引き続き、宮城県 牡鹿半島 牧浜の牡蠣漁師・阿部貴俊さんのレポートです。
震災後、東京のIT企業に辞表を出し、故郷・牧浜で、40代の新米漁師として牡蠣養殖に取り組む阿部さん。牡蠣の旬は「冬」という常識に逆らい、阿部さんが育てた春から初夏の牡蠣、その名も『完熟牡蠣』は これからがまさに出荷のシーズン。
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この「完熟牡蠣」には、牧浜の海の恵みと、阿部さんの自信が詰まっています。
◆濃厚な浜の味を、ぜひ蒸し牡蠣で!
完熟牡蠣の味の特徴は、より濃厚な味。卵を持つ前の段階で、栄養を牡蠣自身が蓄える段階なので、実に栄養分が入って色んな旨味成分が蓄積されるだろいうというのがひとつ。あとは貝柱から甘みと歯ごたえが出る。これは時化を乗り越えて、その中で貝柱を食いしばって生き抜くために強くなると思う。これが春になると甘みが加わり歯ごたえの良い貝柱ができる。味としては濃厚で貝柱の歯ごたえが際立ってくると思う。私が一番美味しいと思うのは蒸し牡蠣。殻ごと調理する。殻には牧浜の海水が含まれている。鮮度が良ければ牡蠣の殻の海水は外に出ることは泣く牡蠣がびっちり閉じていて閉じ込められている。そのまま鍋に入れて少量の水で蒸すと牡蠣の中の浜の海水で蒸されて、牡蠣だけじゃなく浜の味、海の味が牡蠣に伝わりまさに海の味、牧浜の味がするという感じになる。
阿部さんによれば、生牡蠣は真水で洗うため、それぞれの浜の海水の味は楽しめないとか。地域や浜ごとの味を楽しむためには、蒸し牡蠣がおススメだということです。
そして阿部さんには、完熟牡蠣を通じて目指すものがあります。故郷・牧浜を、海の向こうへ発信するという目標です。
◆MADE IN 牧浜を世界へ!
生まれ育った浜なので自慢かというと逆に言えばここしか知らない。こんなもんかなと思いますが海はキレイですよ。海の色も冬と春と夏でまた違いますから。風向きも季節に寄って違いますし、山の色も。そういう意味では自慢の浜と言えるんじゃ無いですかね。将来的には完熟牡蠣をアメリカのNYのオイスターバーに持って行って美味しいと言わせたい。ジャパンブランドではなく、この小さな浜・牧浜という名前で牡蠣を世界に広めたい、発信して行きたい。成功させるために日々やっているので夢物語にさせないように、実現へ向けてたどり着かせたいですね。
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★フィッシャーマンジャパン
★東北食べる通信 阿部さんちのCSA