2017年1月5日
1月5日 新成人の声 佐藤そのみさん
今日は、東北の被災地で成人式を迎える「新成人の声」、宮城県石巻市出身、佐藤そのみさんの声をお届けします。
東日本大震災の地震と津波で大きな被害を受けた石巻市。市内の大川小学校では、全校児童108名のうち74名が死亡・行方不明となり、教職員も10名が津波の犠牲となりました。今回新成人となる「佐藤そのみさん」は、そんな大川小学校の卒業生です。震災当時中学2年生だったそのみさんは、妹のみずほさんを大川小で亡くしました。
映像作家になる夢をかなえるために首都圏の大学に進学したそのみさん。いまは、年末年始のお休みで実家の石巻に帰省中ということで、電話でお話し伺いました。
◆妹のみずほが面白がるような、面白い映画、明るい映画を撮りたい!
高橋)そのみちゃん、お久しぶりです。そのみちゃんと会ったのは一年ぐらい前で、そのときはそのみちゃんが通っていた大川小学校を保存するか、解体するか、町を二分する議論が続いていたが、震災遺構として保存が決まったことを聞いて、わたしでもいろいろな思いがあったので、そのみちゃんもいろいろな気持ちがあったと思うけど・・
佐藤)そうですね、去年はやっと自分のやりたいことに向き合えるきっかけになったと思います。
高橋)そういう意味では昨年は一つ区切りの年になったのかもしれないですね。
そのみちゃんはいま大学2年生で映像作家になる夢をかなえるために、日々勉強していると思うんですが、去年はどんな作品を作ったの?
佐藤)学校から「ある男」という作品をつくる課題が出されて。わたしのお父さんが中学校の教員だったんだけど、それをやめて、大川小学校に来た人に語り部をしたり、全国各地でいろんな被災地の状況を伝える活動をしているので、その様子を撮ったドキュメンタリーを作ったりした。
高橋)反響はどうでした?
佐藤)妹が震災の津波で亡くなったということも、そこで初めて取り扱ったんだけど、それを知らなかった先生や友達もいたみたいで。重いテーマを扱っているんだけど、お父さんは明るい人なので、それをできるだけ出そうと思って、作品自体も明るい感じに終わらせたので、重いテーマを軽やかに扱っているギャップがすごくよかったと言われた。
高橋)それで思い出したのが、一緒に大川小学校に行ったときに、わたしそのみちゃんと行ったのが大川小2回目の訪問だったんだけど、1回目に行ったときは、本当に悲惨なことがあった場所で、いると胸が締め付けられてしまう場所だったんだけど、そのみちゃんが「ここ桜すごくきれいなんです」とか「ここで隠れんぼしたり、ここで怒られて・・」という話をして、すごく大川小の昔を思い描けて、すごく明るい場所だったときの大川小を思い出せたのが、すごくいま思い出した。そういうそのみちゃんの部分が(映像作品にも)出たのかも。
佐藤)そうですね。たぶん東日本大震災のその日だけを伝えたくないなっていうのが、大川小のこともお父さんのことも、すごく思っていて、それが作品に出せてよかったなと思いました。
高橋)そんな中でそのみちゃん、20歳になって、まもなく成人式を迎える。いま大川に帰っている?以前この番組で、妹のみずほちゃんにあてた手紙を書いてくれて、みずほちゃんも大好きだった大川のためにできることを考えて行動したいという言葉が印象的だったが、そのみちゃん20歳になって、大川について、自分について、改めてどういうことを考えていますか?
佐藤)そうだなあ、ずっと大川と関わっていきたいと思っているんだけど、いまは妹が面白いと思ってくれる映画を作りたい。大川で撮りたいというのが一つの夢だけど、大川に限らず、面白い映画、明るい映画が撮りたい。
高橋)以前番組で妹のみずほちゃんにあてて書いてくれた手紙の中で、みずほちゃんが大好きだったバンドが解散しちゃうからと書いていたと思うけど、あのバンドは誰だった?
佐藤)ガリレオガリレイというバンド。
高橋)解散ライブのチケットをみずほちゃんの分も合わせて2枚買ったと書いていたけど、ライブには行けたの?
佐藤)行きました。新潟の公演しか取れなかったんで、新潟の公演に行きました。みずほがいないかライブハウスできょろきょろしていました。
高橋)みずほちゃん、喜んだのではないかな。では最後にそのみちゃんのリクエスト曲聞かせてください。
佐藤)ガリレオガリレイの「明日へ」をお願いします。
宮城県石巻市出身、佐藤そのみさんが参加する成人式は、今月8日に石巻市で行われます。
佐藤そのみさんはじめ、今年成人するみなさん、おめでとうございます!
