【検証】AIチャット"ChatGPT" で、サカナクションっぽい歌詞が書けるか?

サカナクション 2023.3.24 金曜日

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2023年3月31日(金)PM 10:00まで




音を学ぶ"音学"の授業、サカナLOCKS!。
今回は、近ごろ話題になっている対話人工知能ツール "ChatGPT" を使った授業です。ChatGPTは質問をすると対話形式で答えてくれるAIチャット。そんなAIは曲の歌詞を作ることができるのか、さらにサカナクションっぽい歌詞を作ることができるのか。サカナクションである山口一郎先生が実際にChatGPTを使って検証していきます。


山口「はい、授業を始めますから席についてください。Twitterを開いている人はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている人サカナLOCKS!のインスタアカウント(@sakanalocks_official)をフォローしなさい。授業が始まりますよ。」

「さて今夜は、AIを使って歌詞を作る授業をお届けしたいと思います。皆さんは"ChatGPT"というオリジナルのテキストを作ることができる人工知能ツールをご存知でしょうか。これ今めちゃくちゃ話題になっていて。多方面で新しいAI技術だっていう風に。誰でも使えるオープンソースだしね。」

「例えばどんな使い方ができるかというと、『犬と猫が喧嘩する物語を考えて』とチャットに打ち込むと、AIが自動で物語を考えてくれたりするんですよ。しかも日本語に対応しているというね。これができることによって、大学の授業とかでも論文とか書いてもらえちゃったりするから、いろんな弊害が出るんじゃないかとも言われているんだけど、僕はすごいソフトだなと、新しいなと思っています。今回はこのChatGPTが、『サカナクションっぽい歌詞を作ることができるのか』を検証してみたいと思います。果たして、AIは歌詞を書けるのか。サカナクション本人だから、僕。本人がそれっぽい歌詞をAIに書いてもらって、それを改訂していくというかね、吟味していくというのをやっていこうかなと思います。」

「まずは、『サカナクションについて教えて』と書いてみましょうか。」


『サカナクションについて教えて』

ChatGPT:
サカナクションは日本のロックバンドであり、2005年に結成されました。
バンドは中学生の頃からの友人である山口一郎(ボーカル・ギター)、桜井ユキ(ベース)、川谷絵音(キーボード)、草刈愛美(ドラム)の4人で構成されています。

彼らの音楽は、エレクトロニカ、ロック、ポストパンク、アンビエントなどさまざまなジャンルを組み合わせた独自のサウンドで知られています。
歌詞には社会や人間観界、自己啓発などのテーマが多く取り上げられています。

サカナクションは『GO TO THE FUTURE』で商業的成功を収め、以降数々のヒット曲を生み出しています。

また、彼らはライブパフォーマンスでも高い評価を受けており、映像演出やライティングなどで観客を魅了しています。



「桜井ゆき?誰これ(笑)。全然違うじゃん!川谷絵音がキーボード!わはははは!(爆笑) 草刈愛美、ドラム……(笑)。4人で構成されていないですよ。全部違うよ。なんか絵音がメンバーになっちゃってんじゃん。……まあ、情報が間違っていますけど、ChatGPTってこうやって日本語でどんどん文章を作ってくれるというすごいソフトなんですよね。サカナクションを知っている人はわかると思うけど、情報が間違っていますよね。正確ではない情報をAIが書いてしまうこともあるということですね。じゃあ次。」

『サカナクション 山口一郎について教えて。』

「……あ、出てきた。すごいゆっくりですよ。情報が少ないのかな、サカナクションについての(笑)。」


『サカナクション 山口一郎について教えて』

ChatGPT:
サカナクション 山口一郎は、日本のミュージシャン・作曲家・プロデューサーです。1974年生まれで、北海道札幌市出身です。サカナクションのリーダーであり、ボーカル、ギター、キーボード、プログラミングなどを担当しています。
また、ソロプロジェクト ひとりサカナクションとしても活動しています。

山口一郎は音楽性の幅広さが特徴で、ロック、エレクトロニカ、ポップスなど多様なジャンルを自由自在に操ります。彼のサウンドプロダクションには定評があり、多くのアーティストからの信頼も厚く、広く音楽業界で活躍しています。

また映像作品の制作や、広告音楽の制作、アパレルブランドの立ち上げなど、音楽以外の分野でも多岐にわたる活動をしています。2019年には紫綬褒章を受賞しました。



「いや、1980年生まれですよ(笑)。(パートの)担当、これだと全部じゃん。ひとりサカナクション……してない、してない(笑)。何その"ひとりサカナクション"って。……紫綬褒章受賞してないから!(笑)じゃあ、次はちょっと考えてもらいましょう。」

