「先生も元々はライブハウス生まれ、ライブハウス育ちだったんですよ。クラブミュージックは全然知らなかった。先生はUKロックばかり聴いていたんですね。90年代……全盛期ですよ。オアシス(Oasis)、ブラー(Blur)……そこから古い音楽をたどって……ジーザス&メリーチェイン(The Jesus and Mary Chain)とか、みんな知らないでしょう?そういうのを必死に辿って聴いていく中で、ロックって何だろうなっていうのを探していくうちに、クラブミュージックに出会っていったわけですね。ケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)とかみんな知っているか?まさにロックとクラブミュージックの間の架け橋みたいなところがあったね。ちょっとレッチリ(Red Hot Chili Peppers)感もあるなーみたいな。こういうのを先生たちの時代はインターネットがなかったから音楽雑誌とかで調べるわけです。ビック・ビートっていうんだこういうジャンルを……!ロックじゃないんだ……って。でもかっこいいな、歌もないけど楽しいなってところから聴いていくうちに、もっと聴きやすいのがあるなーって、古い音楽をいろいろと探っていきます。」
The Chemical Brothers - Block Rockin' Beats
「すると、モータウン(Motown Records:アメリカ・デトロイトのレコード会社)とか、ファンクとかに出会うわけですね。ジャクソン5(Jackson 5)って知っているかな?マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)がまだ子供だった頃にやっていたやつ。これはモータウンっていうんだなって。聴いていくうちに、現代のファンクで楽しいのがあるぞーって聴いていたら、何なの「One More Time」って……ダフト・パンク(Daft Punk)だ。かっこいいなーって。ワンモアタイムって言っているだけなのに、何なのこの低音……すごい曲だなって。」
Daft Punk – One More Time
「ロックじゃないけど同じテンションで聴ける。一緒に騒げるなって感覚だったんですね。このダフト・パンクの「One More Time」が入っている前のアルバムに『Homework』っていうのがあってね、それに入っている曲で「Around The World」っていうのがあってだな……」
Daft Punk - Around The World
「この曲、ミシェル・ゴンドリー(Michel Gondry)っていうミュージックビデオの巨匠が手がけているんですよ。映画も撮ったりしているけど。そのミシェル・ゴンドリーがミュージックビデオを撮ったりしていたんですね。ケミカル・ブラザーズとかもミシェル・ゴンドリーが撮っていたんですよ。あのころ、ミュージックビデオ御三家っていうのがいて、ミシェル・ゴンドリー、スパイク・ジョーンズ(Spike Jonze)、クリス・カニンガム(Chris Cunningham)っていう……そこで、こんなおもしろい世界があるんだ。こんなに面白い映像があるんだ……音と映像ってすごい!ってね。インターネットがそんなになかったころですよ。そこで、こういう音楽を大きい音で聴きたいって思った時に、先生は気づいたんですよ。これはライブハウスじゃないって。ライブハウスはバンド。この人たちってライブはどうしているんだろう?って。「ライブで日本には来ないけど、クラブで流れているよ。」って話を聞くんですね。先生はその時、クラブって何?って思うわけです。札幌のモロー(MORROW ZONE)ってクラブがあってね。そこでケミカル・ブラザーズの「It Began in Afrika」っていう曲があるんだけど、その曲が流れているって噂を聞いて、じゃあ聴きに行こう!ってクラブに行ったのが初のクラブ体験でしたね。」