極寒の仙台にて、最高に熱く素晴らしいライブをお客さんとともに創りあげることができたZEPP SENDAI 2days!! 2日目のライブ翌日の19日は、ライブの最後に"藤原"が発した「また来るよ!有り難う仙台!!」という言葉どおりまた仙台で最高のライブを創りあげることを誓いつつ、メンバー/スタッフ一行は次なるライブの地新潟へと移動しました。
仙台から新潟への約5時間に及ぶバスでの移動。雪の影響が少々心配されましたが移動当日は天気も上々で、途中のパーキングでの休憩では、"藤原"&"チャマ"はラーメン、"増川"はミニカレー、"チャマ"は豚汁定食を注文し、4人揃って休憩所の美味を堪能していました。移動のバスの中ではNINTENDO DSをやったりiPodで音楽を聴いたりとおのおのの時間を満喫していた様子のメンバー。その後も天候には恵まれ、午後4時前無事に到着した新潟の気温は、これまでの札幌、仙台に負けず劣らずの寒さでした。
その日は明日のライブに備え午後8時頃から4人揃っての早めの夕食です。地元イベンターFOB市川さんのいざないで、粋なおばちゃんが厨房を仕切る、まさに定食屋!! というお店に出向きました。店内では地元高校野球部の学生さんらしき5〜6人の若者とおばちゃんで、「おばちゃんご飯大盛りね〜!」「はいよ!今用意してっから待っててね〜」なんて会話が繰り広げられているそんな土着的な定食屋さんで、"藤原"は焼きジャケ定食、"チャマ"はカキフライ、"増川"はさんま定食、"チャマ"は野菜炒め定食をそれぞれ注文して「うめぇ〜!うめぇ〜!」と嬉々としながら地元定食屋のおふくろの味を楽しんだメンバーでした。
このツアー3カ所目となる新潟でライブがおこなわれたのは、メンバーもお気に入り、美しい川辺に立てられたライブハウス "新潟フェイズ" です。約1000人のお客さんを収容するこの新潟フェイズ 2daysライブを以て、今回のツアーの1000人規模のライブハウスでのライブが最後ってこともあり、身近にお客さんの息づかいを感じられる距離でのステージを楽しもう!というメンバーの意気込みがあらわになった熱い2日間のライブだったように思います。
この新潟フェイズ 2daysのライブレポも、我等が「BIG ISSUE JAPAN」と連動してお届けしようと思いますが、今回初日のライブをレポートしてくれたのは、仙台/新潟をレポってくれた香取さんに変わり、この「BUMP LINES」初登場の紅一点、池田さんが担当してくれました。初日の模様は池田さんの渾身のレポを楽しんで下さいね!
新潟フェイズでの2日目。この日も開場数時間も前からたくさんのお客さんが長蛇の列を成しています。立地が川辺ってこともあり断続的に身をきるような寒風が吹きつける中、その寒さに顔を紅潮させながら、それでもメンバーとの対面をホントに心から待ち焦がれているお客さんの表情は、皆キラキラと輝き火照っているようにさえ見えました。
そして午後5時、前日よりも1時間早く会場の門が開かれると、少しでも近くでメンバーとの時間をともにしたいと願うお客さんが我れ先にと場内になだれ込みます。ガランとしていた場内は見る見るうちに人で埋め尽くされていきます。皆、これからBUMP OF CHICKENとともに最高のライブを創りあげる!という決意に満ちた表情をしています。
午後6時過ぎ、場内が暗転、いつも通り THE WHOの「クイック・ワン」のSEが流れると、少しでもメンバーに近寄りたいと願うお客さんが「ワー!」という雄叫びとともにステージに向かって詰め寄ります。その為、場内前方は更にギュウギュウに、一方後方にはポカンとスペースが現れる程でした。
ステージ前方で"藤原"のギターが高々と掲げられ、BUMP OF CHICKEN 2006ツアー『RUN RABBIT RUN』、新潟フェウズでの2日目のライブがスタートしました!!
