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9/17 「 カップリング(2) 」 
  今週は先週に引き続き "カップリング" についての授業です。生徒から提出された小論文、「カップリングの役割・重要性についてあなたなりの意見を140文字以内で述べなさい。」を紹介しながら、山口先生が評価していきます。 いつも提出率が少ない小論文の宿題ですが、今回はとてもたくさん提出されていました！宿題なので、提出するのは当たり前(苦笑)なのですが、たくさんの小論文を見ながら、山口先生はとても喜んでいました。生徒の皆さん、この調子でどんどん提出してきてください！  それでは、生徒の小論文を紹介していきます。
「なるほどね。シングルを出すことで、その曲でそのミュージシャンを知る事が多いわけですから、アルバムを買う前にシングルを手に入れたお客さんに、「このミュージシャンはこういう曲もやりますよ」って提案する役割が、カップリングにはありますね。なかなか良い着眼点です。」  
「そうですね。確かにそういう一面もありますね。しかし、例えば、ミュージシャンがシングル曲をそのバンドのカラーのままで出している場合は、カップリング曲でも同じような曲を収録するという事があります。いきなり違う事をやり過ぎると幅が広がりすぎるから、それを好まないミュージシャンは、カップリング曲でも分かりやすい物を入れる事もありますので、一概にはそうとも言えないのですが、f.Rが望んでいるのがそう言う部分なのかも知れませんね。」
「なるほど！これは "レーベル目線" ですね！シングルっていうのがなかなか売れない時代になったので、なんとかして売りたい。カップリング曲を多めに入れると、1000円でたくさん売れるから、お得感満載になるって言うのは間違ってないですね。アートチョコ、プロモーター向きかもね！」 
「つまり、そのミュージシャンのいろんな顔を見たいという人が、カップリング曲を収録している事によって、シングルを手に入れて聞こうと思う可能性が増えるので、そういう役割を果たすのがカップリングじゃないか……と、doratakaが言っているわけですが、まさにそうですね。でも、dorataka、注意しよう！140字えちゃってるから！いくら良い事を言ってても、超えちゃうと駄目だよ(笑) 学校にもルールがあるでしょ？遅刻したらだめとか、授業は何時から何時までとか、中休みは何分とか……ルールがあるんだからさ、この授業も「140字で！」ってルールがあるんだから、なんとかしよう。かっことかをうまく調整して……言ってる内容は良いからね。」
「140字ぴったり！素晴らしいですね〜。1の「実験的な楽曲を収録し、アーティストの多面性をアピールしたり、視野を広げたり、成長がはかれる」、これはね、よくわかりますね。やはりカップリングは遊べるんですよ。自分たちが今、何が好きなのかっていう事の確認の意味合いで、すごく的を得ています。2の「A面で偏った色を補正し、シングルの均一化を測る。」っていうのは "ディレクター目線" だね！ディレクターとしては、ミュージシャンが「カップリング曲でこういうのをやりたいんだ」っていう時に、ディレクターが「それはちょっとね〜……シングルの曲はこういう感じなので、サカナクションのこういう感じの部分をカップリングで出していくっていうのはどうですかね？」っていう事もあるんですよ。そして3の「アルバム落ちした良曲の収録場所となるかと思います。」…これは "バンマス目線" ね(笑) …… 「これはアルバムには入れられないしな〜、じゃあ、カップリングに入れてこういうアレンジにしちゃおうかな！」みたいなことをしようとするときの目線ね。カリッコリー、なかなか主観もあって、客観視も出来ていますね。」   「……というわけで、いろいろと生徒の意見を読んできましたけど、みんなカップリングっていうものに期待しているっていうことに違いは無いんですね。カップリングは、ミュージシャンによって扱い方が違います。カラオケでたくさん歌われる曲をリリースしているような人は、歌の入っていないカラオケ・バージョンを入れたりしますからね。ミュージシャンによってカップリングの役割が違うんです。そして、そのミュージシャンを応援しているリスナーによって、カップリングに対する期待の仕方も違う。サカナLOCKS! に送ってくれた宿題の内容を見ると、皆さんカップリング曲っていうものは、シングル曲に対する裏側だったり、アルバムに対する期待だったり、ミュージシャンのカラーだったり、そういう部分を期待しているんだなっていう事が分かりましたね。これはものすごく良い兆候だと思います。サカナクションに限らず、Base Ball Bearとか同じようにカテゴライズされている他のミュージシャンに対する考えはみんな同じだと思うので、ミュージシャン的にもやりがいがあるし、そういう風に期待してくれるリスナーが音楽シーンに増えてくると、ひょっとしたら日本の音楽カルチャーは何か新しい動きが起きるかもしれないという予感がしました。」 生徒の皆さんが提出してくれた宿題を見ながら、山口先生は、なんだか感慨深そうにしていました。……が！今回も今回山口先生から新しい宿題が出されました！今回の宿題は、これです。 『 CDを買う・買わない基準を教えてください 』 「……普段レコード屋さんに行ってCDを買おうと思ったり、配信や着うたでいいやって思ったり、レンタルしよう、とかあると思うのですが、CDを買おうと思う決め手、買わないと思う決め手、その基準を先生に教えてください。……例えば、カップリングを聞きたいという気持ちはCDを買う事に繋がってくると思いますし、今は配信という方法で音楽を手に入れられるので、カップリング一曲だけ買うっていうことも出来る時代になったわけです。より、カップリングの意味合いが重要になってきているとは思うんですけど、先生が気になるのは、生徒諸君が何を基準にCDを買ったりするのかなっていうことです。特典がついてきたりすることを、みんなはどう思っているんだろう…。そういう事も気になり始めています。」 皆さんの基準をぜひ教えてください。宿題の提出よろしくお願いします！  M multiple exposure ／ サカナクション |