吃音症の子がいたら、少し待ってタイミングを取れるようにしてあげてほしいです。
2022
放送後記

吃音症の子がいたら、少し待ってタイミングを取れるようにしてあげてほしいです。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

今夜、声を届けてくれるのは…!

あん

東京都 12歳 小学6年生 RN あんです。

私は吃音症を持っています。
吃音症とは、話し言葉がなめらかに出ない障がいです。人によって症状は違って、私の場合は、人前で話す時や緊張している時に、特定の苦手な言葉や、最初の言葉がつまって出にくくなります。これは子どもの頃、言葉を話せるようになったときからずっと続いています。

たとえば、学校では、みんなの前で教科書を音読する時によく症状が出ます。「ありがとうございます」から始まる文章を読む時、「あ」が言えないので、黙り込んでしまう……といったような感じです。
そういう時は、「えっと」などの言葉を挟んでタイミングをつかんだり、自分の言いやすい言葉に言い換えることで、話し始めることはできます。ただ、長い言葉の時は、話し始めるまでに15秒ほどかかってしまうこともあります。クラスメイトに吃音症のことを説明したことはないのですが、みんな私の症状を受け入れてくれて、吃音症のことで嫌な思いをすることなく、これまで学校生活を過ごしてきました。

ただ、1つだけ、みんなに知って欲しいことがあります。
なかなか話し出さない私を心配して、「落ち着いて」などの声をかけてくれることがあるのですが、逆に焦ってタイミングがつかめなくなってしまうので、少し待ってくれることが1番助かります。

もしみなさんの周りに、私のような症状の子がいたら、少し待ってみたり、頷いたり、その人がタイミングを取れるようにしてあげてほしいです。

こもり校長
こもり校長

校長が高校生の時に吃音を持っている同級生の子がいて、その子と話していた時に、当時の僕は全くそういう知識がなかったから、すごく普通にコミュニケーションを取ってたのね。それで、校長先生はそもそも早口だから、相手の言葉を待つっていうことができないタイプだったの。それはもう(相手が吃音症だからとか)関係なく、自分がすごく早口だから。

今こういう風にあんの言葉を聞くと、“あの時もうちょっと待ってあげていたら、もしかしたら言いたいことがあったのかもなぁ”とか考えたりもする。

ぺえ教頭
ぺえ教頭

声をこうやって届けてくれたからこそ、こういう気づきがあったんだよね。

こもり校長

そうだね。あんが、「なかなか話し始められない時にちょっと自分で工夫してる」って言ってたよね。言葉を変えてみたりとか、言いたいことを「えっと」という言葉を使って繋げるようにしているとか。

今考えれば、僕の同級生だった子もそういう工夫をしていたのかもしれない。僕は知らずにそういうコミュニケーションの取り方をしていたけれど、今日聞いてくれた生徒の中には、相手とコミュニケーションを取る時に、“もしかしたら(少し待ってあげた方がいいのかもしれない)”って思うきっかけにもなったんじゃないかなと思う。
あんが話をしてくれたことによって、僕も、またちょっと違う、新しい気づきになりました。

『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!

2022.2.14吃音症の子がいたら、少し待ってタイミングを取れるようにしてあげてほしいです。
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