「『マイナビ閃光ライオット2023』ファイナリストを副担任'sが聴いていきます!」
サカナクション 2023.7.28 金曜日
聴取期限 2023年8月4日(金)PM 10:00まで
今週と来週は、このクラスの副担任、サカナクションのドラム:江島啓一 先生と、ギター:岩寺基晴 先生が登場!開催が近づいている、10代の音楽の甲子園「マイナビ 閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!」@ 8月7日(月) Zepp DiverCity (TOKYO) ファイナル・ステージに出場が決まったグループ9組をチェック!江島&岩寺の副担任's目線で、魅力や見どころを探っていきます。今週・来週は山口一郎先生がお休みです。
江島「サカナクションの江島啓一です。」
岩寺「サカナクションの岩寺基晴です。」
江島「さて今夜のサカナLOCKS!ですが、一郎先生がスイカ割りに使う大きめのスイカを探しに出かけたため、今週と来週の授業を僕たち副担任'sがお届けしたいと思います。」
岩寺「いっくん(一郎先生)、ちょっと最近調子が良くて働き過ぎてるからね。」
江島「復帰に向けてのリハビリだったり、"NF" っていうクラブイベントで全国回ったりしてたんで。ちょっと一息つくタイミングかなと。」
岩寺「うん。最近暑いんで、夏を満喫してもらって。大きいスイカとともに。」
江島「ね(笑)。スイカには目がないからね、一郎先生。でも、灼熱の南国っていうイメージ全くないね、一郎に。」
岩寺「アウトドアのイメージが……釣りはしているにせよ、あんまり外で遊んでいるイメージないよね。」
江島「ないね。特に最近はどちらかというと引きこもりがちな生活を送っていたからね。」
岩寺「そうですね。」
江島「良い夏休みを過ごしてもらいたいなと思います。今週と来週、2人でやります。よろしくお願いします。」
岩寺「よろしくお願いします。」
江島「今夜は、8月7日(月)にZepp DiverCityで行われる10代の音楽の甲子園『マイナビ閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!』の出場者の音源を聴いて、僕たち2人の副担任'sがいろいろとお話していきたいと思うんですけれども……10代の子たちの音楽じゃないですか。で、僕ら40オーバーじゃないすか。なんか否が応でもちょっと上から目線な感じのコメントになっちゃいそうな気がしてなかなか喋りづらい。」
岩寺「そうだね、はい。」
江島「あくまで、あくまでですよ……ミュージシャンの先輩ってのを1回置いといて、1視聴者として、純粋に聴きたいなと。」
岩寺「うん。1おじさんとして。おじさんの戯言だと思ってもらえれば(笑)。」
江島「そうそう(笑)。みんなと一緒に新鮮な気持ちで聴いていけたらなと思います。」
江島「今年9年ぶりの開催になる閃光ライオット。全9組のファイナリスト音源を聴いていきましょう。まずはこちらのアーティスト、三四少女。」
(※今回のYouTubeのリンクは全て、マイナビ閃光ライオット2023の3次審査でのLIVE映像です。)
江島「なんていうか、メロディーのちょっと日本の童謡感……ちょっと力抜けた感じのメロディーに、でも激しいロック。この絶妙なバランス感覚あるじゃん。歌もガー!バンドもガー!じゃなくて、ちょっとメロディーは脱力してる感じ。僕ら世代で言うと、GO!GO!7188とか、そういう系譜に聞こえて、ちょっと懐かしいな。」
岩寺「そうだね。確かに使ってるコード進行は、いわゆる丸サ進行。」
江島「"丸サ進行"って何ですか?岩寺先生。」
岩寺「最近流行りの「丸の内サディスティック」(椎名林檎先生の曲)だね。」
江島「「丸の内サディスティック」の略で丸サ進行っていうの?」
岩寺「うん。若い子達がみんな使ってるらしいよ。俺らも使ってるし。」
