サカナクション初のオンラインライブ『SAKANAQUARIUM 光』記者 会見 (後編)
サカナクション 2020.8.14 金曜日
聴取期限 2020年8月21日(金)PM 22:00 まで
いよいよ明日あさって開催!サカナクション先生初のオンラインライブ『SAKANAQUARIUM 光』。LIVEを映像配信を通じて再解釈、誰も挑戦をしていない表現に挑むというこの公演。
今週は、このオンラインライブについての『オンライン記者会見』を開催!先週にひきつづき、サカナLOCKS!の生徒10人に登場してもらい、疑問や質問など、気になることを一郎先生に直接、聴いていきます。こちらの公演が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください!
■サカナクション「#SAKANAQUARIUM光」
8/15(土) NF member限定公演
8/16(日) 一般公演
特設サイト[ →コチラ!]
山口「はい、授業を始めますから席についてください。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている生徒は、サカナLOCKS!の[ →インスタアカウント]
をフォローしなさい。授業が始まりますよ。オンラインライブ授業が続いているから、なかなか写真が撮れないんだけど、この間サカナLOCKS!のカメラマンの樋口くん(職員ネーム:GR3兄弟・長男)に別の仕事で写真をお願いしたんですよ。ついでにサカナLOCKS!の写真も撮りました(笑)。頑張るねー。毎回考えているからね。」
「週末はサカナクション初のライブストリーミング公演『SAKANAQUARIUM 光』が開催されます。明日から開催ですよ!皆さん視聴の準備はいいかな?どんな環境で聴くのかな?イヤホン……あと、Wi-Fi環境もね。オーディオ環境がすごくいい知り合いの家に行って観る、とかもありだと思うぞ。さて、今週は先週に引き続き、サカナLOCKS!の生徒とオンライン会議アプリを通じてオンラインライブのオンライン記者会見を行いたいと思います。」
山口「それでは、記者の皆さま、質問のある方は挙手をお願いいたします。……では、では……おさかなかなさん、どうぞ。」
おさかなかな「前に、一郎先生がライブの時はお客さんの反応によって自分のテンションが変わるって言っていたのを聞いたんですけど、今回お客さんがいないなかでどうやってテンションを上げるというか……盛り上げるんですか?」
山口「あのですね……多分、盛り上げないです。目の前にお客さんがいて楽しんでいただくような形のライブパフォーマンスは、お客さんがいないので多分出来ないと思うんですね。なので、観ている方々が集中できたり、ハッピーになったり、体を動かしたくなるようなライブ演出だったり、自分のパフォーマンスに持っていこうと思うので……ミュージックステーションにサカナクションが出ているのを見たことがありますでしょうか?その、音楽番組に出ている時の自分っぽさが一番出てくるのかなという形になりますね。なので、僕らが緊張している時には観ている方にも緊張が伝わるだろうし、僕らの緊張が解けた瞬間には皆さんの緊張が解けてハッピーになったりすると。リアルタイムに同じ時間を共有しているっていう緊張感や高揚感みたいなものを感じてもらえるし、アーカイブでそれを後から観ても、一緒に共有できるような状況になるのではないかと思っています。」
おさかなかな「ありがとうございます。」
山口「他にはございますか?」
おさかなかな「オンラインライブをやる上で、サカナクションのメンバーやチームサカナクションのスタッフの方と対立したことはありますか?」
