格を失う
長渕LOCKS! 2015.1.17 土曜日
校長「失礼します!」
今週も気合いが入った挨拶で炎の生活指導室にやってきたとーやま校長!
これだけ気合いが入った挨拶ができるんだったら、来週の生放送授業を休んでまで“声の鍛錬”に行く必要があるのかという疑問もありますが、そんなことは置いといて、まずはカキコミをひとつ紹介します!!!
以前長渕先生が「苦しくなってからのあと3回が大事」と言っておられるのが心に残りました。
これを聞いてから、寝る前にあと3ページだけ教科書読もう!とか、あと3個だけ単語覚えよう!と思えるようになり実践しています。
今は浪人中なので、今年こそ受かって、富士合宿に参加したいです。
長渕先生、校長先生、いつも勇気をくれてありがとうございます!
もりりん☆
女/19/富山県
女/19/富山県
長渕「(拍手)偉い偉い!」
校長「素晴らしいですね!もりりん☆はセンター試験受けてるのか?受けてるんだったら明日も頑張れよ!」
長渕「頑張れよ!いや〜、苦しい時のあと3回は大事ですよ。これは筋肉にも言えることなんですけど、あれ?そういえば校長は腕立て伏せ続けてんの?」
校長「あの〜、やってるんですけど…え〜っとですね…」
長渕「やってないよね?」
校長「いや〜、あの〜、やってるんですけど、なんていうか…」
長渕「やってるのかやってないのかどっちだよ!!!!!!!!(怒)」
校長「!!!」
長渕「…どっち!?」
校長「あの…毎日はできてないです」
長渕「だからやってないでしょ?」
校長「いや、年末年始すごく忙しくてですね…」
長渕「継続は力なりですよ。それはやってないと同じです」
校長「いや、でもですね」
長渕「校長!言い訳はナシにしよう。俺ら生徒に嘘をつかずにやるって言ってるんだからさ、正直にいこうよ」
校長「すみません!やってません!」
長渕「あの〜、校長ね。今年は腕立て伏せやらなくていい」
校長「え?」
長渕「どうせやらないんだから(断言)」
校長「ちょっと待って下さい(笑)」
長渕「失格です」
校長「………(笑)」
長渕「笑い事じゃないよ!!!(笑)」
校長「すみません!…失格、ですか。。。」
長渕「久しぶりに聞いたでしょ、失格。格を失うと書くんです」
校長「1回だけチャンスもらえないでしょうか!」
長渕「今日日、そういう方が多いですね。チャンスは普通1回きりですよ。もう腕立てはいいんです、校長。今年の目標、新たに設定します」
校長「え?新たに?」
長渕「…スクワット1000回」
校長「…う、腕立てにしてもらえませんか(汗)」
長渕「ダメです。俺も一緒にやるから。やるの?やらないの?」
校長「…やります!!!!!!!!」
長渕「よし!それじゃあ今夜も授業を始めていくぞ!!! 今夜もまずは点呼から!名前を呼ばれた生徒はその場でしっかり返事をするように!」
長渕「 【 広島県 18歳 男の子 ラジオネーム DFMO 】!
【 山形県 15歳 女の子 ラジオネーム はんなりボンバー 】!
【 山口県 18歳 男の子 ラジオネーム たけにい 】!
【 愛媛県 17歳 女の子 ラジオネーム 千尋@cheese 】!
【 大分県 19歳 女の子 ラジオネーム 文乃】!」
長渕「以上!全員出席!!! それでは授業を始めていくぞ!!!!!!!!!!!」
とーやま校長の今年の新たな目標は『スクワット毎日1000回』!!!!!!
実はここに至るまでにはもっと長い長いやりとりがあったのですが、ここでは簡略化させて頂きました!
もしキミが街でとーやま校長を見かけたり、校長と逆電で話す機会があったら「今日はスクワット1000回やりました?」と聞いてあげて欲しい!
