点字ブロックの上に障害物があると安心して歩くことができません。
2021
放送後記

点字ブロックの上に障害物があると安心して歩くことができません。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

今夜、声を届けてくれるのは…!

いちごタピオカ

埼玉県 15歳 中学3年生 RN いちごタピオカです。
私は生まれつき「弱視」という視覚障がいがあります。小学5年生の時から特別支援学校に通っていて、白杖を使いながら生活しています。左目はほとんど見えなくて、右側は0.02くらいです。光は感じられるので、人影は見えたりするんですけど、目で見える範囲が狭く、歩いていてぶつかってしまうこともあります。

私が生活していて一番怖いのは、点字ブロックの上で話し込んでいる人がいることや、点字ブロックの上に自転車が置いてあることです。

以前、点字ブロックの上に人がいることに気づかずぶつかってしまい、怒鳴られてしまったことがありました。点字ブロックの上に置かれている自転車につまづいてたくさんの自転車を倒してしまい、1人で全て立て直したこともありました。点字ブロックは、視覚障がい者にとっては1人で安心して歩くためにとても大切なものです。点字ブロックの上に障害物があると安心して歩くことができません。視覚障がいのことや点字ブロックについてもっと知ってもらえたらいいな、私のような視覚障がいを持つ人がもっと安心して暮らせる社会になったらいいな、と思います。

そして、もう1つ伝えたいことがあります。
私が特に困っていない時でも、困っているように見えるのか、声をかけてもらえることがあります。そんな場合でも嬉しくて温かい気持ちになります。

もし視覚障がい者が困っていないとしても、“困っているかもしれない”そんな風に思った時は、良かったら声をかけてあげてほしいなと思います。

こもり校長1
こもり校長

自分も、なぜ点字ブロックがあるのか、なぜ道の一番通りやすい所に置いてあるのかというのは感じて、道を通る時にはそこを空けたりもするし、「なぜそこに点字ブロックが敷かれているのか」ということを考えることはもちろんあるんだけど、“物が置いてあるな”とか“そこに人が立っていたら通りづらいかもしれないな”とか、そういうところまで意識できているかと言われたら、正直ちょっと自信はないなって思った。

「なぜ点字ブロックがあるのか」ということは頭で理解してはいるものの、そこまで自分の中で(この問題に)フォーカスが当たっていなかったということは、現実問題としてある。だから、改めていちごタピオカがこうやって声にして届けてくれたことによって、“自分に直接できることがあるのか?”というところはあるかもしれないけど、きっと意識は変わるだろうし、もし今度何か塞いでるものが目の前にあったとしたら、何かしてみようと思うきっかけにもなると思う。

ぺえ教頭

そうだね。

こもり校長

あと「声をかけてもらえると嬉しい」ということについても、ちょっと違う考え方もあるというか、それが少し自分の中では余計なお世話に感じてしまう部分もあるじゃない? わざわざ「どうですか?」って言ってしまうことが、はたして正解なのかどうか…というところもある。そこも、いろんな物事の見方、角度で変わってくるから。

ぺえ教頭1
ぺえ教頭

私はいちごタピオカとはちょっと違う境遇なんだけど、アキレス腱を断裂して3ヶ月間ぐらい車いす生活だった時に、道で車いすを1人で漕いでいて、坂道だったり1人では越えられない段差が目の前に現れた時に、声をかけてくれた人がいて、すごく嬉しかった。“こんなに優しい人がいるんだ”とか“東京ってまだまだ捨てたもんじゃないな”とか、そのぐらい温かい気持ちになったことを、いちごタピオカの話を聞いて思い出した。

こもり校長

改めて、話を聞かせてくれてありがとう!
『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!

2021.12.20点字ブロックの上に障害物があると安心して歩くことができません。
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