山口「あー……対立したことはないですね。むしろみんな早くオンラインライブをやろうっていう状況ではあったので。ただ、普通にオンラインライブはやりたくないっていうのを僕が言っていたんですよ。ホールを使ったりライブハウスを使ってのオンラインライブをやろうっていうのは、僕はちょっと嫌だなっていうのを言っていて。新しい表現としてオンラインライブを活用するのであれば是非やりたいっていうことでお話をした時に、みんなはすぐ賛同してくれましたね。ひとつ対立したところがあるとすれば、日程ですね。僕は9月に入ってからやる方が良いって思っていたんですよ。ちゃんと準備をしなければ良いパフォーマンスが出来ないなって……僕らはずっと5人揃っての演奏をしていなかったので、セッションをしてどんなプレイが出来るのかっていうのを体験したかったので、その猶予期間がほしいと思っていたんですけど。そこだけは対立というか……実は、9月に普通にコンサートが出来るかもしれないっていう噂が流れていたんですよ。マスクやフェイスシールドをすればお客さんを普通に入れてコンサートができるようになるかもしれないっていう。そんな状況で9月にオンラインライブをやっても意味がないよねっていうことだったんですよね。ただ、また状況が変わって、結局みんなライブがキャンセルとかになって、9月もそういう状況じゃないよねっていう話になったので、最終的には9月でもよかったんですけど、そこでスケジュールを切ったので、そこで走らせることになりました。なので、内容に関する対立はございません。よろしいでしょうか?」
おさかなかな「ありがとうございます。」
山口「では、次の方いってみましょう……カタマリさん、どうぞ。」
カタマリ「はい。オンラインライブを家で視聴するにあたって、推奨されるオーディオ環境はあるんでしょうか?」
山口「一番いいなと思うのは、イヤホンないしヘッドホンで聴いていただけるのがいいのかなと思っています。しかも、ヘッドホンもできるだけ低音の出力があるもの……シャカシャカするものではなくて、低い音を出力するヘッドホン(やイヤホン)で聴いていただくと、迫力が出るかなと思っています。iPhoneに付いてくるイヤホンも実は結構低音が出るんですね。なので、あれでも十分楽しんでいただけるかと思います。100〜200円のイヤホンでは楽しめないかなっていう感じはありますね。できれば、ヘッドホンの低音がグンとくるやつ、ダーンとくるやつがおすすめですよ。」
カタマリ「ありがとうございます。」
山口「では、次の方いってみましょう。あおむらさん、どうぞ。」
あおむら「Twitchでオンラインライブについて説明されたと思うんですけど、その時一郎さんが『ライブの感想を擬音で例えてほしい』っておっしゃっていて。一郎さんがこのライブを擬音で例えるとしたらどういう擬音になりますか?」
山口「ふふふ(笑)。そうですね……じゃあ、今から僕が擬音でライブの始まりから終わりまで表現しますね。」
『……あぁ……、あー……!はー……!あっ。……うん!うん!うん!……うわぁぁ……神様……神様……!あぁ……楽しい。うん、楽しい!楽しい!……えい!えい!えい!えい!えい!……ほんわか……ぐん!!!』
山口「……っていう感じですね(笑)。」
あおむら「(笑)」
山口「これね、オンラインライブを観ていただいた後に、僕のこの擬音をもう1回聞いていただくと、非常にこと細かくやっているのがわかると思いますので。……非常に細かくやりましたのでね。改めて今の擬音を聞き直していただけたらなと思います。」
あおむら「はい、ありがとうございます。」
山口「擬音っていうか、『神様……!』って言っちゃってましたけどね。ふふふ(笑)」
あおむら「(笑)」
山口「他にございますか?」
あおむら「はい。私はこのオンラインライブが初めてのサカナクションのライブなんです。ほとんどの人は普通のライブが初めてだと思うんですけど、オンラインライブが初めてってなると、次に観るオンラインじゃない普通のライブってどんな感じに見えると思いますか?」
山口「え!初めてなんですか?ありがとうございます。それはね……やっぱ普通のライブが最高って思うと思います。ふふふ(笑)。リアルに目の前に本人がいて、同じ時間を共有している音楽が好きな人たちと一緒に踊るっていうあの感覚は、何にも代えがたいと思うんですけど……ただ、オンラインライブっていうものの性質をちゃんと理解して、そこで楽しさや感動を得た上で、生のライブを体験するっていうのは、また違った意味で生のライブの感動を得られると思うんですね。なので、きっとあおむら記者だけではなくて、サカナクションのライブをオンラインライブで観るのが初めてっていう方がたくさんいると思うんですよ。そういった方たちに、実際生で観てみたいって思っていただいたり、オンラインライブはオンラインライブで素晴らしかったと、ちゃんと新しいクリエイティブ、表現としてなんら遜色ないと……グレードが落ちたものじゃなくて、別の表現なんだという風により感じてもらえるんじゃないかと感じております。」
