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8/27 「 夜の踊り子 」 
 今回の授業は、8月29日にリリースにするサカナクションの新曲「夜の踊り子」をフルコーラス・オンエアして、山口先生がこの新曲について話していきます。「夜の踊り子」が完成されるまでには、いろいろと難しい条件や予定の変更があったそう。山口先生、苦労する部分がたくさんあったみたいです。今回は、その「夜の踊り子」制作の裏側のお話です。  「「夜の踊り子」略して "YNO" ね！(笑)みんなもYNO(ワイ・エヌ・オー)って呼ぶように！(笑) この曲は、モード学園のCMソングであり、タイアップ曲ですね。実はこの曲は、「僕と花」という曲よりも先に発売されるシングルの予定でした。つまり、この「夜の踊り子」の方が、先に完成していて、サカナクションの2012年第一弾シングルとして発売する予定だったんですね。」 「なぜ「僕と花」が先にリリースされたかというと、モード学園のCMソングとして依頼があった「夜の踊り子」が完成した後に、ドラマの主題歌のお話が来たからなんです。そのドラマが4月からスタートというものだったので、すぐに楽曲が必要だということで、先にドラマの主題歌を完成させて発売する、という風に戦略が変更されて、「夜の踊り子」は後回しになったわけです。だから、「僕と花」を作るときはすごく難しかったんです。 2012年の最初のシングルとして、テンポ感の良い「夜の踊り子」が発売される事が戦略だったのにも関わらず、ドラマ主題歌が先に発売される事になったので、どういう曲調にするべきか……本当に悩みました。色んな戦略の変更がありながらも、タイアップ曲という事を意識しつつ曲を作っていったっていうのが難しいところだったと思います。」  この音学の授業の中でも以前、お話ししたかもしれませんが、「夜の踊り子」は、「僕と花」よりも先に作られていたんですね。ドラマの主題歌になった「僕と花」も、ドラマとのタイアップであり、ドラマが放映される時期にリリースなどの足並みも揃えるということで、リリースの順番が逆になる。そんなスケジュールの変更もあるとは、なかなか大変そうです。では、CMソングを作るという事は、どのような流れで作られていくのでしょうか。続いては、そんなお話です。  「CMソングを作るにあたって、いろいろなケースがありますが、今回の曲に関しては、まずモード学園の方と、どういう曲調にするかということを打ち合わせしました。サカナクションの過去の曲で「こういう曲調にして欲しい」っていうリストアップされたものを頂いて参考にしたり、CMの絵コンテみたいなものをもらって、"JONTE’★MOANINGさんが出演して、踊り、こういう作品になります" っていうものを教えてもらいました。 (この当時) 僕らサカナクションとしては、2012年第1弾シングルとして考えていたので、どういう曲調が良いのか、などのバランスを話し合いをしながら、モード学園の方と「じゃあこういう曲調はどうですか？」と摺り合わせて、デモ音源の締め切りを決めていく、という感じでした。」  サカナクションのようなグループがCMソングを作るということには、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。山口先生は、"CMソングを作るという事は、僕らのようなバンドからすると、すごく嬉しいこと" と言います。 「CMソングを作るという事は、普段テレビを主戦場としていないミュージシャンからするとすごく嬉しいものです。テレビ番組に出なくても、無作為にお茶の間の皆さんに自分たちの存在を知ってもらえる。顔は知られずとも、音楽を聞いてもらえる。そして、そのCMのイメージに自分たちのイメージが重なったら、相乗効果が得られるので、それで気になった人たちは検索してYouTubeにたどり着いたり、ホームページやTwitterを見たりするというものすごく効果的な一面があると思います。CMの右下に「サカナクション」って出てるでしょ？ あれを見かける事で、「サカナクション、最近よく見かけるけど、どういう奴らなんだ？」って気にかけてもらえるんです。」  「デメリットも、もちろんあると思っていて、テレビに出るという事は、自分たちに興味がない人たちのもとにも自分たちの音楽が届くので、その人たちが批判的な意見を持った場合、僕らや作った音楽に対して、攻撃してきたりする人もいるんですね。しかし、そういうのも乗り越えながら音楽を作り、外に発信していくという事がこれからのロックバンドに必要な事ではないかなと思っています。」  "批判的な意見を乗り越えて、音楽を発信していく" ……このような山口先生の強い気持ちこそが、さまざまなシーンで、多くのファンを "勝ち取っていく" バンドたる所以かもしれません。しかも8月31日のミュージック・ステーションに「夜の踊り子」を引っさげて登場することが決定しています！！ 「生徒のみんなはドキドキしながら見てて！僕は白目向いちゃうかもしれないけど。(笑)」  ということで、今回の授業もそろそろ終わりです。ニューシングル「夜の踊り子」は8月29日発売。初回版にはDVDが付いていて、「SAKANAQUARIUM 2012 "ZEPP ALIVE ALONE"」という、サカナクションのライブを独占してみているように感じる事が出来る映像が入っています。さらには、同じ会場で行われた"ZEPP ALIVE"の「夜の踊り子」ライブ映像も収録されています！ 「"ZEPP ALIVE ALONE" は、カメラを一台だけで固定して、聞こえる音は、バイノーラルレコーディングという、360度の音を録る事のできるマイクを使って収録しています。この音は、ヘッドフォンやイヤホンで聞いてもらえるとリアルに分かるので、環境を整えて観てほしいですね。シングル曲にシングルのライブ映像も入ってて、なんだかよくわかんない感じもするけど(笑)、そこも面白いなって思って収録しています。CDジャケットも、スキャニメーションみたいな手法を使っていて、文字が動いているように見せているという、おもしろいものになっているので手に取ってみていただけたらなって思います。制作費がハンパなくかかってますからね！(笑)是非皆さん、購入してみてください。」
「僕たちは戦略上、いろんな事を考えながら、いろんな人の力を借りて、CMソングを作る事を乗り越え、音楽をやってます。音楽を作ることが仕事として考える瞬間も、もちろんありますが、作曲したり、音楽に関わる仕事をするときに、それを "仕事" って呼ばないようにしています。僕は音楽を楽しんでいるので、"仕事"っていうと、辛い事に思えたりする事も出てきます。だから、最近は音楽を"仕事"と呼ばないようにしています。みんなも受験勉強とか就職とか、社会に向き合って立ち向かわなきゃいけない瞬間もいろいろあるだろうけど、僕らも社会に出て頑張ったり辛かったりする部分は同じなので、みんなも先生と一緒に苦しい事に立ち向かって行きましょう。」  さて、来週の授業ですが、生徒の皆さんからも要望の多かった『マスタリング』の授業をお届けします！音の違いが解るよう、なるべく音が良いヘッドホン、もしくはイヤホンを用意して、授業に参加してください！
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