前半で演奏された『プラネタリウム』。その、まさに星の煌めきを想わせるイントロが流れると、場内に「ヒュー!」という歓声があがります。昨年発売され記憶に新しい大ヒットナンバーの演奏に場内がどよめき色めきます。ライブの臨場感をそのままに、CDよりも更にエモーショナルに美しく奏でられる"藤原"のボーカルに会場の誰もが聴き入り身体を揺らせています。
そして2番に入る前のイントロでお客さんに向かって笑みを浮かべ照れくさそうに手を振る"藤原"。場内からは歓声とともに"藤原"にむけてたくさんの手が振られていました。途中、"藤原"が悪戯っけたっぷりにMCしました。「今日はね、"増川"がMCしたくてしょうがないらしいんだよ。なんかね、昨日のライブ終わってからも打ち上げでもホテルでもずっと "喋り足りなかった" って後悔してんだよね・・・(笑)」。この"藤原"の突然のフリに完全に面食らった様子の"増川"が渋々マイクに向かいます。「あ、うん・・・。そうだね。俺、喋るよね・・・。」「そう!東京は雪だって。でも新潟は降ってないよね。俺等は明日、東京帰ります・・・」。季節ネタを盛り込んだものの完全に辿々しいMCを展開する"増川"。すかさず"藤原"が突っ込みます。「ヒロ!深呼吸!」。一息ついた"増川"がようやくしっかりとした口調で喋ります。「今日は、ホントに有り難う。これくらいの規模でできるライブはこの新潟が最後になりそうです。だから今日も精一杯楽しみたいよ。宜しくね!やっぱり俺喋んの駄目だよ。だから演奏します!聴いて下さい!『ダイヤモンド』!!」。そうして演奏されたBUMP OF CHICIKENのデビュー曲『ダイヤモンド』のサビ部分では、大合唱とともに人差し指を突き上げたたくさんの腕が大きく掲げられていました。
本編後半の曲間、お客さんからの「"チャマ"!新潟で何食べた!!」という質問に"チャマ"が答えます。「なに?俺等が何食べたかって!? そりゃ、新潟って言えばソバでしょ!昨日、打ち上げでヘギソバ食べたよ。超―美味かった!! でもね、ソバ食って喜んでる俺等を見てうちのプロデューサーが言うのよ、そんなの東京で全く同じ店あって食えるって・・・。でもさ、こっちは水が美味いじゃん!だから東京のよりソバも美味いって信じてんだよ!!」。こんな茶目っけたっぷりのMCに会場全体が笑いに包まれる一幕もありました。
本編終了間際、"藤原"が再びMCします。「今日はホントに有難う!新潟最高だよ!! 気分悪い人はいないかい?もしいたら周りの人は助けてあげて。そんで、会場のどこでもいいからすいてるトコでゆっくり聴いててよ。俺等、会場のどこにいても届くように演奏すっから。大丈夫、だって、外で寒い中壁に耳当てて聴いてくれてるお客さんも想いながら演奏してんだぜ!だから、会場内だったら全然問題ないよ。だからゆっくり最後までライブに付き合って欲しいんだ」。熱気と湿気でいつもにも増して暑さで蒸しかえっている場内、何人ものお客さんが倒れ運ばれていくのを見かねた"藤原"から思わず発せられたこのMCに、会場からは「有り難う!!」という歓声があがりました。
本編最後の曲の演奏が終わり、メンバーそれぞれが楽器をおろし「ありがとう!」と会場に手を振りながらステージをはけようとしたその時、思い立ったように"藤原"がマイクを通して叫びました。「あともう一曲歌わせて下さい!俺からみんなへのアンコールだよ!いいでしょ?スタッフのみなさんお願い。もう一曲演奏させて下さい!!」。このサプライズには他のメンバーも少々戸惑い気味でしたが、すぐにその"藤原"の "逆アンコール案" に賛同!!「お願い!もう一曲やらせてよ!!」と"チャマ"も懇願のMCです。この予想外の嬉しい展開に、場内全体が感動と興奮で大きくざわめき波打ちました。「ホントに今日は有難う!新潟最高だったよ!!俺等からのアンコールです。聴いてくれ!!」。そうして演奏されたのは、ファンの間ではライブでしか聴くことのできない幻の名曲として人気が高い『ダニー』だったのです!!思わぬ『ダニー』の "逆アンコール" に更に会場は興奮の坩堝に!! ほとばしる汗を輝かせながらの渾身の『ダニー』の演奏と、それに呼応するお客さんのマックスな盛り上がりに、ライブを通して築かれるBUMP OF CHICIKENとお客さんの決して計算ではなし得ない絆の深さを実感させられた瞬間だったのです。
BUMP OF CHICKENのライブ史上初めてとなる "逆アンコール" で演奏された『ダニー』。このレアで嬉しいサプライズは、新潟のお客さんとのまさにコラボレーションの末に生まれた奇跡だったように思うのです!!
Report: 吹野史斉 (TOY'S FACTORY)