10/7 「 染まるよ 」 ・・・コレ、誰からの指令? っていうか、なんで言うこと聞かなきゃいけないのか分かんないけど、3人別々に喋るって、もしかして初めてじゃない? じゃあ、ここからはちょっとの間別行動で。 エリコ先生は、誰もいない教室に。 クミコ先生は、外に散歩に。 アキコ先生は、屋上に。 それぞれが「染まるよ」についてどんな思いを抱いているのか。 WEB限定で、一語一句余すところなくお届けします。 いやー、えーと今日はね、1人ずつということで『染まるよ』について喋ろうと思いまーす。 えーと、『染まるよ』出来上がって、なんかね、すごいね、「なんて素直な曲だ」って私は思いましたね。歌詞、これはあっこちゃんの歌詞なんだけど、あっこちゃんの歌詞の中でもこれは新境地、新しいなって思っていて、これだけ感情がむき出しになっていて、すごい人間くさいっていうか、うん・・・そういう歌詞やなって思って。聴けば聴くほど体にしみ込んで行く曲だなって思いました。 それで、アレンジなんですけど、『恋愛スピリッツ』とか『世界が終わる夜に』みたいな、けっこう感情でワーっといくのとはまた違ったタイプのアレンジの曲やなって私は思っています。 だから、音でガーって持っていくタイプの曲じゃなくって、すごくシンプルで繊細なんだけど、なんていうんでしょうね、自分の中でいっぱい着込んでいた着物を全部脱いで、そして、そこを見せる、ドキっとさせる凄さっていうのを持っていて・・・。なんか、うーん、この曲をロックバンドで・・・こういうシンプルで、一見J-POPに取られるんじゃないかっていう恐怖もあったんですけど、こういう曲を今の時期に出せたっていうのは、チャットモンチーとして私はすごい革命的なことやと思っていて。そう、そういう私たちの意志みたいなものもみんなに聴いてもらえたらいいなって思います。 えーと、あのー、教室に1人でいまーす。 私は・・・1人でものを考えることは最近すごく多くて、まぁでもその時間も大事やなとか思う最近です。 えー、『染まるよ』について思うこと。 なんかその・・・うーん、いつも2人から歌詞をもらうんです、曲をつけるときは。 全然いつ書いたとか、どういう気持ちの時に書いたとかはまったく聴かずに歌詞としてもらうんやけど、この『染まるよ』を初めてあっこちゃんにもらったときに、なんか、「タバコ」っていうフレーズがかなり大人やなって思って。めっちゃ大人っぽいなーって思って。 あのー、私は取材でこの『染まるよ』の(歌詞の)出来る時(のエピソード)を聴いたんやけど、めっちゃ赤裸裸で、なんか・・・「あっ、聞かんかってよかった!」って思って。聞いとったらなんかまた違うかっただろうなって思って。聞く前に作ってよかったって思ってます。 うーん、『染まるよ』は隠してない感じがめっちゃええなと思っていて・・・。 なんか、この曲に出てくる女の子、歌詞を見て最初、部屋の窓辺に座って朝になるのを待っとる女の子をイメージしました。まあ、あっこちゃんがタバコ吸ってないってのを知っとるけん、タバコを吸いよる大人っぽい女の人は全然思い浮かばんくて、なんかタバコは全然吸えんくて、でもなんかタバコに憧れとるっていう、そんな女の子をイメージしました。 でも・・・この曲のすごいとこは、出来上がった時に、ピッタリすぎて・・・いや、ピッタリっていうんがすごいと思った。なんか、歌詞と曲がピッタリでもやりすぎてなくて・・・あー、チャットモンチーすごいなって、改めて思いました。 『染まるよ』のことについて喋るんですが、歌詞を書いたのは私なので、私にしか言えないことを話そうと思います。 そうですね・・・ある女の人がいました。 その人は、あのー、自分の仕事だったり自分の生活だったりにすごい悩んでいて、すごい、毎日苦しんだり悩んだりしておりました。その人が、ある夜、自分の家を通り過ぎて、全然知らない夜の道を歩くことにしました。なんか、普通に帰りたくなくて。それで、近くにすごいまぶしいコンビニがあって、なんか、そこだけすごく時間がちゃんと動いてる気がして、ふっとそこに入ったんですよね。 そしてその人は・・・なぜかそこでタバコを買ってしまうわけです。 その人はタバコを吸ったことがなくて、で、ライターもいるってことも忘れてて、「あ、ライターもいるんや」って思って買って。外に出るんですよね。 で、そのタバコの銘柄は、昔付き合ってた人が吸ってた、大好きだったタバコで。 うーん、もうなんか・・・忘れるぐらい前の話だったんやけど、なんかそのタバコを手に取ってしまって、「なんか吸ってみようかな」みたいな気分になって、タバコに火をつけるわけです。 そして、一口吸うっていうんかな? 吸うと、自分の肺が・・・自分の肺? 自分の心がすごく汚れてるのが分かって。 しかも汚れていくんですよねどんどん。タバコを吸うと。昔の人のこと思い出して。そしてその人にされたヤなこと。なんであんなこと言われたんだろう? なんで私のことあんな風に・・・私の元から離れていったんだろうとか、色々考えるわけです。 そんで、どんどんみるみる体が黒くなっていく気がしたんですね。 でも、タバコって不思議なもんで、体はすごく汚れてってる気がするのに、口から出る息は白いんですよね。 それを見た瞬間に、悪かったのはあの人だけだったんじゃなかったかもしれんと。 うん・・・なんか、問題は相手だけじゃなくて、自分もすごく悪かったとこがあったんだなーと。その時にその人は気づいたわけです。 なんか、悩みだったり前に進めなかったりする時は、誰かを責めたり、自分以外の人に責任を押し付けたくなったりする時があって。 最もポジティブな時って、自分に悪いところがあって、そこを直したらもっとよかったかもしれないって思えた時が一番前進する時だと思うんですね。だから・・・その人は、そういうことを自分で見つけることができて、「そっか、そういうことだったんだな」と、何年か越しに昔好きだった人にすごく感謝したんです。 そして、気が付くと朝が来ようとしていて、なんか、空がすごくキレイな色に染まりだして、うーん、なんか、まだいけるかもしれんなって。なんか、人を好きになる力っていうのは、人に好きになってもらって同じ時間を共有するっていうのは奇跡な瞬間だから、その時のことをずっと感謝し続けたいなと・・・思ったんですね。 まぁ、もう1人の・・・一生付き合っていかなければならない、もう1人の私の話です。
いつものチャット先生とは違う感じだったね。 チャットモンチー9枚目のシングル『染まるよ』、11月5日にリリースです。(詳しい情報はチャットモンチーオフィシャルHPをチェックしてね!) チャットモンチーオフィシャルHP この曲を聴いた感想、チャット先生にどんどん教えて下さい。 |