東日本大震災の地震と津波で大きな被害を受けた石巻市。市内の大川小学校では、全校児童108名のうち74名が死亡・行方不明となり、教職員も10名が津波の犠牲となりました。今回新成人となる「佐藤そのみさん」は、そんな大川小学校の卒業生です。震災当時中学2年生だったそのみさんは、妹のみずほさんを大川小で亡くしました。
映像作家になる夢をかなえるために首都圏の大学に進学したそのみさん。いまは、年末年始のお休みで実家の石巻に帰省中ということで、電話でお話し伺いました。
◆妹のみずほが面白がるような、面白い映画、明るい映画を撮りたい!
高橋)そのみちゃん、お久しぶりです。そのみちゃんと会ったのは一年ぐらい前で、そのときはそのみちゃんが通っていた大川小学校を保存するか、解体するか、町を二分する議論が続いていたが、震災遺構として保存が決まったことを聞いて、わたしでもいろいろな思いがあったので、そのみちゃんもいろいろな気持ちがあったと思うけど・・
佐藤)そうですね、去年はやっと自分のやりたいことに向き合えるきっかけになったと思います。
高橋)そういう意味では昨年は一つ区切りの年になったのかもしれないですね。
そのみちゃんはいま大学2年生で映像作家になる夢をかなえるために、日々勉強していると思うんですが、去年はどんな作品を作ったの?
佐藤)学校から「ある男」という作品をつくる課題が出されて。わたしのお父さんが中学校の教員だったんだけど、それをやめて、大川小学校に来た人に語り部をしたり、全国各地でいろんな被災地の状況を伝える活動をしているので、その様子を撮ったドキュメンタリーを作ったりした。
高橋)反響はどうでした?
佐藤)妹が震災の津波で亡くなったということも、そこで初めて取り扱ったんだけど、それを知らなかった先生や友達もいたみたいで。重いテーマを扱っているんだけど、お父さんは明るい人なので、それをできるだけ出そうと思って、作品自体も明るい感じに終わらせたので、重いテーマを軽やかに扱っているギャップがすごくよかったと言われた。
高橋)それで思い出したのが、一緒に大川小学校に行ったときに、わたしそのみちゃんと行ったのが大川小2回目の訪問だったんだけど、1回目に行ったときは、本当に悲惨なことがあった場所で、いると胸が締め付けられてしまう場所だったんだけど、そのみちゃんが「ここ桜すごくきれいなんです」とか「ここで隠れんぼしたり、ここで怒られて・・」という話をして、すごく大川小の昔を思い描けて、すごく明るい場所だったときの大川小を思い出せたのが、すごくいま思い出した。そういうそのみちゃんの部分が(映像作品にも)出たのかも。
佐藤)そうですね。たぶん東日本大震災のその日だけを伝えたくないなっていうのが、大川小のこともお父さんのことも、すごく思っていて、それが作品に出せてよかったなと思いました。
高橋)そんな中でそのみちゃん、20歳になって、まもなく成人式を迎える。いま大川に帰っている?以前この番組で、妹のみずほちゃんにあてた手紙を書いてくれて、みずほちゃんも大好きだった大川のためにできることを考えて行動したいという言葉が印象的だったが、そのみちゃん20歳になって、大川について、自分について、改めてどういうことを考えていますか?
佐藤)そうだなあ、ずっと大川と関わっていきたいと思っているんだけど、いまは妹が面白いと思ってくれる映画を作りたい。大川で撮りたいというのが一つの夢だけど、大川に限らず、面白い映画、明るい映画が撮りたい。
高橋)以前番組で妹のみずほちゃんにあてて書いてくれた手紙の中で、みずほちゃんが大好きだったバンドが解散しちゃうからと書いていたと思うけど、あのバンドは誰だった?
佐藤)ガリレオガリレイというバンド。
高橋)解散ライブのチケットをみずほちゃんの分も合わせて2枚買ったと書いていたけど、ライブには行けたの?
佐藤)行きました。新潟の公演しか取れなかったんで、新潟の公演に行きました。みずほがいないかライブハウスできょろきょろしていました。
高橋)みずほちゃん、喜んだのではないかな。では最後にそのみちゃんのリクエスト曲聞かせてください。
佐藤)ガリレオガリレイの「明日へ」をお願いします。
宮城県石巻市出身、佐藤そのみさんが参加する成人式は、今月8日に石巻市で行われます。
佐藤そのみさんはじめ、今年成人するみなさん、おめでとうございます!