想い

長渕LOCKS! 2015.3.21 土曜日

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校長「失礼します!」

長渕「おう校長!」

校長「剛先生!早速ですけど、ツアーの状況はいかがですか?」

長渕「ウソつきたくないから言うけど、この収録をしてる時点では、まだ初日の市原が終わって3日しか経ってないんだよな。でも初日から強烈なものを感じてるよ」

校長「強烈なもの・・・というと?」

長渕「うーん・・・上手く言えないんだけど、富士に向かっていく気持ちというか、言葉にできない強烈なものが自分の中に押し寄せてきている感じがするんだよ」

校長「なるほど・・・」

長渕「富士に向かうという気持ちを込めて『富士の国』という新曲も作ってね、なんとかツアー初日に間に合ったというか、みんなの前で披露することができたしね」

校長「僕はまだツアーを見させていただいてないんですけど、この曲についてはネットでも情報が上がってましたよね。初日に披露して、今のお気持ちはいかがですか?」

長渕「いや、まだまだって感じだね。もっともっと内容を詰めたりね、僕らは『詩を叩く』って言い方をするんだけど、まず完成した曲っていうのは机上の絵空事でね、なかなか心に突き刺さらないんだよね。なぜか分からないけど創作という作業は『なぜ自分はこんな曲を書いたんだろう・・・』っていうダメ出しが必要なんだよ。なぜダメ出しがあるかというと、自分の中でまだ納得できてないことがあるからなんだ。もっと俺はこういうことを言いたい!これを伝えたい!という気持ちがあるからなんだ」

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校長「作り立ての時は100点に到達してないということですね」

長渕「そう。そしてね、自己採点に厳しくなきゃいけない。そのためには聴いてくれるみんなの存在も必要なんだ。でも市原で披露した時に、みんなの目を見ていたら本当に真剣に曲を聴いてくれた。耳で歌詞を見るという感じがしてさ、あぁ、これは届くものを作り上げていくことができるなって思ったよ」

校長「この曲がさらなる進化を遂げていくんですか」

長渕「そうだね、聴いてくれる人たちに揉まれていくからね。みんなに聴いてもらって、みんなから命を吹き込んでもらえる曲になるかどうか確認していく作業がこれからも続いていくね」

校長「この授業が放送された段階では、次のツアー会場は来週火曜日の岩手!行くという生徒はぜひ自分の目で、耳で『富士の国』を全力で体感して欲しい!では剛先生、今夜も授業を始めていきましょう!」

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長渕「よし!じゃあ今日も点呼からいくぞ!名前を呼ばれた生徒はその場でしっかり返事をするように!」

長渕【 鳥取県 16歳 男の子 ラジオネーム ゆうごろ 】!
【 広島県 14歳 女の子 ラジオネーム 合唱少女のとみー 】!
【 大阪府 16歳 男の子 ラジオネーム ゆうとpool 】!
【 千葉県 17歳 男の子 ラジオネーム ISSA#22 】!
【 北海道 16歳 男の子 ラジオネーム GGのぶ 】!

長渕「以上!全員出席!!! それでは授業を始めていくぞ!!!!!!!!!!!」

さあ、今夜も“炎の生活指導室”から長渕剛先生ととーやま校長がお届けする『長渕LOCKS!』!!!
今夜は『TSUYOSHI NAGABUCHI HALL TOUR2015‘ROAD TO FUJI’』の話からスタートしたが、このツアーが始まったということは、長渕先生は8月22日のオールナイトライヴに向けて本格的に走り出したということ!

校長「ツアーが始まったということで、剛先生は8月22日に向かって本格的に走り始めたわけですけど、今の心境ってどんな感じなんですか?」

長渕「うーん・・・やっぱりピリピリするよね」

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校長「ピリピリ、ですか」

長渕「ツアーが始まってやっぱりピリピリしてるね。なんだろうね、『俺、これで最後になるんじゃないかな』っていう恐怖もあるというかさ」

校長「そのお話、以前もしてましたよね。オールナイトライヴはこれが最後になると」

長渕「いや、オールナイトだけじゃなくて、長渕剛というものが最後になるというか、終わってしまうんじゃないかなっていうぐらいの恐怖だよ」

校長「・・・え?」

長渕「本当にそんな気持ちになる時もあるんだ。実際8月22日が終わってみたらさ、また違う目標に向かって動き出すかもしれないけど、現時点ではそういったことも頭をよぎるよね。ツアーの初日を迎えてそういった想いがより色濃くなったかな」

