2019年9月2日

福島県大熊町・ネクサスファームおおくま1

きょうは、福島県 大熊町の「いま」をお伝えします。

廃炉作業中の福島第一原発が立地する大熊は、住民およそ1万人の大半がいまも県内外で避難生活を続けています。一方、今年4月には一部地域で避難指示が解除され、住民の帰還も始まり、町全体の復興計画も動き出しています。


特に大きなトピックが、「ネクサスファームおおくま」。今年4月に完成した、イチゴ栽培の植物工場です。すでにイチゴの生産・出荷がはじまっておりまして、8月には関係者、マスコミを招いての工場見学会も行われました。

◆ハイテクでイチゴを安定供給
(※案内:工場長 徳田辰吾さん)
部屋の区画でいうと6区画あって、そのうちここはひとつの区画で一番小さい部屋になります。大体こちらで1日100キロくらいずつ毎日コンスタントにイチゴが収穫できる状況になっています。各部屋がそれぞれ環境制御できるようになっていまして、各部屋単位をそれぞれ6分割したエリア単位で、給液のコントロール、LEDを付けたり付けなかったり、CO2を出したり出さなかったりといった生育管理ができるようになっています。それによって非常に成長の速度をコントロールしやすい環境になっておりますので、私たちが目指す安定した生産、安定した供給、安定した経営ということに少しでも近づけられれば良いと思っています。もぎ取って食べていただいても大丈夫ですよ。今日だけですよ(笑)



ちなみにこの植物工場。敷地全体の大きさはおよそ2万9000平方m、サッカーコート4面分!大規模な太陽光発電施設でもあります。完全屋内栽培で、温度、湿度、光、CO2は全てコンピュータ制御。最先端技術で、一年を通じてイチゴを安定的に作ることができるそう。将来的には、毎日700キロのイチゴが出荷できるようになるというからスゴイ!

そしてこの植物工場。地元に人を増やすきっかけとしても期待されています。案内してくれた工場長の徳田さんも植物工場に可能性を感じて県外からやってきた“チャレンジャー”の一人です。

◆町民の力も
そうですね、設計から何から全部やりましたので、栽培方法から、あとは販売先の決定から、従業員の教育から採用から。(従業員の数は)今は8人でパートさんが2人、明後日からまた2人増えて、いま社員さんも随時募集していますしパートさんも募集しています。(皆様大熊町に住んでいる方?) 従業員のうち7割から8割が大熊町に住んでいます。6割くらいが町民です。外から来た人の中には町に住民票を移して働いてくれている人もいるので、町には少しは恩返しができているかなと思いますね。


もともと大熊町は「フルーツの香り漂う大熊」というコピーがつくほど果物生産が盛んな地域だったそうです。ネクサスファームおおくまは、全国的に見てもかなり規模の大きい植物工場ということで、フルーツの大熊、再生へ向けた期待も高いと言います。農業全体が人手不足になっていくなか、こうした植物工場は全国的にも注目を集めるはず。地域に人を呼び戻すきっかけになるかも知れません。

パーソナリティ 鈴村健一

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