True Colors CARAVAN in Beppuレポート@別府市役所 中庭「市民ひろば」
2022
REPORT

True Colors CARAVAN in Beppuレポート@別府市役所 中庭「市民ひろば」

生徒のみなさんこんにちは!
SCHOOL OF LOCK! 職員の松山三連複です。

SCHOOL OF LOCK!では、毎週月曜夜11時からのSOCIAL LOCKS! で、「True Colors Festival」とのコラボレーション授業をお届け中です!
そんなSOCIAL LOCKS! の課外授業を、今月は大分県・別府市で開催された「True Colors CARAVAN in Beppu」で行ってきました!

約半年間、日本全国を回ってきましたが、「True Colors CARAVAN」は今回で最後となりました。寂しい気持ちもありますが、たくさんの方たちと出逢えて、かけがえのない時間になりました。

True Colors CARAVAN

会場は別府市役所の中庭にある「市民ひろば」!すぐ横の別府公園では、県農林水産祭「おおいたみのりフェスタ」が行われており、大分で獲れたお魚や、大分の自然で作られた農作物、からあげなどが販売されていました。
そのイベントからも、多くのお客さんが「True Colors CARAVAN」にも来場されていました。

この日はとっても暑く、秋とは思えないほどの日差しで、来場したみなさんもこまめに水分補給して待っていてくださいました。ありがとうございました。
そんな中、いよいよSOCIAL LOCKS! 課外授業がスタートです!

True Colors CARAVAN

今回、司会を務めたのは、エフエム大分でパーソナリティを務め、毎週木曜21時30分から放送中の『日常学ラジオ おじさんが成長する木曜日 Presented by 大分合同新聞』を担当している荒金由希子先生!

早速、荒金先生に呼び込まれて、ぺえ教頭、とーやま委員が登場しました。

True Colors CARAVAN
True Colors CARAVAN

会場には、ぺえ教頭のうちわを持った方がたくさんおられ、会場に来ていたワンちゃんも、ぺえ教頭が登場すると「ワンワン」と吠えて歓迎している様子でした。
中にはとーやま委員のうちわを持っている方もいて、ラジオを聴いている方がたくさんいらっしゃっているそんな温かい空気感に会場は包まれていました。

True Colors CARAVAN

続いて、ゲストが登場。
「True Colors Festival」のアンバサダーを務めている乙武洋匡先生が登場しました!

「True Colors Festival」とは、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、多様な背景のある人たちと共につくり、楽しむ芸術祭のこと。

そのアンバサダーを務めている乙武先生が登場したのですが…開口一番「(オープニングの話が)長い!」と、とーやま委員に鋭いツッコミを入れていました。

True Colors CARAVAN

実は去年の11月、乙武先生がとーやま委員の『SCHOOL OF LOCK!教育委員会』に出演した際に、
「障害の有無に関わらず多様な人たちと一緒に魅力的なコンテンツを作りたいと思っているので、僕たちと仲間になって協力していただけないですか?」
と、持ち掛けて実際に実現したのが、この「True Colors CARAVAN」なんです!

つまり、とーやま委員と乙武先生が出会ってなければ、こんな素敵なイベントはなかったのです!そんなお話もありつつ…

True Colors CARAVAN

もう1人のゲストが登場!…シンガーソングライター 向井太一先生!

向井先生は、Netflixで配信されているアニメ『TIGER & BUNNY 2』のエンディングテーマ『Pilot』を歌っています。

会場には、向井先生のタオルを持ったファンの方も多く来ていて、それを見た向井先生もすごく嬉しそうな顔をしていました!

True Colors CARAVAN

そして、スペシャルゲストの穴澤雄介先生が登場!

穴澤先生は、全盲のバイオリニストで、心臓と目に障害を持って生まれ、正常に見えていた視力が徐々に失われていき、高校時代にはほぼ見えなくなり、現在は全盲とのこと。

なんと今年、アゼルバイジャン共和国で開催された「True Colors Festival in アゼルバイジャン」にも出演!
それを聞いた乙武先生も、「この前、アゼルバイジャンに行った!」とまさかの共通点が見つかり、盛り上がりました。

ちなみに、穴澤先生のニックネームは、アナちゃん!とーやま委員もぺえ教頭も、アナちゃん先生と呼んでいました。

True Colors CARAVAN

乙武先生から「目が見えなくなってきた時に、将来の夢に変化はあったんですか?」と聞かれたアナちゃん先生は、「元々読書が好きだったけど、読むスピードも遅くなって…あと心臓のこともあるので、運動制限があって、音楽の道に進むことを決めました」と夢の方向の変化について、言葉を届けてくれました。

そして、アナちゃん先生から「目が見えない方には、点字の物を渡せばいいと思っているかもしれないですけど、点字が読める視覚障害者は視覚障害者の1、2割程度なんです。」と視覚障害者の現状についても話してくれました。

