2015年7月4日

7月1日 東松島 森の学校3

今朝も宮城県東松島から、「森の学校」についてお伝えします。

東松島市・野蒜地区に2年後に完成予定の宮野森小学校。通称「森の学校」。森そのものを子どもたちの学びの場とするこの計画で、実際に森の整備をしているのは地元の方々や子どもたち、各地のボランティアです。今年5月にも、森の手入れが行われ、たくさんの方が 斜面の笹刈りに汗を流しました。森に生えすぎた笹を刈ることで、光が入り風が流れる「健康な森」となるわけです。

そして汗を流した後は、夕暮れ時の森の中でこんな楽しいイベントも行われました!

◆1日限定! Tree Dragon BAR
「えっと、今日のお酒のおつまみは、クラッカーにハムとチーズを切って乗せたものです」
「ニコルさんレシピの鹿肉のソーセージです。日本では鹿は獲っても捨てられてしまっているんですが、こうして利用すれば美味しく食べられますからね」




森の学校にすでに完成している『ツリードラゴン』。森の斜面に寄りかかるように建てられた、大きな3階建てのツリーハウスです。ここを、一日限定のバーにして、仮設住宅に住む方々を招待して交流の場にしようというもの。森の学校長、アファンの森財団代表、CWニコルさんから挨拶の言葉がありました。

◆森の学校は間違いなく日本一の学校になる!
「ツリードラゴンバーへようこそお集まり頂きました。ようやく夜の部、バーの部をオープンしたいと思います。」「この震災があって、みなさんがすごくトラウマを受けていたので、生きている森、ひょっとしたら一日しか命が無いカゲロウもいれば、何百年も住めるミズナラの木もある。そういうところへ来たら癒しになると思ってアファンの森へ招待しました。27人の子どもと大人がいらしたんですね。その3日後に思わぬ結果が出たんです。「東松島に森の学校を作るのを手伝ってくれ」と話をもらったんです。それから4年が経過しました。私がなぜ日本に来たのか分かったんです。森の学校づくりをやるために私は来たんです。みんなの苦労を想像しようとしても、僕は経験していない。それでも、よく東松島の人たちが我々を家族にしてくれた。私は本当に幸せです。僕は死ぬまでここに来ます。僕が死んでからもうちのスタッフも、友達もきます。ただね、あんまりうるさいから来るなと言うなら来ないかも知れないね(笑) あんまりうるさいなら言ってね(笑) あと2か月で75歳ですから、ますます、未来を信じる。例えばここに山桜があるから、この辺で町とみんなが納得してくれるならここに山桜を作ろうよ。この池には珍しいカエルがいるから活かそうよと。この学校は間違いなく日本一の学校になるから、トラウマを受けた苦労した人たちが人の苦労が分かる、ここで育った子どもたちは日本のリーダーになるに違いないです。間違いないです。ずっと応援してるから、僕が80歳になったらみんな優しくしてね(笑)。じゃあバーが開いていますから、いろんなことを語り合えたら・・・」


この『ドラゴンツリー』と言うツリーハウスで行われた1日限定のバー。実はニコルさんではなく地元の奥様方が企画したものだそう。「私たちのツリーハウスで、こういうことしたい」?私たちの”という声が出たことに、ニコルさんも本当に喜んでいました。

2015年6月30日

6月30日 東松島 森の学校2

宮城県東松島から、「森の学校」についてお伝えします。

作家で環境活動家・CWニコルさんが代表をつとめる「アファンの森」と東松島市が取り組むプロジェクト「森の学校」。東松島・野蒜地区の高台には、数年後に木造の小学校校舎が完成。その隣の、山一つぶんの大きな森が、そのまま子どもたちの学びの場となる計画です。

というわけでこの森には、子どもたちが自然と触れ合うための色んな“仕掛け”が施されることになります。その一つが「サウンドシェルター」です。

◆地域の人たちが少しずつ
野口:ここが一番、森の学校ができた時に近い森のエリア。いまはだいぶ開けているけど、笹刈りをする前は一歩も入れないほど笹がうっそうとしている状態だったんです。3年かけて地域の人たちとちょっとずつ広げて、私たちがサウンドシェルターと呼ぶ森の音を静かに聞ける場所を作った。学校の授業で使えたりつらい体験も含めて森の中で話ができるような場所になる。


案内してくれたのは、アファンの森財団 事務局長の野口理佐子さん、そして地元・成瀬未来中学校1年生・山田ともみさん。

こちらがサウンドシェルターの模型…

そしてこのサウンドシェルターは、震災でつらい体験をした子どもたちが、みんなで体験を共有する、という目的もあるんです。

◆辛い体験を森の力で
山田:野蒜の人たちは、避難所が野蒜小学校だったのでそこに行って避難しました。泳ぎました。お母さんも、全員が泳いだ。お姉ちゃんはギャラリーの上にいたから泳がなくて済んだんだけど、お兄ちゃんと私とママ、ピーちゃんも泳いだ。
野口:泳いだというか洗濯機みたいになっていたんですよ。クルマも入ってきてうわあーーって。
山田:助けてーという声もひどかった。でも私は渦の中に入りそうになったんだけど、ママが教えていた子のお母さんが手を引っ張ってくれて助かった。たぶんそのお母さんがいなかったらたぶんいなかった。ママが凄く泣いて「ありがとうね」と言っていました。
野口:お尻を押して「あなたは生きなさい」って言ってくれたって言ってたね。
山田:その押してくれた女の人は亡くなっちゃって、「私がいなければ」と思っちゃって。たまに授業があるとみんなイヤで。先生は事情を知っているから、「今日は命の大切さの授業をやる」と。
野口:でも森の中だとわりと自然に、なぜ私が生き残っちゃったんだろう、なぜ助けられなかったんだろうとみんなで吐き出しあって。みんなそうなんです。
山田:もやもやが晴れる。きいてくれる人たちがいると。一人でため込んじゃうよりばーっと話すとすっきりする。
山田:本当に早いうちから心のケアをしてきた。月日がたてばたつほど深刻化していくので、サウンドシェルターのような語り合える場所が必要。


そんなサウンドシェルター。もともとは、アファンの森財団 代表のCWニコルさんが持ち込んだアイデアだそう。ニコルさんにも伺いました。

◆大きな耳?
そのサウンドシェルターは、わたしが若い頃カナダの北の少数民族と一緒に旅をして、特別なテントを建てて後ろと横にカバーをする。前は空いている。まるで大きな耳のよう。音が良く聞こえる。そこでじーっと自然の音を聴く楽しみとたき火もできる。会話がしやすい。人間が小さな焚火を見ると脳がアルファ状態で穏やかになり、心を開くことができるんです。


実は、ニコルさんが長野県で再生した里山でもサウンドシェルターは実際に利用されているそう。その中にいると、朝は鳥の鳴き声、夜はカエルの大合唱、フクロウの鳴き声、、、いろんな生き物の声が聴こえるそう。野蒜地区は海も近いので「海鳥の声も聞こえるかも」とニコルさんはおっしゃっています。

LOVE&HOPE、あしたも、東松島市の森の学校についてお伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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