これまで、SCHOOL OF LOCK!ではあまり触れられてこなかった、高校生の就職活動。高校生のみんなは実際、どうやって就職活動をしているんだろう?そこで、高校生就職相談室をサポートしてくれているジョブドラフトの宮脇さんに、高校生の就職活動の現状を聞きました。就職することに決めている生徒はもちろん、未来の鍵がぼんやりしている生徒に伝えたい、就職活動の"今"と"これから"。
校長
こんばんわ!こんにちわ!おはようございます!
宮脇
こんばんわ!こんにちわ!おはようございます!
教頭
全部のパターン言うやつね(笑)。
校長
いつもの生放送教室と違って、この対談を生徒のみんなは、いつ読んでるかわからないから。
宮脇さん!
改めて、先日は生放送教室に突然来てもらい( 詳しくは2月28日の生放送教室の模様をチェック!)
ありがとうございました!
教頭
宮脇さんから電波に乗せて、生徒のみんなに声を届けてもらいましたが、宮脇さんもずっとSCHOOL OF LOCK!を聴いててくれた生徒だったんですよね?
宮脇
はい。自分がまさか、当時家でひとり叫んでいた”起立・礼・叫べーー”を、校長教頭と一緒に叫ぶことができる日が来るなんてと、鳥肌が立ちました。
何より私がこの仕事に就いた時から、SCHOOL OF LOCK!と絶対一緒に仕事をしたいと思っていたので、やっとスタートラインに立ったぞ!とワクワクした気持ちでいっぱいでした。
校長
学校掲示板に宮脇さんが[ 書き込み ]をしてくれたことをきっかけに開設が決まった「高校生就職相談室 Supported by ジョブドラフト」が、ついにスタートしたんだけど、改めて宮脇さんのお仕事についてお話を聞いてもいいですか?
宮脇
はい。”高校生の就職を支援する仕事”です。具体的には、高校卒業後に就職を考えている、高校生向けの求人サイト「ジョブドラフト」を運営しています。
60年前から変わらない、高校生の就職活動の状況
校長
高校生の就職事情について、改めて教えてもらってもいいですか?
宮脇
はい。就職情報が解禁になるのが7月で、会社から学校に「求人票」という仕事内容や職種、勤務地などが書かれた紙が届きます。この「求人票」には仕事の内容や勤務地、給与などの情報が文字で書かれているだけなんです。
教頭
写真がついてるわけでもなく、ですか?
宮脇
そうですね…職場の雰囲気や、細かい仕事内容も分からないまま就職先を選ぶしかない状況なんです。
校長
それだけだったら、自分に合う合わないなんてわかんないよね。
宮脇
そうなんです。大学生のように色んな会社の説明会に行って、いくつか内定をもらってからどの会社に就職しようか、と選ぶこともできません。高校生の就職活動では一人一社制というルールがあって…
教頭
一人一社制?
宮脇
9月から面接が始まるのですが、面接を受けられるのは9月は一人一社までというルールがあるんです。もしそこで内定が出なかった場合、10月から改めて別の会社にトライできるようになるのですが、その時も一人二社までしか応募することができません。(※地域によって差があります)
宮脇
高校生の多くは先生から紹介される求人票の中から就職先を選び、内定が出た時点で就職活動を終了します。
「高校生は学業優先」という考えから一人一社制のルールがあるのですが、色んな会社を見た上でその会社に就職するのと、1社か2社しか見ないで就職するのとだったら、色んな会社を見れた方が可能性が広がると思うんです。だけどそもそも高校生からすると、一人一社制が当たり前だから、あまり不自由さとか、やりづらさを感じる人が少ないということもあるかもしれません。
もっと多くの選択肢を高校生に伝えたい!
校長
そんな中、「ジョブドラフト」では高校生の求人情報を掲載するサイトを運営しているんですよね?
宮脇
はい!私は求人情報を作るために、企業に取材に行って、高卒で働いている方に、入社1年目でどんなことをするか?会社を選んだ理由は何か?などインタビューをしたり、会社の雰囲気や働く方々の写真を撮ったりしています。
教頭
現場に行けなくても写真で職場の雰囲気も伝わりますもんね!