校長「桜島の時はそういった想いはよぎったりしたんですか?」

長渕「あの時は俺もまだ若かったからね。親父も生きてたし、『やってやるぞ!』『いくぞテメェら勝負だぞ!』っていう攻めの姿勢が強かったよね。でも自分も60歳を目前にしてさ、さらに富士を目の前にしてみると・・・やっぱり富士には母性があるというか、お母さんだなって感じるんだよな・・・」

校長「お母さんですか」

長渕「その富士に立ち向かうことを考えるとさ、『テメェこの野郎!』とはならないんだよ。この前、雪の降る時にふもとっぱらの会場に足を運んで、富士を見つめながら拳を上げてみたんだけどさ、やっぱり11年前の自分の感情とは全然違うよね。おそらくみんな来てくれるだろう・・・という祈りに近い感情と、人間が束になってお母さんに向かって、気持ちをひとつにしたいという気持ちっていうかな。これはもう祈りを捧げる儀式なのかなっていう気がしてさ」

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校長「なるほど・・・」

長渕「じゃあ何の祈りなんだよ?ってなった時に思うのは、俺達みんなで幸せになんなきゃよ!幸せにしてくれよ!っていう祈りなのかな。ていうことは、今幸せじゃないと思うんだ、俺も、ラジオを聴いてるみんなも、父母も、おじいちゃんもおばあちゃんも、先祖も。みんな幸せじゃないんだと思う、勝手ながらね。そういう風に思わざるを得ないというか。特に震災を経験してね、俺たちが知らなかった現実をつきつけられたじゃない?負の遺産であるとか、国に対する不平不満も沢山あるし。僕らはそんな負のオーラに包まれながらも、我々民衆の力、人間の力は素晴らしかったと思える希望もあったじゃないか。みんなで支え合ったりとかさ、自衛隊の方々の行動とかさ・・・そういったものが僕らにとっても励みになったし、そういったことができるのだったら、もう一回日本を信じてみようという気持ちになれるんじゃないかってね。その時、純粋に思ったのが『俺ら、幸せになろうよ』ってことなんだよ。じゃあ幸せを勝ち取るためにはどうしたらいいのか?その機運を富士のライヴで得るためにはさ・・・戦うって攻めの姿勢とか、戦うとかじゃもはやないと思うんだよな。おいで、って言ってくれている富士に、安らかな母性にさ、今の僕らの不安や恐れを抱きしめてもらいたい、そう思うよね。それが一夜の祭典としてふもとっぱらに集まった時に、僕らが束になって『幸せにしてくれよ!』と富士に向かって叫びたい。幸せを願って一晩中歌い続けて、みんなで共に朝日が昇るのを見つめてさ、幸せになって欲しい!幸せであれ!って気持ちをひとつにしたい。俺はそのために生まれてきたんじゃないか、そのために父母は俺を産んで育ててくれたんじゃないかなとすら思えるんだよ、大げさかもしれないけどね」

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M HOLD YOUR LAST CHANCE 2014 / 長渕剛

校長「僕、これまでは8月22日を迎えるのが怖いと思う部分があったんですよ。それはなぜかというと、8月23日以降の剛先生が想像できなかったというか、もう日本の最高峰に挑むわけじゃないですか。それを終えたら剛先生が灰になっちゃうんじゃないかって、本当に終わってしまうんじゃないかって思ってたんです。でも今のお話を聞いてて、8月22日が終わりじゃないんだなって、そこから新しい場所に、新しい世界に到達することができるんじゃないかって思いました。新しい行動や新しい思考が生まれたりとか、当日集まってくれる全ての人に、もちろん剛先生にも新しい何かが芽生えるんじゃないかなって思えてるんですよね」

長渕「いつの時代もね、時代が変わる時は犠牲者が出るものなんですよ。犠牲者っていうか、犠牲的な精神を持った人が現れるっていうほうが正しいかな。そういう想いがなければ時代は変わらないですよ。その想いをどれだけ真剣に思い続けることができるか・・・こういうことを口に出して言うと、陳腐に聞こえてしまうから嫌なんだけど、これを聴いてくれている10代はもちろん、これまで自分の音楽を愛してくれている仲間、つまりファンのみんななら分かってくれるんじゃないかなって思うよ。とにかく今の自分は『変えたい!』という想いだけだね。自分自身がどうやって灰になっていくのか、それはもう当日にならないと分からないけど、次のバトンは若い10代の連中が引き継いでくれると思ってるんだ。だったらさ、しっかりバトンを渡すためには俺もしっかり灰にならないと。そういう意味では8月22日はバトンを渡す58年の集大成っていうかな、これまで全国各地で歌ってきた中で得た僕の歌を愛してくれた人達が富士に集って、幸せを願う祭典にしたいね」