江島「脱税してる人を捕まえるマルサとは関係ないんですね?」
岩寺「そっちのマルサじゃないですね(笑)。」
江島「「丸の内サディスティック」のコード進行を使っている。」
岩寺「今のバンドって感じだね。」
江島「へー!勉強になります。」
岩寺「(笑)」
江島「でもこのバンド、自分がドラムだからっていうのもあるんすけど……このバンドのドラムの彼、結構うまいと思います。10代で俺こんな叩けなかったと思う。」
岩寺「確かにね。いや、演奏力はみんなうまいんだよめちゃくちゃ。三四少女もリズム隊が割としっかりしているから、ギターがその上で暴れても、成り立つっていう感じはあるよね。」
江島「うん。土台がしっかりしてる感じする。レベル高いよね。」
岩寺「レベル高いっすねー。」
江島「ライブでこのクオリティの演奏できるんだったらもう即デビューしても、問題ないんじゃないかと思いました。」
岩寺「本当だよね。」
岩寺「続いてのアーティストは、Blue Mash。」
岩寺「めちゃくちゃうまいね。」
江島「うまいね、このバンドも演奏力が高いと思います。」
岩寺「演奏力がかなりしっかりしてます。プロとしてやっていっても遜色がないぐらいな印象を受けましたけど。」
江島「閃光ライオットって感じした。閃光ライオットって聞いて、イメージだけで言うとこのバンドが一番俺の中のイメージに近かったかな。」
岩寺「いやー、若さのエネルギー。これはすごいものがあるね、やっぱり。」
江島「続きまして、Halogen。聴いてみましょう。」
江島「声がイケメン。でも彼らもさ、高校生でしょ?学校祭とかでこれ演奏されたらキュンキュンしちゃう。」
岩寺「ふふふ(笑)」
江島「もうアレンジがすごいしっかりしてるよね。」
岩寺「ストーリーもあってすごい。」
江島「歌詞の世界観もそうだし、アレンジ面でも、ひとつの物語を作るみたいな。ひとつの物語を音楽で紡いでいく……系譜としてはBUMP OF CHICKENみたいな。」
岩寺「そうだね。」
江島「こんなんできたら絶対モテたわ、自分!」
岩寺「ふふふ(笑)。モテが大事なの?」
江島「ふふふ(笑) いやいや、やっぱさ、初期衝動としては。音楽をやり始めた初期衝動としては、ひとつモテたいみたいな部分も大きいんじゃないの?このバンドがそうかどうか分からないけど。」
岩寺「確実にこんな声してたらぐっときちゃうよね。」
江島「演奏も全然10代に思えないんだよな。」
岩寺「うん。アンサンブルしっかりしてるよ。」
江島「例えばドラムだけで言うと、ひとつずつの調整があるんだけど……1個ずつの太鼓の皮をどんだけ張ればいいかとか、シンバルどれを使うとかっていうのが見事に楽曲にはまってる。」
岩寺「ギターもツインギターでちゃんと役割分担ができていて、しっかり全体の抑揚の音圧コントロールもふたつのギターでできてるし。非常に考えられてますね。」
江島「すごい細かいところまでちゃんと考えられているアレンジだなって聴いていて思うんです。これが10代って末恐ろしいな。」
岩寺「本当だよ。素晴らしい。」
岩寺「続いてのアーティストは、Shoki。聴いてみましょう。」
岩寺「うまいね。」
江島「ギターうまいね。彼もね、イケメンな声してます。」
岩寺「いい声してますねー。」
江島「彼が一番洋楽に影響を受けてる感じがするんだよね。日本っぽいメロディーもありつつ、ちょっと洋楽っぽい歌い回しというか。エド・シーランあたりの。」
岩寺「そうだね。」
江島「今回アコギ1本での出場ということで、実際Zepp DiverCityの方ではどんなプレイをするのか分からないけど……今後はアコギだけじゃなくて、例えばトラックに乗せるとか、バンドセットだったり、違う形態の曲もいろいろ聴いてみたいなって。」
