2014年12月10日

12月11日 被災地に年賀状を届けるプロジェクト「元気メール」(4)

阪神淡路大震災のときに始まった「元気メール」。
被災地の仮設住宅で暮らすお年寄りに励ましの手紙を贈るプロジェクトです。

活動の中心は、神戸のNGO「アセック」の理事長、瓜谷幸孝さん。東日本大震災以降は、毎年お正月に、東北の住宅に年賀状を直接手渡しています。

瓜谷さんは、阪神淡路大震災のとき、福島県相馬郡の女性から届いた一通の「手紙」を、ずっと大切に保管してきました。

『神戸の皆様へ

突然ラジオから流れてきた深夜放送で、震災にあわれた方々への元気メールのことを知り、ペンをとりました。

私は今、福島に住んでいます。テレビで神戸の震災のニュースを見ましたが、身体を患い、ほとんど外出できません。ボランティアに参加できず、悲しい思いでした。
メディアから流れてくる、復興へとがんばっている人たちは、本当にすばらしいと思っています。ですがその一方、まだ仮設住宅でこの寒い冬を何度も過ごしてきた 一人暮らしのお年寄りもいらっしゃるのを知り、私には何も出来ない自分が悔しいです。

何をつづったらいいのかわかりませんが、どうか希望を見いだしてください。小さなことでもいいから。

もし悲しい時、やりきれない時がきたら、私に吐き出してください。はげますことしか今の私にはできません。私も早く外で自分の足であるけるようがんばります。

寒くなるのはこれからですね。体に気をつけて、風邪などひかないように。』



瓜谷さんがこの手紙をもらったときは、神戸の震災から1年目を迎えるときで、瓜谷さん自身も被災し、ボランティア活動に疲れ果てていた時期。この手紙を何度も読み返しては涙していたといいます。

その後、この手紙を仮設住宅に住むお年寄りに朗読するようになり、お年寄りから、「観音様みたいやなぁ」「元気が出てくるわぁ」と喜ばれ、 元気の出る手紙から「元気メール」と呼ばれるようになったそうです。

☆★☆★

アセックでは今年も東北の仮設住宅へ贈る「元気メール・年賀状」を募集しています。

宛名は「被災された方へ」としてください。内容は季節の言葉や、自分の趣味や日常のことなどなんでもOK。被災された方への気持ちを込めて、綴ってほしいということ。
また書かれた方のお名前と、年齢、住所もお書き添えください。

年賀状は、封筒に入れて、アセックの事務局あてに送ってください。
瓜谷さんたちアセックのメンバーが、来年の正月、宮城、福島の仮設住宅に直接届けます。

<送り先>
〒655−0046
神戸市垂水区舞子台8丁目16番16−604
NPO「アセック」宛

締切は、12月27日。
詳しいお問い合わせはアセックまで。
お問い合わせ
TEL&FAX 078−798−6764
携帯 090−6735−4253

また今回の宮城、福島、長野に行く交通費・宿泊費等のカンパ支援もお願いしています。今回は瓜谷さんはじめ、不登校の中・高校生を連れて直接手渡すということです。

<カンパ支援について>
郵便振替
口座番号:01190−6−15837
口座名 :アセック
□摘要 :元気メール年賀状 活動支援

2014年12月10日

12月10日 被災地に年賀状を届けるプロジェクト「元気メール」(3)

