「場面緘黙症」への理解がもっと広まることを願っています。
毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。
今夜、声を届けてくれるのは…!
茨城県 19歳 大学2年生 RN さらさらさらさ です。
私は、幼稚園から通信制高校に転学する高校2年生まで、場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)という不安障害を持っていました。
場面緘黙症とは、家など安心できる場面では普通に話せるのに、学校などみんながいる場所では極度の緊張で話すことができなくなってしまう病気です。
1ヶ月以上、学校などで話すことができないと、場面緘黙症と診断されます。話したいのに話せないのはとても辛いことです。
当時、声が出せなかった私は、筆談したり、頷いたり、首を横に振ってのコミュニケーションを取っていました。今は声を出せるようになりましたが、まだ場面緘黙の二次障害が残っていて、人と一緒にいる時に大きな声が出せなかったり、人の視線が怖くて緊張してしまったり、複数人の会話に入れなかったりします。
この場面緘黙症は、適切な治療によって改善することができます。それは早いうちに、幼少期の頃から行うことが大事なんだそうです。
ただ、まだまだ認知度も低い病気なので、自分が場面緘黙症だと気づかないまま大人になってしまう人も多く、場面緘黙症の理解がもっと広まることを願っています。
私は今、通信制大学2年生で、精神保健福祉士になるための勉強をしています。その目標を叶えるために、対人不安を克服したいので、病院の社会不安障害のデイケアを予約したりもしています。
こんな風に希望を持って日々過ごせるようになったのは、場面緘黙症を克服して教員になったという方や、精神保健福祉士になったという方の存在を知ったことがきっかけでした。
今、SCHOOL OF LOCK!の生徒の中に、昔の私と同じような不安障害を持っている生徒がいるとしたら、「声が出せないのは自分のせいじゃないよ」と言ってあげたいです。
「場面緘黙症」って知ってました?
正直、初めて聞いた。
俺も初めて聞いた。やっぱり、話したいのに話せないっていうのは相当辛いことだなって思うよね。
そうだね。自分1人で抱え込んでしまうともっと辛くなるだろうなと思うしね。
もしかしたら、“そういう病気がある”ということを知らなくて、(実は)自分が場面緘黙症になっている、という場合もあるわけじゃん。でも、それを知らずに周りの子たちが「静かにしてるからあの子はおとなしい子なんだ」って決めつけてしまうのも、すごく怖い話だなと思った。
その症状を知っていて、自分の中で考える選択肢があればきっと向き合える方法もあるし、それこそさらさらさらさが言ってくれたみたいに、「筆談でだったら一緒にコミュニケーションが取れるよ」とか、「もし違うことがあれば、声じゃなくてもいいから表現してね」って一言かけられるだけでも、違うコミュニケーションが生まれるだろうから、“知ること”というのは本当に大事だと思う。
あと、場面緘黙症じゃなくても「緊張で話せないです」っていう子もいると思うのよ。
そうだね。
だから、場面緘黙症以外でも「話せない」という人がたくさんいるからこそ、「(話せなくても)いろんな方法でコミュニケーションって取れるんだ」ということを、すごく考えさせられたな。
こういう、まだまだ認知度の低い病気のことをこうやって言葉に出して伝えてくれると、“もしかしたら自分もそうなのかな?”と気付く人もいるかもしれないし、「早めに適切な治療をすれば改善することができる」とも言ってくれているから、そういう人たちにもすごく良い発見にもなるし、大事なことを教えてくれたなと思いました。
改めて、声を聞かせてくれてありがとう。
『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。
みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!