宮脇
そうですね。“働くってワクワク”を伝えたいというのもテーマの一つにあるんですけど、今の文字だけの求人票で選ばなければいけない状況をもっと楽しく、わくわくできるように変えられたらなと思っています。
校長
何社ぐらい掲載されているんですか?
宮脇
今は・・・500社掲載しています。
教頭
以前、宮脇さんが生放送教室に来てくれた時に、ジョブドラフトのBOOK版を見せてもらったんですが、求人の数はもちろん、色んなジャンルの仕事があってびっくりしました!エンタメ系だったら、ライブの設営スタッフだったり、本当に色々!
宮脇
色々あります!
教頭
でも、今の状況ではこの情報が高校生達にあまり届いてないっていうことですね。
宮脇
そうなんです。
校長
勿体無いよね。高校生のみんなを必要としている企業がこんなに沢山あるのに!
教頭
スマホでも見ることが出来るの?
宮脇
アプリもあります!気になる職種や働きたい地域で検索してもらうと、写真つきでインタビューや仕事内容、お給料についても見ることができます。学校の求人票にはなかった求人もきっとあります。
他にも、面接対策やイベント開催情報など、色々な情報が載っているので、就職を考えている高校生は、まずはジョブドラフトを見てくれたら大丈夫っていう感じです!実際に職場見学に行く場合は学校の先生を通して企業の方とやりとりをしてもらいます。
高校生の離職率は4割。その理由は…
校長
高校生の就職活動の現状については分かったんですが、就職してからはどうですか?
宮脇
人によって様々ですが、離職率が高いのも現状です。高卒の方の3年以内の離職率は4割と言われています。
校長
その後はどうするの?
宮脇
転職する方もいますが、アルバイトをする方も多いと聞きます。
教頭
もう一度別の会社に転職することは難しいんですか?
宮脇
大卒だったら第二新卒という形で市場があるんですが、まだ高卒にはそういう市場もなく、早くに、若くして辞めてしまうとスキルがない、続かないと思われてしまうこともあります。
教頭
それはすごく損ですね…。
宮脇
高校生は就職先を決めるときに、求人票の文字情報だけだとイメージがつきづらく、給与や休みなどの条件面だけで決めているということもあるかもしれません。それに一人一社制というルールで、色々な企業を比較してその会社を選ぶということもあまりできないから、入社して「あれ?」とギャップを感じてしまうのかもしれません。
校長
じゃあその一歩手前。どういう風に、選んで決めたらいいですか?ジョブドラフトがある中、でも最後は自分で決めなきゃいけない。何を決め手に選べばいいと思いますか?宮脇さん個人の意見でいいと思うんですけど。
宮脇
自分が何をやりたいかって聞かれても正直分からないと思うんですけど…
教頭
そうだと思います。
校長
悪い意味じゃなく、なんとなく就職しようっていう生徒は多いと思う。
宮脇
ジョブドラフトを見て、文字や写真じゃないところから、楽しそうとか、心動かされた何か、その心に触れた何かの先を考えて行くといいと思います。
お給料とか条件はもちろん大事なんですが、楽しそうとか、やってみたいとか、これならできそうとか。もっと人それぞれの感情が動く就職活動ができたらいいんじゃないかなって思います。
校長
もちろんお金も大事だし、ちゃんと稼げないと生活できないし、食っていけないから。そういうのがあった上で、自分の気持ちがどう動くか。となるとやっぱり、たくさん見て、触れ合わないとダメだね。
教頭
こういう雰囲気が好きとか、黙々と作業するのが好きとか、写真を見たり、話しを聞いたら気づくこともあるだろうし。色んな情報を知ること。それがめちゃくちゃ大事だなって今聞いて思いました。
高卒入社の同期は、めちゃくちゃ活躍してます!