あおむら「はい、ありがとうございました。」
山口「では、他の記者のかた……あすかにじゅうまるさん、どうぞ。」
あすかにじゅうまる「今回のライブの演出を決める話し合いと、普段のライブの演出やセットリストを決める時の変化はありましたか?」
山口「それはね……非常にありました。普段のライブだと、ステージの上でどういったことを変えるか、どんな演出をするかっていう、ステージ上での考え方が多いんですけど、ステージの枠を飛び越えるっていうことは、考える上で非常にカロリーが高いんですね。なぜかというと、客席をつぶしてしまわないといけないので、動員が減ったりするので、調整しなきゃいけないところが出てくるんですよ。あと、機材も非常に増えてくると、その分予算もたくさんかかりますし。あと、普通のツアーは東京だけじゃなく全国を回るわけですから、全部の会場のステージの大きさはバラバラですよね。客席の数も。なので、普通のツアーは全部の会場でできる演出っていうのを考えないといけないんですね。でも、オンラインライブだと、その一発、その瞬間のためだけに考えるっていうことと、客席がないっていうことなので……ステージ以外のところにどんな演出をするのかというところを自由に考えられるというのが非常に面白かったですね。あと、いろいろオンラインライブのことを議論する上で、やっていることが何に近いかなって思ったら……ミュージックビデオでしたね。ミュージックビデオを作るっていう時の考え方に非常に近かったです。もちろんライブっていうもののフォーマットを踏襲しながら、どう裏切るかとか、どんな風に考えてもらうかとか、どんな印象を持ってもらおうかとか……。あと、ミュージックビデオって、例えばかっこつけて僕らの顔の半分だけを映して歌っているとか、ライトが片方だけ暗くなっているとかを計算してやるんですけど、そういったことがライブでも出来るんだなっていうことが分かりましたね。それは非常にライブとは違う演出の考え方になりました。」
あすかにじゅうまる「ありがとうございます。」
山口「他にもありますか?」
あすかにじゅうまる「この間、一郎さんが配信ライブの予算のお話をしていたのを聞いたんですけど、一番こだわった場所やお金をかけた場所を教えてもらいたいです。」
山口「そうですね……一番お金がかかったところかどうかは分からないんですけど、普通のライブとは全然違うところでお金がかかったのは、カメラマンと照明。普通のライブの照明って、ステージの上に照明を組むだけじゃないですか。でも、今回はミュージックビデオを作るチームだったり、皆さんがよくテレビで見るCMとかを撮るチームがカメラマンや照明として入ります。ライブっていうのは、音に対してどういう風に光を見せるかだけど、CMとかミュージックビデオは、光と映像へのカメラの具合で表現するんですよ。絵、画像を表現するっていう部分でのチームが付加されたっていうのは、今まではかからなかった部分にお金がかかっているなっていうところですね。あと、セットですね。セットの部分も普通のライブではないセットなので、そこも非常にお金がかかったかなと……力が入っているなと思っています。多分、見たことがない感じになりますよ、確実に。鳥肌立つポイントは、5カ所くらいあると思う。あと、『一郎さん、かわいいー!』っていうところも2カ所くらいあるかな(笑)。かわいい、かっこいい、踊り方ダサいっていうところも……いろいろあるから。」
あすかにじゅうまる「(笑)」
山口「あと、メンバーもね。僕がサカナクションの中で表に立つ役割の人間なので、皆さん僕の動きはよく見れていると思うんですけど、メンバーの姿だったり、動きみたいなものだったりも非常に今回はかっこよく見られるのでね。その辺も楽しみにしていただけたらと思います。」
