KIRIN BEER "Good Luck" LIVE

KIRIN BEER“Good Luck”LIVE、
今回お迎えしたのは、来週、ニューアルバム
「あなたが寝てる間に」をリリースされる安藤裕子さん。

ギター：設楽博臣さん、ピアノ：山本隆二さんと
アコースティックライブパーティを届けて下さいました。

ライブ・パート１。
椅子に腰かけて。
スタートは“のうぜんかつら”
アコギのイントロから、安藤裕子さんのこの声！
空を自由に羽ばたくアゲハチョウのようであり、
深海を自由に泳ぐ、美しいヒレを持つ小さな熱帯魚のよう。

夢と現実の中を行き来するようなその声の吸引力。

ピアノが加わり、よりふくよかに。
ファンの皆さんも、自由にカラダを声に乗せながら
安藤裕子さんの声の波動の中に漂います。

“森のくまさん”
前に進んでいくようなリズムに変わり、
安藤裕子さんは立ち上がり、ステップを。
そのステップが踏まれるごとに、針葉樹が生い茂る
森林の中へグイグイと引き込まれていきます。

針葉樹の青や緑の香りと広葉樹の枯れた香りが
鼻孔を刺激するよう。
安藤裕子さんは歌うほどに、少女のようになり、
小動物のようになり、さらには、獣のような野性的な目に・・・
その表情がどんどん変わっていく。
圧倒的な存在感が全身から。


ライブ・パート２。
ニューアルバムの中から、２曲続けて。
この２曲はセットで気持ちが連動しているかな・・・と安藤さん。

「生きていると凄く自分自身みたいなものを見失うような日があって、
でも、そういう日もあるけど、明日も
やっぱり今まで生きていてよかったなと思えるように・・・
そういうような気持ちで歌っています。」と。

“人魚姫”

水族館で、ボーッと大きな水槽の中を眺めているとき、
ふと、宇宙・生命の神秘を考えたり、
自分の存在に向き合うことがある。
それと似た感覚に陥る歌。
とても優しくて、素直で、じんわり包んでくれるよう。

“レガート”

淡い色彩が浮かぶ愛の歌。
安藤さんの歌は、ラブソングというより、
愛の歌と表現した方がなんだかしっくりくるような気がします。
愛しさと愛らしさとが重なり合って。

ライブ・パート３。
随分昔に、音楽をやり始めて間もない頃に、
お世話になっていた音楽プロデューサーの藤井丈司さんから
頂いたCDがあって、その中に入っていた一曲です。
「君はこういう風に歌ったらいいよ。」と言って渡されたのですが、
凄く目標が分かったような曲でした。

トークの時のささやくような声から一変、
その世界観に入り込んだ声。
ユーミンのカバー“翳りゆく部屋”

冷たい空気が流れてくるように
静かで、悲しくて、切ない。
声の表情がなんて豊かなんでしょう。

ふと目を閉じて
“唄い前夜”

繊細ながらも、芯が強くて。大地に根が広がっている。
歌の後に続くギターとピアノの音色に
浮かび上がってくる想いをのせました。

最後は立ち上がって。
「“世界をかえるつもりはない”という曲を歌います。
ずっと戦いの歌だと思っていましたが、
愛の歌だと、最近思っています。」と。

前傾姿勢になって、一人ひとりに訴えかけるように歌う安藤さん。
その声、その姿は胸を強く打って、こちらが動けなくなってしまうほど。
全身で捧げる強く深い愛のメッセージ。

まだまだその声の中に浸っていたい気持ちになるライブパーティ。
現実と幻想の中を行ったり、来たりという心地でした。
安藤裕子さん、本当にありがとうございました！