そして念のため言っておくが、長渕先生はとーやま校長に「失格」と言ったことをものすごく後悔し、悲しんでいた!その事をとーやま校長に伝えてしっかり話し合い、最終的には共にスクワット1000回やることを約束!生徒のみんな、人に対して気軽に「失格」なんて言っちゃダメだぞ!
それでは今夜も授業を始めていこう!
先週の授業で「昔10代だった大人生徒の相談も聞いてみたい!」と呼びかけた長渕LOCKS!だが、その後、本当にたくさんのメッセージが届いた!送ってくれた大人生徒のみなさん、本当にありがとう!! 今夜はその中から、この大人生徒に電話をつないでみたい!
剛先生、校長はじめまして。
私は40歳になるアラフォーの男子です。
剛さんのご意見を聞けたら幸いと思いメールさせて頂きました。
私には今付き合って約半年になる彼女がいます。
私は10年前バツイチになり子供はいませんでした。
彼女は7年前に離婚し、今8歳になる男の子がいます。
しかしながら、その子供は、親である母親にも物を言わず、ひねくれた子供で、私も会った事ありますが、勿論私にも心を開かず、ある時母親である彼女に子供が一言、言ったそうです。
「僕、お父さんいらない」って。
それを聞いた私は、子供とも壁を作ってしまい、子供も私に壁を作ってしまっている感じです。
彼女も母子家庭で、自分なりに7年間子供を育ててきて、私と出逢い、それからというもの、今、私と子供の間に壁がある状態で、彼女は実家に住んでおり、何度か子供は叔父叔母に預けて、彼女と二人で会ったりしてきました。
叔父叔母に負担をかけているものありますし、勿論、私もいつまでもこのままではいけないと思っています。
彼女に子供がいるという事を理解してお付き合いするようになりましたが、どうしてもその壁が乗り越えられずにいます。
こうへい
男/40/愛知県
男/40/愛知県
長渕「ややこしい相談だな…これは話を聞いてみないとわからないな」
校長「では電話してみましょう。もしもし!」
こうへい「もしもし」
長渕「こうへい、お前、ややこしい人生歩んでるな」
こうへい「そうですね…よろしくお願いします」
長渕「一番悩んでいるのは何だ?男の子のことか?」
こうへい「はい。どのように接していったらいいのかというか、どうしたら僕と彼の間にある壁を越えられるのかなと」
校長「その子とは何回会ったことがあるんですか?」
こうへい「彼女とは友人の紹介で知り合ったんですけど、その時にその子とも会って、それを含めて半年で2回ですかね…もう5ヶ月近く会ってないです」
長渕「その母親というか、彼女さんとは何回ぐらい会ってるんだよ?」
こうへい「まあ、月に1度会えるか会えないかですかね」
長渕「それでも子供と会った回数より圧倒的に多いわけだよね」
こうへい「はい」
長渕「その子は8歳だろ?じゃあ例えばさ、こうへいが8歳のガキだとしようや。知らないおじさんが来て何して欲しい?」
こうへい「………やっぱり…遊んでほしいとか…単純かもしれないですけど」
長渕「…遊んでやればいいじゃん。もっといっぱい。遊んで叱ってさ」
こうへい「…はい」
長渕「俺思うんだけどさ、自分が8歳のガキだった頃のことを思い出してみるといいと思うんだよね。やっぱり大人の事情って色々あってさ、子供の純粋な眼差しって俺ら大人にとってはまっすぐ見れないところもあったりするじゃねえか。その純粋がゆえの、自分がもしかしたら悪いことしてるんじゃねえかな?みたいな罪悪感に似たような感情っていうかさ」
こうへい「はい」
長渕「でもこうへいはさ、彼女も子供もまるごと結婚を前提として育てていこうと覚悟してるんだろ?」
こうへい「はい」
長渕「だったらちゃんと子供に『お母さんと会っていいかい?』って仁義を通すのがいいと思ったな、俺は」
こうへい「そうですね…」
