2019年8月6日

音楽プロデューサー・小林武史さんと「REBORN ART FESTIVAL」?

引き続き、音楽プロデューサー・小林武史さんのインタビューです。

小林武史さんが実行委員長を務める「REBORN ART FESTIBAL2019」。宮城県の牡鹿(おしか)半島と石巻市街地などを舞台にしたアートフェスです。期間は8月3日から9月29日のおよそ2ヶ月。復興へ向かう東北の「いま」を、時間をかけて見られるようになっています。

今回の全体テーマは「いのちのてざわり」。このテーマで、町中はもちろん、海岸や自然の中にアートが展開されます。

◆「いのちのてざわり」
(聞き手:鈴村健一)
小林:都市でやるイベントに比べれば正直、利便性が良いわけではないんですよね。だけどなんといってもリアス式海岸の雄大かつ繊細な自然がある。そこでアーティストが、この地域の歴史や人柄とか現代の捉え方などを考えながら作品に込めることで色々と化学反応起こしていくわけないですよね。8年が経ちましたけれども、8年前に漁師さんたちは「生きるってこういうことだったのかとずいぶん気付かされたんです」と言っていた。人間も自然の一部として生きていくことなんだみたいなことをよく聞いたんだけれども、何年かたつと薄れてきちゃうんですよね。おそらくREBORN ARTは、僕らがどういうつながりの中で生きる実感を感じられるのか、ということを呼び起こす・呼び覚ますためのイベントなんだろうなという気はしています。

ーーーーそこからイベントのテーマ「いのちのてざわり」につながっていく、インスパイアされているということですよね。
小林:そうですね。人間にとって、一瞬不快に思えることでも、その先に何か気づかせてくれることがあってね。新しいポジティブの前にはネガティブって絶対にあるんだと。自然の摂理なんだな、みたいなことは思っていますね。

ーーーー必ず負のものがあって、それも抱えていかなければいけない。そこから逃げることは難しいしできないのが人だと思いますし、それを抱えてそれを抱えながら小林:前に進む。まさにそれがリボーンになっていれば良いなと。負を負として捉えるのではなくて、そういうものが自分の中で力になる、活力になるようなことがあとから感じられたらいいなと感じましたね。


ということで「いのちのてざわり」をテーマにアートを展開するアーティストは、草間彌生、増田セバスチャン、名和晃平、真鍋大度、浅野忠信などなど60組。この豪華なアーティスト陣が、彼らの解釈で「いのちのてざわり」を三陸の自然の中で表現しています。

明日もリボーンアートフェスティバルについてお伝えします。
★REBORN ART FESTIVAL 2019 サイト

2019年8月5日

音楽プロデューサー・小林武史さんと「REBORN ART FESTIVAL」?

今週は、音楽プロデューサー・小林武史さんのインタビューをお届けします。

小林武史さんは東日本大震災以降、東北で積極的に活動。宮城県の牡鹿半島と石巻市街地を舞台にした、「REBORN ART FESTIBAL2019」の実行委員長でもあります。

8月3日(土)に開幕したこのアートフェスは「アート」「音楽」「食」を楽しむことのできるお祭りで、9月29日までほぼ2ヶ月に渡って行われます。

◆石巻とのつながり
(聞き手:鈴村健一)
ーーーーまず小林武史さんが石巻とどうつながったのかを伺いたい。
震災前からap bank、bank bandという活動をMr.Childrenの桜井くんと(やっていた)。作ったのはもともと坂本龍一さんとかと一緒に作って活動していたんですけども、環境、循環、つながりを考える中でボランティアで行く体制はできていてですね。

ーーーーもうすでに土壌が自分のなかにあったということですね。
石巻専修大学のグラウンドには、有事の際にボランティアを受け入れる取り決めがされるところだったんですね。それで、どっとみんなが繰り出していけるようになったところで、「復興」ということが叫ばれるようになるんだけど、もともと僕は音楽でフェスをやっているけど、僕の経験では、音楽のフェスは滞在する日数も3日間程度なんですよね、そこで、瀬戸内国際芸術祭とか、新潟の大地の芸術祭のような地方型のフェス、現代アートが有効だと思って。音楽はみんなでわーっと楽しくひとつになる力を持っていますが、一人一人が震災のあとに「生きる」ということを自分のこととして捉えるには、音楽で一気に盛り上がる時間だけでは無くて、現代アート(が有効だと考えた) 現代アートは、社会や未来に対してのメッセージを批評眼を持って作品に込めて良いポジション、役割を持っている少ないメディアという感じがしたんですよね。そこからグッと入り込んでいったという感じでした。


このアートフェスは2017年に第1回が行われ、今年が2回めとなります。石巻市街地、牡鹿半島、東松島、松島、女川など7つのエリアで、およそ60組のアーティストの作品が展開。ちなみにARTの語源は「生きる術(すべ)」ということで、REBORN ARTには「人々が、生きる術を蘇らせ、取り戻す。」という意味が込められています。

明日以降、リボーンアートフェスティバルの内容も色々紹介していきます。
★REBORN ART FESTIVAL 2019 サイト
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パーソナリティ 鈴村健一

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