2019年9月25日

台風15号被害 障がい者支援施設「みずほ学園」

台風15号による影響で多くの老人ホームや障害者施設でも停電が発生していました。災害時、お年寄りや障害のある方はいつも以上にストレスを抱えがちです。番組ではそんな弱い立場の方たちを支える現場に足を運びました。

千葉県勝浦市の障がい者支援施設「みずほ学園」。山の中にある施設で、夜間通じて生活されている方は63名。当時の様子を副施設長の山口秀一さん。施設長の佐瀬義雄さんに伺いました。

◆「ちょっとした生活の変化で情緒不安定に」
人の確保、職員の確保ができるかどうかが今回も一番課題となったんですけど、実は職員も被災して家の屋根が飛ばされたとか被災した職員がいたんですけど、そちらよりもここの利用者さんの生活を優先してくれてほぼ全員の職員が来てくれて利用者さんの支援をし
てくれました。もしこれが途中の道路が(寸断などで)来ることができなくなった場合に利用者さんの生活を守れるのかどうかという課題はいつもあります。
あとは停電になって、暑い中で障害をお持ちの方が過ごすという厳しさはとくに感じました。生活のちょっとした変化で情緒を崩されたり気持ちが不安定になる方もいますので。まず電気がつかないこと、エアコンがつかないこと、テレビが映らなくなると情緒崩されたり、ちょっとした変化でも私たちが感じるよりも敏感に感じる方もいるので、でもそれを支援する職員が十分配慮してくれるのでそれほど大きな問題は今回はなかったです。
幸い自家発電で井戸水が使えたのでそれは普段の備えがあってよかったです。あと2日間停電になって感じたのは外の情報が入らないこと。PC、スマホ、全くテレビも付かないので自宅からラジオを持ってきて唯一の情報源になりました。やはり情報の収集が必要かなと思います。ましてこのような利用者さんが24時間いる施設では情報が重要かと思います。テレビが映らないとやっぱりラジオは持っていた方がいいですね。少しでも情報が入ってくるので。


いざというとき、弱い立場に置かれている人たちをどう支え、備えができるのか。
まず「職員の確保が大事」ということでしたが、ほぼ全職員が集まったというみずほ学園では、停電の夜間、入居者さんが不安にならないように、普段より多いスタッフを配置することができたそう。そして「電源の確保が一番重要」とのこと。その点、小さな発電機があったので井戸水をくみ上げることはできたそう。今後は、太陽光発電を取り入れたいと話していました。また「情報収集がいかに大事か」、これも今後の教訓になりました。携帯ラジオ、お持ちでない方は備えていただきたいと思います。

2019年9月24日

鴨川自然王国(2)

今朝はきのうに引き続き、台風15号による被害の大きかった千葉県鴨川市、農業体験の受け入れや、カフェもやっている農業組合法人
「鴨川自然王国」のレポートです。

こちら、加藤登紀子さんの娘さん、Yaeさんの活動拠点でもある場所です。
12日間停電が続き、電気復旧後も屋根やビニールハウス、農地などの復旧作業が続いています。鴨川自然王国は、「自然に寄り添い暮らす場所」というコンセプトがあって、太陽光パネルを使って発電するなど、できる範囲での“自給自足の暮らし方”を提唱しています。
今回の災害で見えてきたこと。代表、藤本博正さんに伺いました。

◆エネルギー分散
今回の災害で僕らの生活がどれだけ電気に依存度が高いのか、というのがよくわかる。そういった時に太陽光パネルがうちでは役立ちました。昼間発電している間はそこから冷蔵庫2台とPCやスマホを充電できたので。あと必ず集落には寄り合い所というのがありますけど、去年ちょうどこのような災害に備えて発電機を買っていたんですよね。それがこの集落ではみんなの集まる場になったり、意見交換したり、お酒飲んだりご飯食べたりっていうコミュニティスペースになりえたので、災害に備えて発電できるものを何か用意しておくっていうのはすごい重要なことだと思いました。
あと自分のテーマとしてライフスタイルに取り組んでいることは「エネルギー分散」。一つのエネルギーに依存し過ぎないように、例えばガスはプロパンガスで煮炊きができるように独立していたのは大きいこと。それがダメだった時は例えば七輪とか釜土みたいなものがあってもいいですし。そういう意味ではうちは森の中に住んでいるので薪も常備していたので、冬に雪で閉じ込められた時には薪の暖炉で、オーブン付きの薪ストーブなのでこれで料理もできるし。自分たちで楽しみながら災害時にも活躍できるようなアイテムを吟味しながら設置しているので、こういうのが何かしらのヒントになれば幸いかと思いますけど。


「エネルギー分散」、例えばオール電化の方は、カセットコンロの準備などが災害時には役に立ります。また「集落で発電機を買っていたのが助かった」とのこことですが、こうした災害時は外からの支援が来るまで時間がかかることもあります。その場合に備えて、地域で、またはマンションなどのコミュニティごとに発電するものを備えておくのも必要と感じました。

LOVE&HOPE、明日も千葉・被災地のレポートをお伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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