2015年6月5日

6月5日 愛情たらこのみなと(1)

今朝と、来週1週間にわたってこの番組では、東北で「おいしい食べ物」を作る人たち、食を通じて復興・地域活性に貢献する方たちの声をお届けします。

お話を伺ったのは、石巻市で30年以上「愛情たらこ のみなと」というブランドの たらこ作りを続ける湊水産の、代表 木村一成さん。湊水産のお店と工場は住宅街にあり、漁港から1キロ以上離れているのですが、木村さんは、あの日の津波は、そこまで襲ってきたと振り返ります。

◆工場の2階が避難所に
まさかここまで来るとはだれも思っていなくてですね。2mきました。業務用の大きな冷蔵庫の2階があるんですが、そこに34−35名がそこに避難して一晩二晩ですかね。水が引くまで2日かかりました。水が引いてから各自の家族を連れておいで、ここで生活しようやと。そしておじいちゃん、おばあちゃん、子どもたち、見ず知らずの人たちまで含めて80人近くが仕事が始まる5月6日まで共同生活をしました。たまたま焼きタラコが真空パックで70ケース、発泡スチロールだから水の上に浮いていたのでそれを食料にしました。三日三晩何も食べないで家族を探しに行って安否を確認していた人にも、焼きタラコを配って生き延びなとやっていた。
あの時は2日目にみんなを集めて、私は「水と電気が来たら仕事がしたいからやろうぜ」、という話をした。「はぁ?」という顔をされた(笑) 「なにを言っているの」という話になった。そこで奥さんの顔を見たら、奥さんも偉くて「大丈夫だから、やろうやろう!」って言ってくれた。その一言でムードが変わって次のステップに行けましたね。女性って強いねえ。それが今のうちがあるターニングポイントでした。そんなことを言ってしまったので、みんなで必死で、大工さんもいないから、工場の壁もぶち抜かれて機械も動かない中で、自分たちでペンキを塗って直した。5月6日に仕事再開の時には新しい原料でタラコを漬け込んで2日後にたらこができて、良かったな〜ってみんなで泣いて食べました。近所に、やっとうちのタラコができたと、配りました。またよろしくお願いしますと。そこから始まった。


こうして業務を再開した湊水産は少しずつ生産を続け、従業員を一人も解雇することなく、まる4年かけて新しい工場を建設。代表の木村さんは、地域に支えられてきた恩返しをしたい、と従業員や地元の方を守る「備え」も用意したと言います。

◆社屋が避難所に指定 従業員を守りたい
去年4月に完成。一番最初にやったのが従業員の安全。4年が経過して市役所から避難場所として認定を受けた。町内会にも、ここに逃げてください。山で寒い思いをする必要はないよとお知らせしている。200人近くが避難している。うちの取決めとして定年なし、最低75歳までは仕事をして下さい。みなさんの技術を若い人に伝授したら卒業式をしようということになっている。若い人の入社条件は、結婚しても子供を産んでも会社は辞めないというのが条件。今も産休で2人休んでいて、3人目をこないだ生んで復帰した人も。こんなに嬉しいことはない。我々としてはその子が20歳で一人前になるまでは会社をつぶせないな、ということでみんなががんばっている。



この湊水産のたらこ、着色料・添加物を使わず、「手返し」という機械を使わないこだわりの製法で知られています。実はインターネットのショッピングサイトでも、ダントツの人気を誇っています。

★そして、来週月曜日はこの、『愛情たらこの みなと』の絶品たらこをお聴きの方にプレゼント!1週間かけて、東北の『復興グルメ』の数々をプレゼントする予定です。ぜひ来週もお聴きください。

愛情たらこのみなと サイト

2015年6月4日

6月4日 仙石線全線開業・沿線のいま4

先週末に全線復旧したJR仙石線沿線からのレポート。きょうは、宮城県・石巻市です。



JR仙石線の全線復旧と同時に、「仙石東北ライン」が開業。仙台―石巻間は最速で52分と短縮されました。



震災以降、石巻―仙台をクルマや高速バスで通勤・通学していた方が、これを機に、電車に切り替えるケースも多いと言います。そしてもちろん、週末の行楽・観光に関する地元の期待も高まっています。

JR石巻駅そば、観光案内所 兼 地場産品のショップ『ロマン海遊21』 のスタッフ、石巻観光協会の桶谷修さんに伺いました。



◆地域の復興が楽しみ
4年2か月ぶりに開通。楽しみにしていた地域住民がたくさんいて、それによって交通の利便性や産業の活性化、交流人口の増加が期待できるのではないかと思っている。今までは高速バスで仙台と石巻はつながっていたが、バスは1時間30分。仙石東北ライン快速は52分なのでかなり短縮なので地域住民としては嬉しい。高校や大学に通う学生も大変だったと思うがこれで学生も利便性が上がって通いやすくなるのではないか。好きな景色は矢本駅に入ったところ。ああ石巻に近づいたなとテンションがあがる。地元に帰って来たなと。もちろん海が見える景色も好きだが矢本から石巻の景色は住宅街で、通いなれたいつもの風景が、帰って来たなと帰ってくる。今までの日常が無くなってしまったので、それが4年2か月ぶりに戻ってきて、これからどのように復興していくかが楽しみ。


高速バスだと1時間30分。これが52分になるということは、約40分も短縮されることになります。観光者にとっては「40分」時間が増えるとも言えます。40分あったら・・・なにができるでしょうか。

◆40分に、時間を足して詰め込んで!
40分。石巻は海産の町なのでたくさんお寿司屋さんがある。それぞれ特色があるので食べて、石ノ森章太郎漫画館に行ったり牡鹿半島、雄勝、北上地区も40分あれば回れるので。(牡鹿半島は無理では)いや、40分あればちょっと時間を足して詰め込んで。見どころがありすぎるので予定を再計画してもらってたくさん詰め込んでください。


ちょっと欲張り過ぎな感じもしますが。。。とはいえ、40分あればお土産をじっくり選ぶ時間にも使えそう。というわけで、石巻駅前『ロマン海遊21』のおススメのお土産を教えて頂きました。

◆金華サバの缶詰は絶品!
いま人気があるのが、石巻田代島のねこまんまクッキー。ネコ好きにはたまらない商品。なかに鰹節が練り込んであって美味しいです。あとは石巻はB級グルメの石巻やきそばがある。お土産で買う人がたくさんいる。茶色の面は二度蒸しによって発色するもの。ソースの色ではない。最後に缶詰。石巻水産の金華サバの味噌煮と水煮。脂の乗りが全然違う。大型の鯖だけが金華サバと名乗れる。水煮だとサラダなど料理上手ならバリエーションが工夫できる。かなり売れている。金華さばの味噌煮は白いご飯があれば何もいらない。貧乏学生の頃はがばっとあけてご飯にのせてそのまま食べていた。軽く2〜3杯はいける。これは美味しい!

 


そして石巻は今年もまた夏に「川開き祭り」があります。また、石巻駅から車で10分ほどの船着場から、『網地島(あじしま)』へ船で渡れば、素晴らしく透き通った海で海水浴も楽しめるそう。

仙台から52分。選択肢は広がります。ぜひ、夏休みの予定に、組み込んでみてはいかがでしょう。
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パーソナリティ 鈴村健一

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