2015年3月24日

3月24日 女川温泉「ゆぽっぽ」


21日(土)、宮城県女川町では女川駅舎が開業。その翌日には駅舎と一体になった「ゆぽっぽ」という温浴施設も同時に開業しました。「町のお風呂」の復活を喜ぶ、地元のお母さんたちの声です。

◆待ちに待った「町のお風呂」
たのしみだよ〜。しょっちゅう行ってたんだよ〜。ここでね、食堂からご飯を取って食べて。夜9時までだからもう1回入って、それから家さいって寝るの。
(みなさんお友達ですか)そうなの。いつも一緒にお風呂入っていた。4年ぶりだよ〜。ちょっとお湯がしょっぱいのね。入るの楽しみだね〜楽しみだ。楽しみだ。


女川温泉ゆぽっぽ は元々、駅のとなりにあった温浴施設です。津波で全壊となったあと、建築家・坂茂さんによって駅舎と一体になって復活。ですから女川駅改札を抜けると、すぐ入り口があり、女川に到着していきなりひとっ風呂!なんてことも可能なんです。
21日の式典に出席していた、坂茂さんのお話です。

◆町が広がる「点」を作らせてもらった
僕は被災地で20年間、神戸をはじめ世界中の被災地でボランティア活動として仮設建築や仮設住宅を作って来たんですけど、実は復興の建築をやるのは今回が初めてなんですね。ご縁があって仮設住宅をやらせて頂いて、須田町長から復興のお仕事を頂きまして、本当にこれが初めてなんですけどやってみて、やっぱりすごく意義もあるし、自分としても今まで建物をいっぱい作ってきていますけど、その中でもひとしお喜びが強いですね。町のシンボルですけどここから町がどんどん広がっていくのは楽しみですし、その最初のひとつの「点」を作らせて頂いたチャンスは、今までいろんな仕事をやった中でもよいけじめというかチャンスになったなと。そしてこれは町長さんのアイデアなんですが、僕がずっとボランティアの仕事を一緒にやってきた日本画家の千住博さんに思い切って、ボランティアで絵を描いて頂いて。これが町のひとつの宝になりましたよね。この建物を活かしてくれたと。初めてアーティストと組んでやったのですが、絵のおかげで建物が生きて来たなという気がします。


女川温泉ゆぽっぽは、天井からは自然の光が入るよう設計されています。実際は行ったスタッフによれば「柔らかい光と暖かいお湯に包まれます」とのこと。


また浴室の壁面タイルには、日本画家千住博さんの描いた見事な富士山の絵。休憩所にも、千住さんの描いた大きな樹木と、全国から公募した「お花」を組み合わせたタイル絵もあります。

最後にゆぽっぽ支配人 吉田雅さんのお話です。

◆みんなが集まるお風呂に
4年ぶりの復活なので、きょうは大人は入湯税だけ。小中学生は無料。友達連れてくる人もいるし復興祭を楽しみながら2回も3回もくるかたもいます。単純に復活してくれて嬉しいと。昔とおんなじ泉質だねと。源泉はやられていませんので全く同じ泉質でみなさん懐かしがってもらっています。建物は坂茂先生ですので世界的に有名な方が女川町のために規格に参画してくれたのが大きなことだと思います。半分は美術館的な感じになっていますので、建物は好きな方は建物を見て回るだけでだいぶ楽しめると思います。



女川温泉「ゆぽっぽ」は今月いっぱいは大人100円!小中学生は無料となっています。
ちなみに休憩室の左右は大きな窓になっていて、お風呂上がりにお酒やジュースを飲みながら、海を眺め、さらに、発着する石巻線の姿も眺めることができます。ぜひ一度、ひとっぷり浴びに行ってみてください。

明日も、女川駅の再開にわく、女川町からお伝えします。

2015年3月23日

3月23日 女川駅ついに再開


4年ぶりの「汽笛の音」が町に響き、列車は朝日を浴びながら走り出しました。
3月21日(春分の日)。震災の影響で一部運休が続いていたJR石巻線は「浦宿―女川」間の運転を再開。石巻線は全線が復旧し、女川駅も4年ぶりに開業しました。

女川駅の始発は、午前6時12分発 古川行き。早朝にもかかわらず、地元の方をはじめ大勢の方が完成間もない駅舎に詰めかけていました。ホームで待つ人たちの声です。

◆列車はそれぞれの想いを乗せて
(石巻高校1年男子)いつも代行バスを使って浦宿駅まで言って乗り継いで高校まで40分ー50分かかりバスもぎゅうぎゅうだったが、これを使えば便利だし朝がスムーズになります。
(仙台在住の男性)年に2度必ず来ていてその度にガレキも撤去され建物が建ち、景色が代わり復興が進んで行く。今日やっと駅が開業。始発に乗りたいと思って。
(復興支援チーム)女川の支援で兵庫・愛知・徳島・高知から来ていたOBたちが今日は集合しました。電車が来るということは町に動脈が通るということ。町づくりに関わる派遣の皆が今日は集まると前から計画していた。石巻まで言ってまた帰ってきます。
(埼玉男性)かれこれ20年近く釣りをしにこっちに来ていた。散々遊ばせてもらったので今度は恩返しだなと。ゆぽっぽもできるし、クルマできても1日楽しめてお風呂に入れて美味しいものも食べられる。いままさに朝日も昇っているが女川は景色もきれい。お魚はバンバンつれる。船に乗らなくてもつれる。みなさんぜひいらしてください。


この日の女川町は見事な快晴。朝日に照らされた石巻線は、たくさんの人を乗せ、時刻通りに出発しました。







このあと女川駅前では、駅の再開にあわせて「おながわ復興まちびらき」の式典が行われ、須田善明町長は、来場者へこう語りかけました。

◆「町びらき」はまだ道半ば
きょうは「町びらき」と銘打たせて頂いておりますけど、ご来賓の皆さんもぜひ周りをご覧下さい。絶賛 大造成中です。まだまだの中でも、4年を経てようやくここまでたどり着くことが出来ました。元々、みなさまがお座りになっている地面の場所はここから数メートル下です。ここは地元の皆さんのご自宅ですとか建物がいっぱいありました。4年前のあの日に本当に残念なことが起きてしまい、そこから未来へ向かわなければならないという中で、ここまでたどり着いたわけでございます。とはいえ町全体の造成の進捗率はまだ4割弱。そのような復興の現状ではございますが、まずはみんなで喜びあいましょう。そして大きな明日へ向かっていこうではありませんか。


開業の日、女川駅ホームにはカメラを構えた鉄道ファンもたくさん。大漁旗をふって電車を見送る地元の方も。そして翌22日(日)には駅舎に併設した温泉施設「ゆぽっぽ」も開業して、すでにたくさんのお客さんでにぎわっています。女川町は、これから復興事業がピークを迎えます。来年度中には、駅前の商業施設も 続々完成するということです。

明日も女川駅の再開に関するレポートをお伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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