True Colors CARAVAN

バイオリンを弾くために人一倍努力したというアナちゃん先生は、ある日、「楽譜でハンディを背負うなら、楽譜を作っちゃう人になればいいんだ!」と思い立ち、自分で曲を作ることに変えたそう。

「周りの人がやっていることを、自分もやらなきゃいけない」と思い込んでいたアナちゃん先生は、周りととことん違っていいじゃないかと思いはじめてから、生きることが楽しくなっていたとのこと。

そして、ここで急遽、アナちゃん先生がその場でバイオリンを弾いてくださることに!
キレイな音色が響き渡り、会場からは自然と拍手が沸き起こりました。

アナちゃん先生の話を聞いた向井先生は、「とても勇気づけられました。どうしても周りと比べて、正解を見つけようとしていたので、正解はなくて自分自身で探していけばいいんだなと思いました。」と感想を話してくれました。

True Colors CARAVAN

そして、今回は実際に「SOCIAL LOCKS!」に声を届けてくれた生徒が登壇してくれました。

ステージに登壇したのは、RN ミステリアスなクレープソルジャー
長崎県から母親の運転で別府市まで来てくれたとのこと。

ぺえ教頭も「会えたね~!」と言って、嬉しそうな様子でした。

RN ミステリアスなクレープソルジャーは、ADHDという注意欠如・多動症とも呼ばれる発達障害を持っていて小学生の頃は授業に集中出来ず、友達とケンカをすることがあったとのこと。

「みんなに迷惑をかけるんだったら学校にいない方がいいのでは?」とも思ったりすることもあったけど、中学生になって人前に出たり、劇に出てお客さんを笑わせるようになった時に、自分のコンプレックスだと思っていたADHDという特性を前向きに捉えられるようになったそう!

学校の激励会で一発芸をやった時に、気持ちが入れ替わったとのこと。
高校生になった現在、楽しい学校生活を送っているらしく、恋愛のことを聞かれた際は「高校を出たらもっと広い世界があるので…!」と声を届けてくれました。

とーやま委員から、「みんなに言いたいことある?」と聞かれたRN ミステリアスなクレープソルジャーは、「自分の苦手なことや、こういうところが嫌だなと思っているところが、自分を変えるきっかけになるということを伝えたいです。」と素敵な言葉を送ってくれました。

この話を聞いた向井先生は、「自分の嫌なところを乗り越えたり、受け入れることってすごく難しい事ですけど、乗り越えることで世界が変わるという事を証明してくれていますよね。」と、RN ミステリアスなクレープソルジャーに言葉を伝えました。

アナちゃん先生も、「やらないで後悔するより、やって後悔するじゃないですけど、思い切って行動するのが大切なのかなと思いました。」と、心に響いている様子でした。

True Colors CARAVAN

そして、SOCIAL LOCKS! 課外授業の最後は…
SCHOOL OF LOCK! 恒例、黒板にメッセージを1人1つ書いて発表。
今回書いた文字がこちらです!!

True Colors CARAVAN
True Colors CARAVAN

アナちゃん先生“人生はトラック競技じゃない”
「普段の生活の中で、みんなと同じテストで何点取れるかとか、同じコースを何秒で走れるかとか、そういう世界にばっかりいると、枠組みの中で争うっていうんですかね。人と比べて…それも大事なのかもしれないんですけど、もしその中で自分は全然これには敵わないなと思ったら、そうじゃない道を歩いてもいいんじゃないか。

例えばロードレースだったら、途中で近道を見つけて、その路地に入っちゃえとかって、やったら反則ですけど、そのルールの中で争ってるだけのことであって、人生は別に枠組みはいらないんじゃないか。別に自分の目指すゴールが後ろにあるなと思ったら、1人で後ろ向きに走っちゃってもいいし、みんなはあっちの道に行ってるけど、僕はこっちの道を行った方が行きやすいなと思ったら、人とは違う道を歩んでもいいんじゃない。だから、人と比べるばっかりじゃなくて、自分の違いを認めて、人生をもうちょっと自由に捉えて生きてもいいんじゃないかなっていうことで、この言葉を書きました。」

True Colors CARAVAN

向井太一先生 “学びは豊かさ”
「今日僕、たくさん学んでこようと思って、イベントに来たんですけど、本当にいろんな方のお話を聞いて、心が豊かになったというか、今日のこの日があるから今後自分がつまずいた時とかも乗り越えられるような。今、そういうネガティブな自分の中で嫌な部分がある人も、いろんなことを吸収して、いろんな話を聞いたり、いろんな体験をしたらそのネガティブなことすらも、プラスに変えられたりとか、そういうふうに学ぶってことはすごく大切だなって思い、書かせていただきました。」

True Colors CARAVAN

乙武先生 “選択肢をふやそう”
「ここ数年、多様性とかダイバーシティとかってよく耳にするようになったと思うんですけど、今ひとつそれってどういう意味なんだろう?なかなか解像度が高く、分かりづらい部分があると思うんですよね。僕はダイバーシティって、選択肢を増やしていくっていうことだと思ってるんですよ。これしかダメだよとか、このカテゴリーの人は絶対にこうしてくださいねとか…。

