「マイナビ閃光ライオット2023』ファイナリストを副担任'sが聴いていきます!(2)」
サカナクション 2023.8.4 金曜日
聴取期限 2023年8月11日(金)PM 10:00まで
音を学ぶ "音学(おんがく)" の授業。今週と先週はこのクラスの副担任、サカナクションのドラム:江島啓一先生と、ギター:岩寺基晴先生が登場。いよいよ8月7日(月)に開催される、10代の音楽の甲子園「マイナビ 閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!」@Zepp DiverCity (TOKYO) ファイナル・ステージに出演するグループ9組をチェックしています。山口一郎先生は夏休み中でお休みです。
江島「今週も副担任'sがお送りします。一郎先生は、スイカ割りに使う大きめのスイカを探しに出かけたためお休みです。」
岩寺「スイカ見つかってないと。」
江島「まあ、見つけがてら軽い夏休みを満喫してもらいたいなと。こちらとしては思っている次第です。」
岩寺「そうだね。休んで、休んでって感じだね。」
江島「ということで、先週に引き続きまして、『マイナビ閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!』のファイナル出場者の音源を聴いて、僕たち副担任'sがミュージシャン目線というよりも、そこらへんにいる40代のおじさん目線でいろいろと感想を喋っていきたいなと思っています。前回は9組中5組の音源を聴かせてもらって、ああだこうだ喋ってたんですけれども、今週は残りの4組のアーティストの方々の音を聴いていきたいと思います。」
江島「それでは早速聴いていきましょう。まずはこちらのアーティスト、RIP DISHONOR。」
(※今回のYouTubeのリンクは全て、マイナビ閃光ライオット2023の3次審査でのLIVE映像です。)
江島「はい、シンセサウンドがイントロから流れましたね。」
岩寺「うん。今回初めてシンセサイザーを使ったサウンドが登場しましたね。」
江島「はい。何となくですけど、今回の出場者の中で一番サカナクションと近いかなと思う。」
岩寺「そうだよね。やってる手法に近いものがちょいちょいある。」
江島「でも聴いてみて思ってるんだけど……ちょっとこれはおじさんじゃなくてちょっとミュージシャン目線で言うと、結構難しいことやろうとしてると思うのよ。アレンジ面で。」
岩寺「そうだね。」
江島「全体的にはすごいキャッチーに聞かせるんだけど、やってることはちょっと難しいことをやってるみたいな。こう聞かせたいんだなとか、ここはこういう風に流れを作ってってるんだなみたいなのが、一番……何つうか、親近感があるバンド。」
岩寺「はい。ライブの映像を見たんだけど、そのシンセサイザーを弾いてる人がいるわけではなく、おそらく同期で出してると。その辺も何か近しいものを感じる反面、やっぱ同期の難しさっていうのをちょっと感じるなっていう。」
江島「どんなとこですか?」
岩寺「パッション出しづらい説。」
江島「あー。パソコンで事前に作ったシンセを流しながら、それに合わせてみんなで演奏するから。」
岩寺「そうそう。だから縦軸(演奏を合わせること)を重視しすぎて、全体がぐっとなる瞬間みたいなのがちょっと少ないように感じちゃうな。」
江島「みんなちょっと勢いでテンポアップしたいとこもパソコンに合わせなきゃいけないがゆえに、ちょっと冷静にならないといけないみたいな難しさね。それはかなりレベルの高いライブの悩みあるある。」
岩寺「だよね。その冷静さすらも逆手に取って……ってくらいできれば世界は広がると思うんだが……そこはね、未来はあるなと思うけどね。」
江島「でもまだ17歳でしょ?時間の問題だと思う。」
岩寺「そうだね。」
江島「うん。10代のうちにそこら辺のテクニックがすぐついてくるような気がする。」
岩寺「逆に17から同期でやってるっていうこの経験値は恐ろしいよね。」
江島「っていう意味でも、やっぱライブ観てみたいね。」
岩寺「観てみたいね。」
江島「あとやっぱ彼らのボーカルのちょっとした個性っていうか……引きがあるよね、声に。」
岩寺「そうだね。みんなやっぱり何千組という中から残ってるだけあり、声はしっかり特徴的なの子たちが残ってるんだよね。」
江島「うん。ぜひぜひ、Zeppダイバーシティで聴いてみたいと思います。」
岩寺「では、続いてのアーティストいってみましょう。でかくてまるい。、聴いてみましょう。」
江島「札幌!」
岩寺「札幌きたね。」
江島「好きだなー。」
岩寺「なんか本当に俺らの青春をフィードバックする部分が大きいね。」
江島「札幌だし。」
岩寺「ね。本当にあの頃の札幌を思い出す。」
江島「36号線だし。」
岩寺「36号線……あれですよ、ススキノのど真ん中の(道)。」
江島「ニッカのおじさんの看板があるとこ。」
岩寺「そうそう(笑)。」
江島「……優勝! (笑)。」
岩寺「優勝ですか?(笑) すごいっすね、地元びいきが(笑)。」
江島「ははは(笑)。優勝です、札幌だから(笑)。あと、札幌びいきはちょっと置いといても、この(サビの部分を歌いながら) "♪ 36号線〜" っていうのが一番覚えやすかった。」
岩寺「ふふふ(笑)。キャッチーだね。」
江島「うん。なんかもうね、閃光ライオット飛び出してもはやフェスで聴きたい。」