あすかにじゅうまる「はい、ありがとうございます。」
山口「それでは、他の記者の方どうぞ……では、足の生えたカタツムリ記者。」
足の生えたカタツムリ「はい。オンラインライブをやるにあたって生じるデメリットってあるんですか?」
山口「デメリットはいろいろあると思います。やはり、オンラインライブっていうものがライブができない中で主流になっていくと、ライブスタッフの方たちの収益みたいなものが非常に減るんですね。なぜかというと、ツアーだと例えば10公演とか、多ければ20公演、30公演ってやるわけじゃないですか。ライブスタッフの方たちは、1公演ごとのギャランティなので、数多くやればその分収入になるわけですよ。でも、オンラインライブって1回やればいいわけじゃないですか。1公演やれば済んでしまうと。次にオンラインライブをやるとなると、演出を変えたりセットリストを変えたりしなきゃいけないわけですよね。なので、そこで違う経費がかかってきたりするので、なかなかたくさん公演をやれないと。逆に、あんまり演出も凝らずにセットリストだけを変えてライブをやっていくと、オンラインライブ自体の魅力がなくなっていくというか。慣れてきちゃって、別に観なくてもいいものになっていっちゃうんですね。なので、ある種レアなものであるというような要素も付加しつつ、回数もやっていかなきゃいけないっていうのはオンラインライブの特性だと思います。それでは音楽業界でのスタッフたちをまかないきれないというところが、オンラインライブのデメリットとしてはあるかなと。普通のライブのオプションっていう意味では非常に魅力的だけど、それがメインコンテンツとして考えていくと非常に苦しいなって思いますね。ただ、僕はメリットの方が多いと思いますけどね。皆さんはまだ分からないと思うんですけど、結婚されて、子どもができて、子どもの世話が大変でライブには行かなくなったとか、音楽を聴かなくなったとか……そういう方もたくさんいらっしゃるんですね。そういう方たちが、オンラインライブがあることでまたライブに戻ってこれたりとか、ライブを観れるっていう感動を得られることとか、ひとつのチケットで、みんなで観られるとか……そういうことができるようになるっていうのは、オンラインライブでのひとつの魅力かなと。今、経済的な面と音楽業界のことを考えると、新しいコンテンツを増やすっていうことにおいてメリットは非常に多いかなと。あと、こういう状況においてみんなが安全に観られるっていうのはね。」
足の生えたカタツムリ「ありがとうございます。」
山口「ということで、本日の記者会見はこのあたりで締めさせていただきたいと思います。記者の皆さま、非常に有意義な質問をたくさんありがとうございました。」
参加してくださった生徒の皆さん、ありがとうございました!ここで、オンライン記者会見は終了です。
山口「いやー……やっぱりね、質問の内容がみんな的確だよね。仕込みは一切なしだからね。なのにこんなに真面目な生徒が集まって、質問をくれるというのは……本当にいいファンが多いなっていうことを感じました。ありがたいですね。これからも応援してもらえるように頑張らなきゃいけないなとつくづく思っています。改めてになりますが、明日からライブストリーミング公演『SAKANAQUARIUM 光』が開催されます。チケットは前売りの販売期間が終わってしまって、当日券になってしまいますが、初日が歌詞なしの配信で、2日目は歌詞が表記される歌詞ありの公演になっています。どっちも生放送なので、全く違うものになると思います。普通のライブ配信とは違って、"ライブミュージックビデオ"っていう言い方を僕らはしているんだけど、オンラインライブだからこそできる充実した新しい表現になっているので、是非みんなに目撃してもらいたいなと思います。一人でぐっと観るのもいい。家族で観るのもいい。感想を [ サカナLOCKS!掲示板 ] に書いていただけたらと思います。よろしくお願いします。」
『SAKANAQUARIUM 光』特設サイト [ →コチラ!]
聴取期限 2020年8月21日(金)PM 22:00 まで