『猫が好きになる詩を考えて』

「……さあ、考えていますよ。どんな詩を書いてくるでしょうか、AIが。」


『猫が好きになる詩を考えて』

ChatGPT:
ふわふわとした毛並み 
ぴょんぴょんと跳ねる仕草
そっと寄り添ってくる姿
猫の存在はなんとも言えず愛おしい

静かに優雅に暮らす姿は
私たちに癒しを与えてくれる
いつもそばにいてくれる猫
彼らと一緒にいると時間がゆっくりと流れるような気がする

猫が好きになる詩
ただそんなものをつらつらと考えながら
ぼんやりと猫を眺める



「ははは(笑)。すごいねー、ここまでやる……。じゃあ、今度は逆に……」

『猫が嫌いになる詩を考えて。』

「嫌いになる、だからね今度は。さあ、考えられるかな?AI。……あ、書き始めました。」


『猫が嫌いになる詩を考えて』

ChatGPT:
猫の爪で傷つけられたソファ
猫が泣き叫ぶ夜中の騒音
フンを放置する姿勢
猫の存在は何とも言えず迷惑

毛並みが綺麗だからといって
全ての行動が許されるわけではない
いつも邪魔をしてくる猫
彼らと一緒にいると時間が過ぎるのが遅く感じるだけ

猫が嫌いになる詩
ただそんなことをつらつらと考えながら
ねこを避けるようにして生きる



「ふはははは(笑)。なんとなく分かってきたね、みんな。このChatGPTの性能が。じゃあ、いよいよいってみましょう。サカナクションっぽい歌詞を考えてもらいましょう、AIに。サカナクションである私がそれを判断しましょう。」

『サカナクションっぽい歌詞を考えて』

「……さあAI、いけ!」


『サカナクションっぽい歌詞を考えて』

ChatGPT:
静かな夜に響く街の喧騒
きらきらと輝く星の下で
人々が行き交う中で
僕らはただ立ち尽くすだけ

騒音に塗れたこの世界で
僕らは探し求めるんだ
何かを感じるために

時には迷い込んだ闇の中で
輝く光を見つけ出すんだ
未来に向かって突き進むために

サカナクションのような歌詞を
ただ口ずさんでいるだけでも
胸に響く何かを感じるんだ

僕らはまだまだ夢を追い続ける
何があっても諦めはしない
この先の未来が待ってるから



「うわー……書かねーな、これは。"僕らは探し求めるんだ"は言いそう。いやー……書かねー。全てにおいて書かねーな。なんで俺本人が"サカナクションのような歌詞をただ口ずさんでいるだけでも胸に響く何かを感じるんだ"って言うのっていうね(笑)。でも、すごいね。これは……どうなの?サカナクション以外の人が聞いたらサカナクションっぽいなって思うのかな?サカナクション本人からすると、これは、ナイナイナイナイ、ナナイナイです(笑)。」

「じゃあ、もう1個くらい聞いてみるか。もうちょっと具体的にいこう。」

『夜をテーマにサカナクションっぽいサビの歌詞を考えて』

「さあ、入力したよ……これ、分かるのかな、サビって言っても。(ChatGPTの画面を見ながら)……はー……AIはこれを俺の歌詞だと思っているんだな。情報が少ないかもね、サカナクションの歌詞の。曲数が少ないからね。これ、サビだけじゃなくてAメロ→サビ→Aメロ→サビだ、構成的には。3番までいってるよ。」


『夜をテーマにサカナクションっぽいサビの歌詞を考えて』

ChatGPT:
夜の街に消えていく人々
胸に秘めた思いを抱えて
孤独な闇に包まれて
君と出会ったあの夜を思い出す

Oh 夜は長いけど
Oh 君がいるから
Oh いつだって輝いてる
この街に響く歌声に心が震えるように

誰にも言えない悲しみを
君と共に乗り越えた
明日が見えなくても
君と手を繋いで進むんだ

Oh 夜は長いけど
Oh 君がいるから
Oh いつだって輝いてる
この街に響く歌声に心が躍り出すように

夜の帳が下りる前に
君と踊り明かそう
明日が来る前に
夜を切り裂いて進もう



「"君と出会ったあの夜を思い出す"とは絶対に書かないなー。あー……書かねーなー。AIちゃん、これ書かないよ、いっくん君。まあ、サビっぽくしているよね、ちゃんとね。すごいね。……すごい技術だけども、サカナクション本人からすると……書かないね、これは。サカナクションっぽいってサカナクションファンは感じるか否か……これはラジオをお聞きのサカナクションファンに委ねよう。」