岩寺「あー!そうだね。ライジング(RISING SUN ROCK FESTIVAL)とか出てほしいね。」
江島「うん。みんな手挙げられる。」
岩寺「今回の閃光ライオットさ、10代だけじゃなくて22歳までが出られるっていう話で(※)。青春時代にコロナでライブができなかった世代っていうのが入り込んできてるわけじゃん。」(※今回は、コロナ禍の3年間に20代を迎えた方も応募できました。)
江島「はー、この3年ぐらいね。」
岩寺「その鬱憤を晴らしてやるぜ!みたいな……そのエネルギーがでかいバンドが多い。」
江島「今二十歳ってことは、高校卒業するときにコロナになっちゃって、本当だったら卒業ライブしたかったとか……いろんなのがあんのかもしんないね。」
岩寺「それぞれいろんな年代ごとに、自分たちの人生のどの時代にコロナがぶつかったっていうのがそれぞれあると思うけど、今回閃光ライオットだけど20代っていう……何かそこはちょっとキーになってくるような気がする。」
江島「なるほど。」
岩寺「エネルギーがすごいよ。」
江島「いやー、好きです。このバンド。」
岩寺「期待しましょう。」
江島「ではでは、続いてのアーティストは極楽万博。聴いてみましょう。」
江島「歌詞がちょっとおふざけ感があるじゃない?」
岩寺「そうだね。」
江島「だけどすごいしっかりした演奏してんだよ。」
岩寺「演奏めっちゃうまい。」
江島「ただただふざけてるだけじゃないっていう。狙ってこの楽しさを演出してるっていう……ちょっと頭の良さを感じるんだよ、このバンドには。」
岩寺「あー、確かに。いわゆる色物みたいな見え方にもなってしまうかもしれないけど、目を引きやすい分ちゃんと世界観と演奏がしっかりしないといけないんだよ逆に。」
江島「うん、うん。思います。」
岩寺「それがしっかりできてるのはうまいなと思うね。」
江島「結構好きよ、こういうバンド。ちょっと昔のロックンロールって言われてたぐらいの時のサウンドに、"ロングもショートもボブも好き"っていう、この対比ね。絶対狙ってると思う。」
岩寺「ふふふ(笑)。イベントとしてもこういうバンドがいると、お客さんもずっと長丁場で観てることになると思うけど、楽しめるしね。」
江島「うん。絶対ライブバンドだと思うこのバンドは。」
岩寺「うん、そうだね。」
岩寺「では続いてのアーティストにいってみましょう。続いては、イクラノドン。」
江島「どストレートって感じがします。」
岩寺「うまいっすよ。」
江島「正統派ロックというか。」
岩寺「うん。これ、スリーピースで、18歳でここまでできたらかなりのもんだと思うよ。」
江島「そうだね。」
岩寺「この3ピースってさ、ちょっと手を抜くと音数がなんか少なくて、足りてねーな、みたいな瞬間が多いじゃん。」
江島「はい、スカスカな感じね。」
岩寺「このバンドに関しては、ちゃんとアンサンブルがあってどこを切り取っても足りてるっていうか。」
江島「確かに。アレンジがちゃんと考えられてる。」
岩寺「ベースもしっかり動くとこ動くし、ギターもちゃんとポジションによってストーリーができてるし。とてもしっかり作ってますね。」
江島「なんだろうな……これもすごい懐かしい感じがするの。だからね、おじさんとしては、懐かしい!みたいな。」
岩寺「結構意外でしたね。」
江島「やっぱりさ……パッションなんだと思うよ。10代の一番大事なところは。」
岩寺「ふふふ(笑)。そうね。」
江島「すごいZepp DiverCity楽しみだなって。」
江島「……ちなみに、僕たち行きたいって言ったら行けるんですか? (職員からOKのサインがあって) 行ってもいい?あ!ありがとうございます!」
岩寺「ありがとうございます。」
江島「ぜひぜひ、Zepp DiverCityに遊びに行きたいなと思います。」
そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。
江島「2週に渡りまして、全9組のファイナリストを音源聴いてみましたけども……ちなみに岩寺さんは、誰が優勝するとかっていう予想なんかはあるんですか?」
岩寺「いやー、難しいねー。好みで選ぶと……っていうのと、世に出てそれが評価されるかどうかっていう基準も大事になってきたりとか……いろんな要素があると思うんだけど……まあ、好みって言ったら何個かはいいなって。」
江島「ある?」
岩寺「ちなみに江島さんは?」
江島「いや、僕はもう……ここまで来たこの9組って、もう僕らが10代の頃からは想像できないぐらいのちゃんとしたレベルの高さ……演奏力の高さとか、アレンジ面のがしっかりしてるとかがあって。今回優勝者が決まると思うんですけど、もうそれは多分、最終的には審査員の好みだと思うんだよ。優勝するかしないかって。」
岩寺「いやー、そうだよね、本当に。」
江島「だから、もし優勝できなかったとしても、全然落ち込む必要ないなと思ったし、多分今までアマチュアでやってきた中で多くの人に聞かれる機会だと思うんだよね、今回の閃光ライオットがこの9組とって。この経験値をさらに次に繋げて、いい曲いっぱい書いてほしいなって。」
岩寺「そうだね。全バンドいい経験になってほしいですね。」
江島「日本の音楽の未来はちょっと明るいなって思いました。」
岩寺「うん。思いました。」
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