白杖を持っていても、全盲とは限らない
毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。
今夜、声を届けてくれるのは…!
広島県 18歳 専門学校1年生 RN プリンスオブラジオ です。
僕は視覚障がいを持っています。左右の視力が0.06ぐらいで、視界がぼやけて見えている状態です。人と話す時は、表情がわからないので、声で感情を判断しています。
そして、普段、電車で移動する時には、白杖を持っています。
白杖を持っている僕を見て、ほとんどの人が「全盲」と認識しているように思います。
たまに電車に乗っていると、席を譲ってくれる人がいるんですが、席に着いてから、僕がスマホを見ていたりすると、嫌な視線を感じる時があります。多分、「白杖を持ってるのに、見えてるじゃん」と思われているようです。
視覚障がいは人によって違いがあります。
僕はスマホの文字を大きめにして、顔に近づければ、文字を読むことができます。ただ、スマホは見えていても、揺れる電車内はやっぱり不安です。席に座ると安心できます。
「白杖を持っていても、全盲とは限らない」
このことを多くの人に知ってもらいたいです。
“白杖”、白い杖を持って歩いてる方を見ると、確かにどうしても、自分の中では“全く見えないのかな”っていう先入観があるから。
私もそう思っちゃってた。
プリンスオブラジオが言ってくれているみたいに、視覚障がいがあって白杖を持っていても、人によって様々な状態があって、「画面を近づけて文字を大きくすればギリ見えるよ」という人もいる。でも、その距離で見えるのと移動中の景色が見えないのでは、また全然違うじゃん? だから「そういう人がいるんだよ」ということを知っているか知っていないかだけで、絶対に感じるものは違うからね。
正直な話、確かに視覚障がいの状態を知らずに席を譲って、その人がその後に本を読んでいたり携帯を見ているのを見てしまった時って、“ん? どういう状態なんだろうな?”って、やっぱりちょっと疑問に思っちゃうもんね。
でも、(視覚障がいには様々な状態があるということを)知っているだけで、次に見かけた時に、“そういうパターンなんだ”とか、“混んでいるから大変だろうな”とか、“地図が見づらいんだろうな”とか、察することができる。その1つ1つが次のことにも繋がるから、こうやって声を届けてくれることによって気づくことができるだけでも全然違うのかなと、改めて思います。
私たちも、これは“気づき”だったね。本当に聞けて良かった。
『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。
みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!