2014年12月29日

12月24日 みんなで伝える富岡キッズステーション(1)

今日は福島から、子どもたちがつくるラジオ番組の話題です。

原発事故の影響で「全町民避難」が続く、福島県富岡町。富岡の臨時災害FM「おだがいさまFM」も、郡山市の仮設住宅にある「おだがいさまセンター」から放送を続けています。
そんな「おだがいさまFM」の「みんなで伝える富岡キッズステーション」は富岡の小学校5年生がつくるラジオ番組。8月にご紹介しましたが、今回はその第二弾が届きました!子どもたちの番組づくりをサポートしているのは、「おだがいさまFM」の久保田彩乃さんです。

◆「みんなで伝える富岡キッズステーション vol.2」!
富岡町は現在原発事故からの避難で、町民が全国でちりぢりばらばらに暮らしている。その中で学校昨日は福島県三春町に集まっている。幼稚園、富岡第一/第二小学校、第一/中学校が、三春町の工場跡地の中に、ぎゅっと詰まっている状態。なので、子どもたちが思ったこと、言いたいことを、「おだがいさまFM」を使って全国の冨岡町民に発信できる番組ができるといいなと思って、校長先生に相談し、番組づくりが始まった。その後、番組名も企画内容も子どもたちが先生と相談して、自分達で自由にやってくれたので、わたしは子どもたちの自由な感じを出せればいいなと思ってやっている。クラスは4人いて、今回は3人参加。女の子一人、男の子二人。女の子が長身で男の子は小柄。それぞれ個性があって、女の子はアニメが大好き。しっかりしたサクラちゃん。もうひとりコウシ君は3人の中で落ち着いていて、静かで勉強がすきな感じの子。元素が好きで最近「菌」にはまっている。ツバサ君はやんちゃで妖怪ウォッチやポケモンが好き。この子の喋り方が、非常に大人に響くものがあって、ちょっとたどたどしい喋り方ではあるが、大人にとっては心地がよくて、孫のようで、いつまでも聞いていたいという気持ちになるみたい。


富岡町の「おだがいさまFM」は、インターネットのサイマル放送で、全国各地で暮らす町民も聞くことができます。故郷を離れて暮らす町の方にとっては、貴重な情報源になっています。

富岡町「おだがいさまFM」

2014年12月23日

12月23日 今も続いている、津波と捜索と、原発事故(6)

福島県南相馬市の上野敬幸さんの自宅は、南相馬市の原町区萱浜という場所にあります。福島第一原発からは22キロ。海沿いの地区です。
上野さんは、震災の津波で、ご両親と長女の永吏可ちゃん、そして、長男の倖太郎君を津波で失いました。お父さんと倖太郎くんはいまだに行方がわからないまま。地元の消防団や、ボランティアの皆さん「福興浜団」のメンバーと一緒に、自分たちの手で今も捜索活動を続けています。

上野さんら福興浜団メンバーは、震災があった2011年から、この季節になると自宅の前に、大がかりな「クリスマス・イルミネーション」を設置しています。「明かりがなくなってしまった沿岸部に少しでも明かりを灯したい。」そんな想いで始めました。


◆「ありがとう」を伝えていない。すごく後悔している
イルミネーション、あれ僕の自宅の前なんですが、震災の年は「ありがとう」と描いた。「ありがとう」というのは、捜索を手伝ってくれている人へのありがとうではなく、震災で亡くなった方へのありがとう。
当時僕も、息子としてはあまりいい息子ではなく、両親にも一言も「ありがとう」を言ったことがなかったので、それをすごく後悔している。息子と娘に対しても同じ。いま生きている人達も、後悔をなくすことはできないけれど、減らすことはできると思うようになって、「ありがとう」という親に対する感謝の気持ちや、奥さんやあ旦那さんや子どもや友達に、僕も木村さんも、家族が生きているのが当時当たり前と思っていたけど、生きているのが当たり前という生活を、ちょっと目線を変えたら、「もしかしたら」ということが誰にでも起こり得る。後悔を減らす努力をしてほしい。明日やればいいじゃなくて、今日ありがとうと言おうとか、子どもに対してもそう。そういうことをやってもらえればなあと考えている。


上野さんの自宅前のイルミネーションには、ツリーやエンジェル、そして「ありがとう」などの文字が描きだされていました。
そして今年のテーマが「笑顔」。笑顔をかたどった顔文字も、萱浜の夜を明るく照らしています。

◆上から心配している人たちに「笑顔」を届けたい
笑顔にこだわるようになった。その笑顔というのも、亡くなった人たちが、上から心配して見ているんじゃないかなと。子どもたちが「パパ大丈夫かな」と心配して見ているんじゃないかなと。それで「安心してください」という気持ちで、今年も笑顔でいっぱいにこちゃんマークをつくりながらやった。
集まった人が亡くなった人の話になるなかで、涙しかなかったところに、いろんな迷路をつくったりして、子供達が集まって笑っている姿があって、すごくいいなと。涙からなかったところが笑顔に。菜の花の時でも花火のときでも、そういう時を少しでも増やして。灯りが亡くなった沿岸地区に少しでも笑顔が戻れば、という気持ち。



上野さんを支えるボランティア団体「福興浜団」では、毎週末、土・日と土日につながる祝日に捜索活動を行っています。
南相馬の「道の駅」に9時に集合すれば、そのままメンバーとともに活動に参加できます。

「福興浜団」フェイスブックページ
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パーソナリティ 鈴村健一

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