校長「・・・剛先生、ちょっと黒板書かせてもらってもいいですか?」

長渕「ん?いいよ」

校長「ちょっと今のお話を聞いて思ったことを書かせてもらいます」

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校長「長渕LOCKS!、2014年10月から始めさせていただきました。剛先生を炎の生活指導担当として迎え、10代のみんなと、そして剛先生の音楽を愛してくれている大人の方々と授業を行ってきたんですけど・・・最初は半年間限定ということで始めさせてもらって、実は言ってなかったんですけど、今日の放送が最後だったんですよね」

長渕「そうだね。来週も土曜日はあるけど休講って前に聞いてたから」

校長「そうなんですよ。でも・・・嫌ですね、終わるの」

長渕「(笑)」

校長「あの〜、終わりたくないです。それは今までの剛先生の言葉とか、楽しいこと、たくさんあったし、それを俺はここで終わらせたくないっていうのと、長渕剛っていう男の生き様をですね、8月22日にどのように向かっていくのかということをね、僕はまだまだ見ていたいです。それは僕もそうですし、職員もそうです。これ、剛先生に言うことじゃないんですけど、長渕LOCKS!の収録が終わった後、毎回職員と一緒に話すんですよ・・・『あの男は何なんだ?』と。『あんな大人会ったことない』と。僕らもいい大人ですけど、剛先生に出会って色々変わってます。人間というものが確実に変わってるんですよ。僕35歳、こんなにもまだ変われることがあるのかってぐらい、自分の中で地殻変動みたいなものが起こって・・・僕の発する言葉も変わりましたし、行動も変わりました。これ、聴いてるみんなも絶対そうなんですよ。長渕剛という人間に出会って、心臓を鷲掴みにされて、どんどん変わっていってるんです。そしてこれからも変わっていきたいと思うんですよ」

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長渕「なるほどね・・・校長さ、今の言葉めちゃくちゃ心に染みるんだけどさ、分からないんだよ、俺」

校長「分からない?」

長渕「このラジオを聴いてる連中は10代が多いんだろ?この番組をやらせてもらって、校長や職員と出会うことができて俺、実はすごい幸せなんだよ」

校長「それは僕らもですよ」

長渕「ただラジオを聴いてるみんながね、本質を出しているかどうか。俺が10代の頃はもっと生き急いでたと思うんだ。死にたいほどに生きようと思ってたから、もし当時の俺がこのラジオを聴いてたら、もっともっと熱を持って挑んだんじゃないかって思うんだ。生徒のみんなが挑んでないとは言わないけど、みんなは本当にわかってんのか?って思うんだよ。10代のお前らさ、お前らが次の時代を背負ってくんだぞ!俺も校長も職員も、俺ら大人はお前らに媚売ってるわけじゃねぇんだよ。オマエらが次の時代を背負ってくためにはさ、例えば政治にも興味出せよ、学校の先生の教育にも不可思議さを持てよ。言わせてもらえばここは親切な学校なんだよ。いや、親切すぎる学校だよ。校長も職員も本当に熱い気持ちを持って10代の生徒のことを愛して、優しく包んでくれている。それに10代のお前らは甘んじてんじゃねえのか?俺も校長も職員も、この授業では本当に熱い気持ちを持ってお前らにぶつかってるつもりだよ。だったらさ、お前らも口笛吹きながら聴くんじゃねえよ。10代の魂だったら『こんなに信じられる大人もいるんだぞ』ってもっともっと感じて、それを10代特有の感受性というフィルターを通してお前らがキャッチしたら、キャッチした答えを返して欲しい!そりゃ今までも返してくれてるよ、それは本当にありがたいことだけど、僕はまだ不満ですよ校長。まだ足りない。答えの中にはもっと否定的な意見もあっていいはずなんだ」

