までずっと自分のことは黙っていたけど、今年になって初めてカミングアウトした」と。
すごく前向きに次から次へと扉を開け続けてる感じがして、すごくかっこいいわね。
多分、相当勇気のいることだと思うんだよね。
でも、いじめられたことをしっかり自分の中で過去にしてるわね。私も一人称は「私」って言いたかったけど、「自分」って言ってたな。
雨宮和樹は、去年かな、まだ僕が教頭だった頃、『しんどー相談』という授業をした時にも、自分の性と向き合ったという話を伝えてくれた。
俺は、正直、その時には答えが出せなかった。まだ自分の中でも知識もなければ、それこそ「LGBTQ」という言葉自体も馴染みがあるわけじゃなかったから、そういうものについて「どうすればいいんだろう?」って、そこから考えていって。
1年経って校長先生になった今でも答えはなくて、自分の中で「これだ」っていうのはまだ探してる最中なんだけど、やっぱりこういう風に声に出してくれてみんなが知っていくことによって変わることもあるのかなと思う。
「体育の授業も男子として参加できるようになりました」っていうのは、すごいことよ。私はそんなことできなかったからさ。アクションをしっかり起こして、すごいわ。
もしかしたら、角度を変えて見た時に、「それは違うじゃないですか」って言う人も出てくるかもしれないけど、それを“実行している”ことにすごく意味があると思うし、すごい勇気だと思う。
自分の心をしっかりと行動に移していることが、私はすごく立派だと思うわ。
『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。
みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!