2019年9月5日

阿蘇「地獄温泉」復興ファンド(1)


熊本県南阿蘇の「地獄温泉・青風荘」は2016年の熊本地震とその後の豪雨災害で、大きな被害を受けました。温泉施設の一部、「すずめの湯」が再開したのは、今年4月。温泉や宿の復旧と再建は、まだまだ道半ばです。

そんな中、青風荘では現在、「熊本地震被災地応援ファンド」を通じた寄付と投資を呼び掛けています。
お話は、社長の河津誠さんです。

◆「地獄温泉を応援することは南阿蘇を応援することに直結する」
残念ながら道路インフラが回復されず、道路インフラが戻ったのが今年の4月16日。熊本地震からそこまでの2年は本当になにもできない状態でした。でもその2年間がわたしたちにいろんなことを考えさせてくれました。まず被害を受けた建物を解体する中で、江戸時代からやっているので古い基礎や先人たちが初めてこの土地に入ってやりとげた仕事がたくさん見えてきたました。山の中の一軒宿、江戸時代から、歩いてしかこれない場所にどうしてこんなに一生懸命温泉施設と宿を作ったんだろう?そこでわたしたちに見えてきたものがあります。それは先人たちがこのエネルギーを感じていたからだと思います。阿蘇の下にはマグマのエネルギーがいたるところから湧き出している。その一つが地獄温泉です。このエネルギーを皆さんに届けるために復興しよう、ということになりました。
復興の途中にはいろんな困難がありましたが、3万坪の敷地のおよそ半分を復興して、旅館を再建したいと考えています。熊本地震から3年が経つがまだ復旧は一割ほど。「すずめの湯」だけで、いろんな建物はまだこれから作っていかなければならない。阿蘇大橋もまだできていないけれど、わたしたちのように山深いところにはまだまだたくさんの人たちが被害を受けたまま立ち直れないでいます。その人たちのためにも、わたしたちは灯りになりたい、成功者になりたい。わたしたちを応援していただくことは南阿蘇を応援していただくことに直結します。ぜひ応援していただいて、できればお越しいただくことをお願いします。


「被災地応援ファンド」は文字通り、「ファンド=金融商品」。半分が被災地への寄付、半分が復旧や事業再建への投資にあてられます。再建に向けた目標金額は「3000万円」。ファンドの説明会には“被災した事業者の復興を長期的にサポートしたい”という方が参加していました。

「熊本地震被災地応援ファンド」はコチラから。
地獄温泉「青風荘」オフィシャルサイト

明日もこの話の続きです。

2019年9月4日

福島県大熊町・ネクサスファームおおくま3

引き続き、福島県 大熊町に開業した植物工場「ネクサスファームおおくま」からのレポートです。

完全屋内栽培、温度や湿度、光やCO2などはコンピュータ制御、安心安全なイチゴ作りをスタートさせたネクサスファームおおくま。すでに出荷も始まり、どんどん生産を増やしていくといいます。福島第一原発の立地する町ということで、イチゴに値段がつかないなど、風評被害の懸念もあったようですが、これも心配には及ばなかったと言います。工場長・徳田辰吾さんのお話です。

◆価格もまっとうに評価
いまの品種は「すずあかね」ですね。出荷先は販売会社として業務用イチゴは「杜のいちご」さんという会社を立てていますので、そこに全量販売させていただいて、そこから東京の市場に流れている感じですね。そこから全国の製菓、ケーキ屋さんなどの会社に出荷されています。卸値は全然悪くないです、ありがたいことに。値段がつくかどうかというところがやっぱりありましたけれども、業務用のイチゴは福島県産とか関係なく需要があります。日本では夏のイチゴ、この時期のイチゴはほとんど輸入に頼っていますので国産イチゴが極端に少ないんです。出荷が始まってこれまでで1トンくらいの出荷をしています。




ネクサスファームおおくまではこの秋以降「すずあかね」に加えて、「よつぼし」「とちおとめ」「かおり野」「やよいひめ」「ふくはるか」の全部で6品種のイチゴを生産していく予定。また、育てる株の数も9月には1万9千株追加、来年2月には11万2千株を追加。最大15万株のイチゴを育てられるそうです。

こうしてようやく走り出した大熊町の農業。渡辺利綱町長も大きな期待を寄せています。

◆復興していく姿を見てほしい
8年5ヶ月というのは本当に長い時間だったわけですが、こうやってようやく収穫の日を迎えられたことについては町の復興に大きく寄与する。これから町の農業の牽引役といいますか、一次産業どうするんだという大きな課題がありますので、風穴を開けるというか、町の農業を引っ張っていく大きな役割を果たしてくれているとわれわれは確信しています。まだ大熊町は復興途上というか、これから本当に紆余曲折、いろんな障害があると思いますけども、これが一つの大きな節目になれば良いのかなと思っていますし、大熊町が頑張っている姿をお世話になった皆さんに示せる良い機会だとわれわれは解釈しています。そういった点でももっともっと頑張ってしっかり復興している姿を見てもらいたいと思っています。



ネクサスファームおおくまのイチゴは現在、製菓、つまりショートケーキなどに使うイチゴの出荷のみですが、これからは品種も増え、県内のスーパーなどに並ぶ
生食用も出荷されていく予定となっています。お隣、宮城県の山元町は震災後、イチゴのブランド化に成功。全国区のイチゴの産地になりました。かつて「フルーツの香り漂う大熊」というコピーでPRしていた大熊町の復興へ向けた歩み・・・今後も注目していきます。
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パーソナリティ 鈴村健一

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