校長
普段、生放送教室で生徒と話をしていても、大学に進学する生徒だったり、就職するという生徒も、大体は話をするタイミングではすでに就職先が決まってたりして、今宮脇さんに聞いた、生徒たちの現状について僕らも勉強不足で…。もっと早く知りたかったっていう気持ちでいっぱいです。
宮脇
私も、大学に進学してから就職をしたので、今の会社に就職するまでこういった現状を知らず、入社してからびっくりしました。
校長
同期に高卒の子もいるんですよね?みんなの働きっぷりはどうですか?
宮脇
私と同じ代には高卒が3人いて、みんな営業をやってるのですが、年齢関係なく成果を残しているし、素直で元気で行動が早い!そういうところがお客さんから好かれてますね。普通に成績1位とか取ったりしますし!
校長
僕は劣等感の塊で生きているんですよ。学歴のことはそんなに気にしてないんだけど…それでも若い頃は、周りの大卒の人に対して引け目を感じるところがあって。宮脇さんの会社の同期の人はそんな感じはない?
宮脇
逆に大卒に負けたくない!って言って、すごく頑張っていますね。
校長
日本はそういう教育をしていこう!
宮脇
大学に行ったという自分の選択に後悔はないですが、自分が高校を卒業してすぐに働いていたら、大卒の人より四年早く色んな経験ができた訳で、もっと早くに可能性も広がっていたのかな?とも思います。
教頭
単純に同じ年の人よりも、経験年数が長いもんね。
校長
もちろん大学に行って勉強することも沢山あるけどね。
宮脇
そうですね。私は今奨学金の返済をしていて、この後24年間かけて返していくんですけど、そういうことも踏まえて色んな選択肢があったんだなと思います。
校長
奨学金を返すために、みんな大変だもんね。
就職も進学も、自分で決めた選んだ道ならかっこいい!
校長
宮脇さんが、今の仕事をやっててよかったなって思う瞬間ありますか?
宮脇
高卒社員の方から「こういうもの(ジョブドラフト)を、もっと早く知りたかった」その一言でやりがいを感じますね。とにかく誰かのためになっているとか、そういう瞬間が一番嬉しいです。
私は10代の頃、「働くためにはこうなってなきゃいけない」とか、「こういう資格を取ってないと、使い物にならない」とかそういう先入観があったんですけど、実際会社に出て働いてみて、高卒の同期と一緒に働いていて、そうじゃないんだなと。自分で決めて自分で選んだ道をどう楽しんでいくかっていうことが大事だということに気付きました。
宮脇
進学する方がいいというような空気感もあると思うんですけど、進学を選ぶにしても、就職を選ぶにしても、フリーターを選ぶにしても、自分で決めて選んだ道なら、かっこいいし、お互いが尊重し合って、頑張ろうって言い合える文化が生まれたらいいなと思います。
校長
高校生の就職活動の状況を、今知ることができてよかったです。就職活動を頑張りますっていう生徒に注目したいし、話も聞きたい!
教頭
この「高校生就職相談室」をきっかけに、就職する生徒が書き込んでくれたら嬉しいですよね。その生徒達に対して、ただ頑張れって言うだけじゃなくて、具体的に何か応援できることが増えるっていうのはすごくありがたいことだなって思います。何より生徒が助かると思うので、引き続きよろしくお願いします!
宮脇
よろしくお願いします!
就職に悩んでいる高校生に
アドバイスをしてくれるOB・OGを募集中!
今、就職について悩んでいる
高校生たちに向けてアドバイスをしてくれる、
SCHOOL OF LOCK!の卒業生を募集します。
※今回は“卒業後(進学せずに)
就職した経験のある生徒”
に限らせてもらおうと思います。
「何から始めたらいいかわからなくて、
不安になることもあると思います。
まずは自分の好きなこと、
やりたいことを考えてみよう!」
「高卒で就職したけど、うまくいかず
何回か転職して今の仕事に就きました。
あのとき誰かに相談できたら、
また少し違う今があったかも。」
様々な体験をしたからこそ、
後輩に言えること、言いたいこと。
君の声を、君の後輩たちに
届けさせてもらおうと思います。
年齢制限は特にありません。
高校を卒業後に就職した経験のある
SCHOOL OF LOCK! 卒業生からのメッセージ、
待っています。