校長「・・・・・・」

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長渕「だからさっきの校長の話はものすごく心に染みたよ。俺はさ、この長渕LOCKS!をやらせてもらうにあたっては、レコード会社のプロモーションで動いたんじゃないんだよ。10代の連中と本気で話したい、10代の連中に伝えたいことがある、その気持ちで動いたんだ。この想いをキミたちが本気で受け止めてくれているなら、もっと真剣な、もっと強烈な次の時代を創っていく若獅子になれ!そしたらここには俺がいる!校長もいる!職員もいる!俺らのところに本気で飛び込んでこいよ!もっと号泣しろ!もっと怒れ!怒りを持て!健全な暴動があっても俺はいいんじゃないかと思う。社会の理不尽に対する暴動!学校の理不尽に対する暴動!そして自分たちの将来に対する暴動!ささやかな暴動でもいいよ。様々なものに対する不平不満や怒り、悲しみ・・・色々あるよ。ただそれを述べるだけじゃダメなんだ。答えを持て!答えを持って俺たちのところに飛びかかってこい!答えなき不満はただの屁理屈だからな。間違ってもいいから答えを持て!そしてしくじれ!生活指導の立場からね、長渕剛はキミたちにこれを伝えたい。大好きだから、君たちが。これからの日本を作っていくんだからな、君たちが」

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M 何故 / 長渕剛

長渕「もういいんですよ、我々の世代は。10代が考えなきゃダメなんだ」

校長「そうですね」

長渕「僕はそれを切に願いたいですね。10代が怒りを覚える。怒りを覚えるってことはそこに真実を見抜く力が備わる。10代にはその力が絶対にあるんだよ。それが宝物なんだ。それが大人になったときに未来を創っていく力になると思うんだよね。これはもう俺の遺言だと思って聴いてくれ(笑)ホントにね」

校長「(笑)」

校長の黒板を受けて、10代に向けて、そしてSCHOOL OF LOCK!にも向けて今の想いをぶつけてくれた長渕先生。この話は僕たち職員にとっても真剣に受け止めなければいけないものだと強く感じました。親切すぎる学校、ということに対して何も言い返せないのは本当にこの学校が親切すぎるんだろう、と。

親切ということは良いことだけど、それが過ぎるものになってしまった時に、果たしてそれは良いことなのか。受け取る方にとってはウザく感じることもあるだろうし、都合のいいように使われてしまうこともあるかもしれない。その人のことを本当に思うのならば、親切すぎることは決して良いことではない。
時には、先ほど流した『何故』の歌詞のように激しく向き合うことが必要なんだろうし、本当に信じ合えている者同士ならば、激しく向き合ったとしてもその絆は決してちぎれない。学校や大人に対して不満を抱えている10代がもしこのSCHOOL OF LOCK!を聴いてくれているのならば、わが校と生徒の関係は長渕先生が話してくれたような形であるべきだと思う。彼らのまわりにそうしてくれる大人がいないのならば。

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長渕LOCKS!は4月からも続きます。キミたちともっと向き合っていくために。みんなと一緒に泣いて笑って怒って、そして8月に富士でひとつになるために。そのために長渕LOCKS!は4月から新たなステージに入ります。

その名も『SCHOOL OF LOCK! Sunday 長渕LOCKS! 〜ROAD TO FUJI〜』

Sundayという名の通り、時間割が土曜日から日曜日に移動。そして、授業は23時30分から行います。
この時間は1週間が終わる間際。
月曜日から最高のスタートを切るために、キミたちの魂を着火する授業をしていきます。

そして、ここでどうしても言っておかなければいけないことは、この授業は6月いっぱいで今度こそ休講となります。長渕先生が人生をかけて挑む富士山麓オールナイトライヴの準備に取りかかるため、今回は絶対に延長ナシ。
だからこそこの3ヶ月は今以上に本気で生徒のみんなと向き合っていくので、キミたちもガンガン向かってきてくれ!!!

さあ、長渕LOCKS!ではみんなからのメッセージも待ってます!
長渕先生に相談したいことでも、怒りを抱えたヤツでも、オールナイトライヴについてアツい想いを持っているヤツでも、富士山について語りたいヤツでも誰でも何でもOK!
ぜひ【長渕掲示板】【メール】から声を届けてくれ!待ってるぞ!!!

そして最後に!
来週の授業は時間割変更にともなう教室の工事で休講!
次の授業は4月5日(日) 23時30分から!新しくなった教室で会おう!!!

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長渕語・録「10代が怒りを覚える。怒りを覚えるってことはそこに真実を見抜く力が備わる。10代にはその力が絶対にあるんだよ。それが宝物なんだ。それが大人になったときに未来を創っていく力になると思うんだ」
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