「でも、本人からすると、"夜の街に消えていく人々"……使わないなー。そんな単純な感じではしないな。もっと苦しんでるよ、書くときは。違う表現にするね。だったら何かこう……"駅にしゃがみ込む女子高生" とかにしちゃうかもね。もっと遠くからいくよね。遠いところからいくよね、俺はね(笑)。"胸に秘めた思いを抱えて"……"体育座りした孤独に" みたいにするかな(笑)。どっちかって言ったら、回転数の高いストレートみたいなもんじゃん。野球で言ったらね。僕、もうちょっとカットボールだから。打ちにいった時にちょっと曲がるから。"君と出会ったあの夜を思い出す"……言わないよねー。ちょっと言わないよねー。"Oh 夜は長いけど"……Oh、言う?言わないよ、AIちゃん。言わないなー。じゃあ、分かった。これは本人だからこう思うだけであって……」

『荒井由実っぽい歌詞を考えて』

「松任谷由実じゃなく、荒井由実でいこう。これを見てユーミンさんっぽいなって思ったら、AIの勝ちだね。」


『荒井由実っぽい歌詞を考えて』

ChatGPT:
秋の夕暮れ 微かな光
木々が揺れてる 風の中で
思い出してしまう 遠い日々
ほんの少し切なくなる

あの頃の僕らは未来に向かって
夢を描いてた希望に満ちて
だけど時は流れて色褪せた日々
ただ胸に残っている

いつか叶えたい あの頃の夢
振り返れば遠く 過去の彼方
だけどまだ希望は失ってない
一歩ずつ進んでいく

荒井由実のような歌詞を歌い続けていると
心の中に何かが生まれる

振り返れば遠い日々も
今ここにいる自分がいる
進むべき道は自分自身で
夢に向かって進もう



「うーん……"ほんの少し"っていうのはあるかもな。"あの頃の僕らは未来に向かって"……いやー、言わないなー。言わないでしょ、ユーミンさん。……まあ、世界観はあるかもね。"荒井由実のような歌詞を歌い続けていると心の中に何かが生まれる"って、なんでこれちょいちょい出てくるんだよ(笑)。」

「……すごいポジティブだね。うーん……まあ……ユーミンさんっぽいかなー……こんな直接的にはね……確かにさっきのサカナクションの歌詞とは違う感じにはなっているから、そういう風に使い分けているというか、理解して書き上げているんだなっていうのはすごいよね。確かにすごいな。じゃあ……」

『マイケル・ジャクソンっぽい日本語の歌詞を考えて』

「……(ChatGPTのレスポンスが) 速っ!ふふふ(笑)」


『マイケル・ジャクソンっぽい日本語の歌詞を考えて』

ChatGPT:
恋に落ちた瞬間
ドキドキが止まらない
君の笑顔に魅了されて
僕は魅了された

こんなにも熱い思い
初めて感じる
君といると世界中が光り輝いて見える

Oh Baby Baby Baby
君に夢中になってしまった
愛を伝えたくてどうすればいいの
Oh Baby Baby Baby
心の奥に秘めた思いを君に伝えたい
一緒にいたいんだ

時には喧騒にまみれて
迷ってしまうこともある
でも君といると心が落ち着く

君のそばで笑っていると
何もかもが忘れられる
君といる時間は宝物のようなものさ

Oh Baby Baby Baby
君と過ごす時間が幸せで
君の隣にいることが僕の夢だよ

Oh Baby Baby Baby
君に伝えたい愛の言葉を
今すぐ伝えたい君を抱きしめて



「うーん、どうだろうね。分かんないな、これは(笑)。何とも言えないな、それは。ありそうだなとは思うけど、マイケル・ジャクソンの曲を和訳したらこうなったみたいな感じはするけどね。」

「でも、すごいですね。ChatGPTは考えてくれる。ガイドにはしてくれるよね。ただ、ChatGPTが考えてくれた歌詞を本人が見ると違和感はあるよと。そういうものにはなっているかな。ただすごい技術だということは分かっていただけたかなと思います。これ結構面白いね。いろいろやっていくとワクワクしてきそう。」


今回の授業も終了の時間になりました。

「今回はAIのChatGPTを使って歌詞を考えていきました。これ、でも……ひょっとしたらこのChatGPTを使って歌詞のガイドを書いたりする人が出てきたりするんじゃないの。あり得るよね。ヒントを探すには良いのかもしれないよね。でもね、テクノロジーが今後クリエイティブにどう入り込んでいくかっていうのは、ミュージシャンにとってひとつの議題にはなっているんですよ。だってそもそもPro Toolsっていう音楽ソフト(PCにレコーディングするソフト)だって、当時からすると魔法みたいなものだったわけだから。0を1にするところの段階でテクノロジーが入り込んでくるっていうのは自然な流れかなと思います。ただ、それを使う、使わないかはそのクリエイター本人の考え方になってくるんじゃないかなとは思うけどね。面白い技術といえば面白い技術だね。僕も遊んでみようかなと思います。」

SCHOOL OF LOCK!


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