2015年9月16日

9月16日 関東・東北豪雨 水田被害の現状

先週 関東・東北を襲った記録的な豪雨・水害の現場からのレポートです。

きのう、行方不明とされていた全員の無事が確認された茨城県常総市。取材したのは常総市 北西部にある「石下総合体育館」の避難所です。こちらで、赤ちゃんを抱えた30代の女性に伺いました。

◆4年前宮城で被災して、また・・・
防波堤のすぐわきだったんですけど、決壊したのがお昼くらいでその前にはもう夜中のうちに避難して。元々こっちに住んでいたわけではなく宮城で震災を経験している。避難しろと言われたらすぐ避難するというのが頭にあったので、あの時の東日本大震災に比べればモノもいっぱいありますしありがたい。お店も空いていますし。
(お子さんがいると大変では)夜中にいきなり泣いちゃったりすると周りに迷惑がかかるなと思うが、でも「大丈夫だよ」と言ってくれるからそういう面ではありがたい。でも本当は自宅に戻れると一番いいんですけど。ただライフラインが全部だめなので戻ってもどうしょうがない。近所に住んでいる方が家を片付けたりしているのでその人からいろいろ情報は聞いているが、水もないので床も流せない状況らしく。きのういったん家の様子を見に行ったが土埃がすごくて。子どもがいるので外には出せないし、電気もないからエアコンをかけることもできないし、でも部屋を閉め切るわけにもいかないし。しばらくはここにいるしかないかなという感じですね。


このライフラインの復旧ですが、常総市の情報によればきのう現在、
・電気は、16日には全域で仮復旧する見込み。
・ただ水が問題。常総市の北側・石下地区は仮復旧していますが、南側・水海道地区は冠水のため、復旧時期は不明となっています。


そして農業への被害です。鬼怒川の決壊による冠水は、かなり南の方まで広がっています。昨日の夕方現在、まだ調査できない常総市を除く県内の被害は、田んぼだけでおよそ2000ヘクタール以上。お米の被害総額は推計13億円です。
農家の方に伺いました。

◆稲刈りした米が全て浸水
稲刈りは進んだんですけど、長屋に収めてあったのが全部だめですね。一部は農協に出しているが、あと食べる分は買うしかないですね。ここは床上50センチくらい浸水。築40年で、以前は低かった。鬼怒川と小貝川の間なので親父が土盛りして建てた方がいいとかさ上げした。でも今回の鬼怒川の反乱は、このへんの地域の人は誰も考えてなかったと思うんですよ。小貝川はなんどか切れていますから。災害保険と同じように、被害者は家が無くなっちゃった方もいるので、国や行政がどのくらいやってくれるのかは分からないけど、状況に応じて助けてもらえればと思います。


JA茨城県中央会によれば、常総市では農作物の調査はこれから始まるとのことで、まだかなり被害の数字は増えそうです。

そして今後、二次災害への注意が必要です。国交省やJAは一度水に浸かったクルマや農業用の機械の、エンジン・スイッチを入れないよう呼びかけています。故障に繋がるだけでなく、感電や火災に繋がる恐れもあります。必ず整備点検を依頼するようにして下さい。
こうした情報は、県や常総市のホームページで確認できます。

茨城県情報サイト
常総市常総サイト

2015年9月15日

9月15日 関東・東北豪雨 被害の現状

今朝も、先週 関東・東北を襲った記録的な豪雨・水害の現場からのレポートです。

常総市を流れる鬼怒川の決壊。これが大きな被害を出したわけですが、今回、決壊場所にほどちかいところにお住まいの方にお話を伺うことができました。


◆決壊現場
(現場を見ながら)砂でいっぱいになっちゃった・・・斜めになっているだろ。
ここのお家の人が屋根に乗って流されちゃったんです。傾いている家があるでしょ。栗田さんっていうんだけど、物置・車庫に乗っていたら水で流されて落ちたらしいんだけど、もう姿が見えない・・・。


中澤忠夫さん。ご自宅は鬼怒川のすぐそば。決壊した地点から200mほど上流付近に、ご自宅があります。中澤さんの自宅は元々、高く土盛りをした土地にあるため自宅の床への浸水は、かろうじて避けることができたそう。ただ、1〜2軒おとなりの民家は床上まで浸水しています。また中澤さんの奥さんが語っていた、「栗田さん」という男性は、13日に遺体で発見されています。この方のご自宅は決壊地点のすぐそばでした。中澤さんは本当に 「数軒の距離の差」で助かったということになります。


※決壊地点の様子

鬼怒川が決壊したのは、10日のお昼1時前。中澤さん夫妻はご自宅から出られず、夕方頃にヘリコプターで救助されています。その時の体験を中澤さんはこう話します。

◆決壊の瞬間
そのうち、「あれ、これは鬼怒川が増水しているんだな」と思って、すぐそこが土手だから堤防になっているから、あがって様子を見た。うちの方は堤防が高くて、まだ30センチくらいは水が溢れるまではあった。ただ決壊したあたりは5センチか10センチくらいだった。それから何時間か経過したら水がざあざあと、家の玄関の外にもたまってきた。これは越水が始まったと思って、物好きだからまた堤防を見に行った。そしたら水が越水していた。そのうちに、1時すぎくらいになるとすぐそこまで水が渦巻いて入って来た。水の勢いがすごかったから、それが決壊した時だろうなと。ここの集落の人が次々とヘリコプターでつり上げられて行き、ベランダで待っていた。俺が救出されたのは5時過ぎくらいかな。


また中澤さんは、鬼怒川上流にある「五十里ダム」などがあることで、「大丈夫だ」と言う先入観があったと話します。

◆考えが甘かった
当時は、まさか堤防が決壊するとは思っていなかった。軽い気持ちだった。やっぱり甘く見られないな。鬼怒川が決壊するなんてねえよ、と甘く見ていたから。ハザードマップなんていうのは、ここは弱い地点ですよなんて分かるかも知れないけど、研究している人は少ないんじゃないかな。先入観じゃないかな。ましてや、栃木の五十里ダムが出来る前は台風だ大雨で増水したというのはあるが、ダムができて調整できるという先入観を持っていた。だから越水しても、それで終わりだなという感じ。考えが甘いということ。結果論だけど。




お話を伺った中澤さんご夫妻は、生活インフラが復旧次第、ご自宅に戻ると話していました。常総市は現在も、水道が使えない地区、電気の通っていない地区があります。冠水している地域があり、インフラの完全復旧は、まだメドが立っていません。

そしてボランティアについて。現在、茨城県、そして常総市が災害ボランティアセンターを開設しています。ボランティアはあくまで県内・近隣市町村の方のみ受け入れをしています。持参が必要なものもありますので、それぞれHPをしっかり確認して下さい。
★県災害ボランティアセンター
★常総市災害ボランティアセンター

あしたも茨城県常総市の状況、お伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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