阪神淡路大震災のときに始まった「元気メール」。
被災地の仮設住宅で暮らすお年寄りに励ましの手紙を贈るプロジェクトです。

活動の中心は、神戸のNGO「アセック」の理事長、瓜谷幸孝さん。東日本大震災以降は、毎年正月に東北の住宅に年賀状を直接手渡しています。

昨年のお正月には、福島県の相馬にも足を運びました。そこで、17年の時を超えた「不思議な出会い」があったそうです。

◆福島から神戸、再び福島へ
去年は福島県のほうにも回った。福島からは阪神淡路大震災のとき、わたしに「元気メール」を送ってくれた方がいた。この方は自宅で寝たきりで、「遠く離れていても、手紙一枚はがき一枚で被災者を励ますことができるのなら」ということで「元気メール」を送ってきてくれていた。
わたしはその住所を訪ねて、彼女のところを訪ねていった。出てきたのがお父さんで「この字はうちの娘です」と言われて、一時間ぐらいすると本人が帰ってきて、「今度はあなたがこれを読む番です」ということで、彼女にオリジナルの手紙を手渡した。
なんでこの手紙をもらってから17年持ち続けていたのかと考えたら、自分は阪神淡路の震災のときいろんな仮設にお邪魔したときに、彼女の手紙を朗読していた。この手紙に書かれている文章の中で「自分は家で寝たきりだけど、いろんなつらいこと、やりきれないことがあったらわたしに全部吐き出してください。励ますことしかいまのわたしにはできません」と書いてあって、「元気メール」の原点は全部この手紙にあると思った。それは、自分のことより相手を思いやるということ。彼女は、自分も寝たきりなのに、会ったこともない、仮設住宅で一人で暮らすお年寄りのために手紙を書いてきてくれた。仮設住宅でこの手紙を読んだら、お年寄りからすすり泣きが聞こえてきた。「あったかいなあ、なんの縁故もないのにわたしたちを心配してくれてる。わたしが返事を書きます」と今度は仮設のお年寄りが元気メールに参加してくれた。こうして、元気メールはいろんな神戸中の仮設住宅に広がっていった。


17年前に瓜谷さんが受け取った「元気メール」は、達筆な縦書きの文面。文章もとても上手だったので、瓜谷さんは、手紙の差出人はてっきり高齢の女性だと思ったそうです。

◆元気メールの原点がこの手紙にあった
こんな手紙がかけるんだから、年配の女性なのかと思っていたが案外若い人だった。手紙を書いたときは10代後半だったらしい。小学校のときにいじめられて不登校になって、当時引きこもっていたらしい。
彼女のお父さんお母さんは、この手紙を見て「娘がこんな手紙を出していたんですね」と涙ぐんでいた。わたしは「この手紙でたくさんのお年寄りが元気もらったんですよ」と言った。手紙を渡したあと、2〜3日でお礼の手紙がきた。「先日はわざわざ福島まで来てもらってありがとうございます。今度は自分が被災者になって、元気メールをもらう側になった」と。元気メールを通してこんなつながりができるのは不思議。


阪神淡路大震災のとき10代後半だった女性は、いまでは30代。一児の母になっていたということです。

東北から神戸に送った元気メールが、17年の時を経て、再び本人の手元に届けられました。瓜谷さんが相馬を訪問したのち、女性から瓜谷さんのところにお礼の手紙が届きました。

『3.11の震災で、今度は自分が被災者になるとは、あの時 考えてもいませんでした。

震災では、多くの人が、大切な人や大切なものを失くしました。私の心の中にも怒りに似た悲しみが残っております。

そんな中、瓜谷さんが私を探して訪れてきて下さったことは、大きな救いになりました。あの手紙を大切にして下さったことはもちろん、皆様に届けて頂いた瓜谷さんの優しさに感謝し、悲しみを、生きる力にかえていきたいと思います。』


☆★☆★

アセックでは今、来年のお正月に東北に届ける「年賀状」を募集しています。
このプロジェクトに参加したい!東北の被災地に年賀状を送りたい!という方は、年賀状を書いてそれを封筒に入れ、アセックの事務局あてに送ってください。

宛名は「被災された方へ」。書かれた方のお名前と、年齢、住所もお書き添えください。

<送り先>
〒655−0046
神戸市垂水区舞子台8丁目16番16−604
NPO「アセック」宛

締切は、12月27日。
詳しいお問い合わせはアセックまで。
お問い合わせ
TEL&FAX 078−798−6764
携帯 090−6735−4253

また今回の宮城、福島、長野に行く交通費・宿泊費等のカンパ支援もお願いしています。今回は瓜谷さんはじめ、不登校の中・高校生を連れて直接手渡すということです。

<カンパ支援について>
郵便振替
口座番号:01190−6−15837
口座名 :アセック
□摘要 :元気メール年賀状 活動支援

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パーソナリティ 鈴村健一

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