岩寺「そうだね。ギターの演奏がめちゃめちゃしっかりしていて、弾き語りで歌う場合ってリズム感であったりグルーヴっていうのが歌としっかり演奏が合ってるっていうのが絶対条件なんだけど、それの筋がものすごくしっかりしてる。弾き語りだけど、しっかりとしたリズムを感じられるっていうのはすごいなと思うね。」
江島「リズム感がすごい良いんだと思う。」
岩寺「うん。いろんな他の楽器と合わせても全然成立するだろうし。すごいポジティブなエネルギーがあるんで、そのエネルギーの形を変えたものも見てみたいね。」
江島「聴いてみたい。」
江島「じゃあ次は、超☆社会的サンダル。聴いてみましょう。」
岩寺「面白いね。」
江島「うん。」
岩寺「最初の三四少女もそうだったけど、こういうリードギターの音が流行ってるのかね?コーラス深めにかかってゆらゆらしてる音で短音で弾く、みたいな。」
江島「あるのかもね。」
岩寺「これは世界観系だね。」
江島「音源で楽しむというよりかは、ライブ行って一緒に暴れて発散する……みたいなバンドかな。……って思ったんだけど、こんななんかハチャメチャな雰囲気を出してるじゃん。ミュージックビデオめちゃめちゃしっかりしてるんだよ。ちょっとぶっ飛んだ系のキャラに対してこの激しいロックサウンド……だけじゃないんじゃないかなと思って、このバンドって実は。引き出しが。」
岩寺「あー、なるほど。」
岩寺「途中でボーカルの彼女が弾いてるギターのチューニングがめっちゃ狂っちゃって、語りで、無理やりテンションで乗り切るみたいな瞬間があるんだけど、そこが逆に何かよくって。どうしていいか分からないけど、とりあえずもうエネルギーだけで持ってくみたいな。その数十秒間がぐっときましたね。」
江島「それも含めてすごいライブ感があるなっていうと、曲の良さにさほど影響しないって、なかなか稀有な存在だなと。そういうんじゃないの、この子たちの魅力は。パッションなんだなと思って。」
岩寺「パッションだね。もしかしたら本人的にはちょっと悔しい思いもしてるかもしれないからね。いい状態でやりきってほしいね。」
そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。
江島「全9組中5組の音源を聴いてきましたが、どうでしたか?」
岩寺「この閃光ライオットの音源を聴くにあたって、最近の流行りのトップチャートみたいなのもいろいろざっと聴いてみたりしたんだけど、今日聴いたバンドみたいな世界観の音楽が特に最近別に流行ってるっていうわけでもないのに、なぜかゴリゴリのロックが集まってくるっていうのは……これは若さゆえなのかな?」
江島「なのかなっていうのと、全体的にね、僕懐かしい気持ちになったんですよ。」
岩寺「なった、なった。俺らが若いときに切磋琢磨してたインディーズバンドの匂いを感じるっていうか。」
江島「感じる、感じる。結局やっぱ10代の頃に胸に響く音楽っていうのは、小手先のテクニックっていうよりかは、やっぱ気持ちが大事なのかなみたいな。パッション。」
岩寺「そうだね。前に出たいっていう気持ちがめちゃめちゃ強い、全員。」
江島「溢れ出るね、モラトリアムだったり。」
岩寺「コロナがあってさ、なかなかライブハウスとかで(ライブが)できないみたいな状態があって、若者たちは内に入るエネルギーの方が強くなるのかなって個人的には思ってたんだけど、逆にそこがあったからこそ外に出たいっていうエネルギーが強くなったのかなっていう印象を受けたね。」
江島「反発して外側に向かってるみたいな?」
岩寺「そうそう。」
江島「それぐらいのエネルギーを感じるね、今回の5曲は。」
岩寺「うん。」
江島「来週は、残り4組の音源を紹介します。」
■『マイナビ閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!』は、8月7日(月)Zepp DiverCityで開催!
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