例えば、結婚って男性と女性しかできませんよとか、障害者はこういうところでしか働けませんよとか。それって選択肢が限られてるから多様性がない状態だと思うんですよ。そこに今のベースを否定することなく、こんな選択肢もあったらいいよね、こんなオプションもあったらもっと社会が豊かになるよね。もっと幸せになれる人が増えるよねっていう風にどんどん選択肢を増やしていくっていうことが、僕は多様性、ダイバーシティっていうことなのかなと思ってますし、僕自身こういう選択肢を増やす活動を今後も続けていけたらなと思ってます。」

True Colors CARAVAN

ぺえ教頭 “幸せになろう”
「人生迷うことだらけで、何かを信じることも怖くなると思うんですね。結局自分にとって何が大切で何をすれば幸せなのかも分からなくなってくるし、実際に私もそうです。結局自分を信じ続けられるかどうか、それが幸せに繋がってるんじゃないかと、このイベントを通してすごく強く感じました。

自分の人生を恨んでも、思い通りに行かない毎日を誰かのせいにしても、あなたを幸せにはしてくれないと思います。自分を信じ続ける、それだけで私は100点なんじゃないかと思います。」

True Colors CARAVAN

とーやま委員 “True Color”
「今日、東京から飛行機に乗って来たんですけど道中で、『そういえば、True Colors Festivalの“True Color”って、どういう意味だろうと思って考えてみたら、直訳したら“本当の色”っていうことじゃないですか。それで、ふと思ったのがこの間、新聞を読んでて、投書欄のところに女子高生の投書があって…。文化祭で催し物があって、トークコーナーがある。それでサイコロを振って、出た目のテーマに沿って話すっていう物がある。その中にいくつか、元カレ元カノの話とか、バレンタインチョコいくつもらった話みたいなのがあって、いいじゃんってなったんですけど、先生が『今の時代にそぐわないから、そういう話をやめた方がいいんじゃないか』ってことで辞める運びになったらしいんすよ。その子はどこまで考えていいか分からなくなって、今の時代って言われたタイミングでどこまで配慮していいかも分からないし、悩んでるんですっていう投書だったんですよ。

僕はその子の気持ちもすごく分かるし、先生が言うこともすごく分かるんですけど、ちょっとだけ僕は違和感を感じて、こういう時代だから、これはやっちゃダメですよ。っていうことが…さっき乙武先生もおっしゃられたことに近いと思うんすけど、すごい多い。時代がダメだからダメなのかっていうのだと心がない気がして…。みんなが言ってるからダメってことかっていうことではないんじゃないかなと思うわけなんです。

例えば、これに関しては赤だから赤って思わないと、っていうんじゃなくて、赤は赤だけど、その赤の中にはいろんな赤があるわけじゃないですか。この人は真っ赤、この人はちょっと白みかかってる桃色っぽい赤とか、この人は青が入ってる赤だなとか、そういったことをちゃんと感じていかないとダメだなと思ってたんです。

なので、今日たくさん議題も出ましたけども、そういったことは一旦、そういう考えもあるという中で、自分はじゃあどういう風に思おうかとか、目の前に困ってる人がいるから助ける時代じゃなくて、困ってるから僕は助けたいっていう風に思いたいなと。1色とか2色とかじゃなくて、色は無限にあるんで、そういうことを少しでも感じていければいいなっていうのを今日改めて思いました。」

最後に乙武先生から、「日本って特に同調圧力が強いって言われるからこそ、男だからこうしなきゃとか、女だからこうしなきゃとか…。例えば長男だからこういう役割を担わなきゃなとか、このクラスではきっと私こういう立ち位置なんだろうなとか。勝手に期待されてる自分が求められてる役割を演じようとして、本当の自分をこういう風に出したいとか、やりたいってことがずれてって苦しくなって窮屈になっていくことって、結構みなさん多いと思うんですよ。でも、そういうカテゴリーにとらわれず、自分はとにかくこうしたいんだ、こういう自分でありたいんだ!っていうふうに思えて、そういう生き方ができると幸せになっていけるんだろうなって思うんですよね。」と熱い言葉を届けてくれました。

True Colors CARAVAN

参加してくれた生徒のみんな、司会の荒金先生、乙武洋匡先生、向井太一先生、“アナちゃん”こと、穴澤雄介先生ありがとうございました!

SOCIAL LOCKS! 課外授業は、これにて全て終了致しました。
会場に足を運んでくださった方、会場には来られなかったけど、レポートは読んだよと言う方が今回の「True Colors Festival」に少しでも興味を持って、アクションを起こしてくれたらすごく嬉しいです。

またいつか、どこかの会場でお会いしましょう~!
半年間、本当にありがとうございました。

2022.10.23True Colors CARAVAN in Beppuレポート@別府市役所 中庭「市民ひろば」
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