長渕「俺がもしその子供だったらやっぱり思うよ、『またお母さんいないのか…こうへいおじちゃんと会ってるのかな。今までは僕だけのお母さんだったのに。なんだよこのこうへいは。なんだよこのジジイ』みたいに思っちゃうよ。だから8歳の子の立場になって考えることが大事なんじゃないかなと思うな、俺は」
こうへい「はい」
長渕「きっとさ、俺も『お父さんいらない』って言っちゃうと思うよ。それが純粋無垢な母子家庭で育った少年の当たり前の感情って気がするんだよな。それを含めてお前がさ、大きな愛で一家丸ごと愛していくっていう覚悟を決めたんだったら、そういうものをマイナスの要因としてではなく、正しい少年の主張と捉えようぜ。そしてその子に向き合うために必要なのが仁義だよな。『仁』と『義』は大事ですよ。『仁』は心の部分。『義』というのは態度の部分。その仁と義を持って、こうへいが子供の目線に立つ!40歳と8歳が向き合うんじゃねえんだよ!こうへい8歳!ガキも8歳!この8歳同士が同じ目線の高さで仁と義を大事にして生きていくことが大事だよ」
こうへい「はい!」
長渕「そうして努力していくことでお互いが大切な存在になっていく。その子供には父ちゃんがいなかったんだぜ?本来あるべきものが半分欠落してるんだよ。それを埋めるということはとても大変だよ。そのためには本当にお前、努力しないといけないよな」
こうへい「はい」
長渕「それだけ大変な努力を積み重ねていかなければいけないものがさ、半年やそこらで何の結論が出るんだよ?そうだろ?」
こうへい「はい。同じ目線でしっかり向き合う…これを大事にしたいです」
長渕「前もラジオで言ったけどさ、人間は誰しも何か欠落している生き物だと思うんだよ。その欠落した部分を埋めていく、埋め合っていくという気持ちでいくとね、少年が『お父さんいらない』って言ってるのは反語だよ」
こうへい「反語、ですか」
長渕「額面通り受け止めたらダメだよ。その言葉の裏には必ず悲痛な叫びがあるはず。『お父さんなんかいらない』という裏には『お父さんが欲しい!』という叫びがあるはずなんだ。その子がそういった気持ちを抱えているということをしっかり心に刻んで向き合わなきゃいけないぞ」
こうへい「はい」
校長「こうへいさん、僕はこうへいさんの5歳年下なんですけど、僕は毎日ラジオで10代の生徒と向き合わせてもらっていて、その経験から感じることなんですけど、たとえ相手が8歳であろうが70歳の方であろうが、こっちが本気で向き合ったら相手も向き合ってくれると思うんですよ。向こうに受け入れて欲しいとか、心を開いて欲しいというよりも、まず自分が相手を受け入れよう、心を開こう、という気持ちになることから何かが始まるのかなと思いました。すみません、偉そうなこと言って」
こうへい「いえ、ありがとうございます。僕もなんだか難しく考え過ぎていたのかもしれません…大人と子供ではなく、本当に同じ目線で、相手の気持ちになって接していくことを忘れてしまっていたと思います…」
校長「やっぱね、剛先生。色々考えてしまいますよね。ご自分も一度離婚されているということもありますし。でもそういう時こそ一度シンプルに考えてみるのもひとつの手かもしれませんよね」
長渕「そうだな。あのさ、寂しさってこうへいも感じるよな?」
こうへい「はい」
長渕「ひとたび男と女がひとつになったと思ったらさ、こうへいも離婚を経験して1人になってしまった。だったら最初から1人でいりゃよかったのにって開き直る自分と、なんで1人にならなきゃいけねーんだよって思う自分もいるよね」
こうへい「はい」
長渕「でもさ、そういう時、子供はどう思うんだろうな?こうへいの場合は子供がいなかったけど、この8歳の子とかはさ。子供には何の罪もないだろ?結局は大人の事情でくっついたり離れたりしてるわけでさ。そんな時は『冗談じゃねーよ』って開き直っていくのが子供だよね。だから正しいんだよ、子供がひねくれたって思える行動や言動は。実に正しい。正しいからこそ、そこに壁を作ってしまってはダメだよな」
こうへい「はい」
長渕「正しいからこそ自分も本気で戦っていく。戦っていく姿勢が大事ですよ。やっぱり自分が生んだ子と他人の子とは違います。だけどもそれを同じように育てていくこともしなくてもいいと思うんだ。ただ大事なことはですね、愛を育む、じゃないんですよ。これでも甘いと思う。愛を戦っていくってことです」
こうへい「はい」
長渕「愛を勝ち取るために!彼の心の中に“まんまる”の父性と母性の両輪が心のなかにどうか咲きますように…と、祈る気持ちで戦っていくんです!」
こうへい「…僕は、子供のいない時に彼女と会ってて感じることがあって、剛さんの曲にもあるんですけど“ひとときの楽しさに 思いきり身をゆだねたら…(『Myself』より引用)”っていう歌詞のような気持ちになるというか、その時は楽しいんですけど、1日遊んで帰ると何かがひっかかるんです。愛を戦うという気持ち…持ちたいと思います」
長渕「うん。その何かがひっかかるっていうのは、きっとこうへいが誠実さを求めるからだよね。誠実さを求める人間の良心っていうものが心の中にあるから『やっぱりこれでいいんだろうか』っていう気持ちが生まれるわけだからさ。だから悩んでいるうちはまだまだ屁のカッパと思ったほうがいいよ。とにかくまい進していくのだというね。俺がコンサートでいつも歌っているように。そうだ、こうへいさ、今度その子と一緒にコンサート来いよ!」
こうへい「はい!一番の理想は富士合宿に3人で行きたいです!」
校長「うわー!それメチャメチャいいじゃないですか!」
長渕「いいな!じゃあその前にまず『Myself』って歌を子供と一緒に聴いてくれよ」
こうへい「はい!」
長渕「一緒にね、ひとつのものを共有しながらね、ランランランと一緒に手を繋いで歌うっていうことをやっていくとね、心も繋がっていくものだと思いますよ」
こうへい「はい!」
長渕「頑張ってくれよ!」
こうへい「ありがとうございます!」
こうへいさんとの電話が終わり、『Myself』を聴いていた長渕先生が最後にこんなことを言っていました。
長渕「僕は最近思うよ。時っていうのは神様が生きとし生けるものに与えた平等な宝物なんだってね。時間をかけて愛を戦い、愛を育んでいく。愛を戦うためには笑いも出るし涙も出る。ひとつひとつの山を越えることを繰り返して繰り返して時をかけて愛を作り上げていく。決して楽じゃないですよ、愛に背かずに歩いていくっていうことは。だからその道を自分が選んで歩いていくのならば、神様が与えてくれた時をじっくりかけてね、愛を作り上げていけるように頑張って欲しいね」
校長「そうですね…いや、ホントに俺…こうへい君、いや、さん。いや…こうへい!こうへい!!! 幸せになれよ!ちゃんと…その彼女が好きってことと、子供のことが好きってことを伝えて!まっすぐ行きていこう!!!幸せになれ、こうへい!」
長渕「そうだ!幸せになれよ!!!」
今夜の授業を聴いてくれた生徒はどんなことを思ったでしょうか。
大人の生徒、10代の生徒では感じるものは違うかもしれません。
でも今日の授業を通して、愛に立ち向かう、愛を戦うという気持ちだけは全ての生徒に持ち帰ってもらいたいと思います。
今夜の授業を聴いた感想や、長渕先生に相談したいことがある生徒の皆さん。
ぜひ【長渕掲示板】か【メール】から声を届けて下さい。待ってます。
それでは、また来週!
長渕語・録「愛を育む、じゃない。愛を戦っていくんだ。その愛を勝ち取るために」
M. Run&Dash / 長渕剛
M. Myself / 長渕剛
M. ひとつ / 長渕剛
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