2015年10月30日

10月30日 ネパール地震で被災した方をサポートする東北の学生の取り組み

今朝は、4月25日起きたネパール地震から半年、今朝はそのネパールの高校生を日本に招こうという、東北の学生の取り組みに注目します。

この活動に取り組んでいるのは、このコーナーでも依然ご紹介した「サポートアワーキッズ」に参加した経験を持つ、約20人の学生たちです。街頭募金などを重ねて資金を集め、来年春に、ネパールの高校生8人を仙台に招き、メンバーの実家にホームステイしてもらって、東日本大震災からの復興に取り組む被災地の今を見てもらおうというものです。
メンバーの一人で、自分たちの経験を今度はネパールの人へ繋ごうとする福島県出身の麗澤大学2年生、米山結衣さんに、この支援にかける想いを語って頂きました。


◆今までたくさんの方から支援を頂いて、海外に派遣をしてきました。今度は今年被災したネパールの子供たちに素晴らしい経験を、日本、そして東北でしてもらいたいと思って、募金を始めました。いちばん印象に残っていることは、募金をしているとき、ネパール人の方と交流できたこと。本当に偶然通りかかった方が、「こういう風な活動してくれて本当に嬉しい」と言ってくれ、そのあとに「自分も参加したいから」と、一緒に声をあげて、「ネパールのために募金をお願いします!」と呼びかけてくれました。
私はこの支援を利用して行ったアメリカの滞在先で、現地の方に会って日本の魅力や東北の魅力を伝えるプログラムに参加してきました。最初は初めての海外で不安なことがありましたが、多くの方が一所懸命聞いてくれ、知ろうとしてくれたことが印象に残っていて、自分たちも東北の魅力を最大限に伝えようと努めました。



そして、プロジェクト実現のために学生たちは、ニュージーランドのはちみつを輸入販売しているはちみつ専門店、「Pbees」とコラボレーションして、蜜蝋でつくったロウソクをチャリティ商品として開発し、今日から後期日程がスタートする「東京デザインウィーク」の会場で販売します。ロウソクの拘ったポイントについて、再び、米山さんのお話です。

◆私たちは今回、「ダルマ」と「地球儀」をモチーフにしたキャンドルキットを作成しました。「ダルマ」はとくに東北の中で、「白河達磨」という有名な達磨があって、宮城県内にも「仙台達磨」という有名な達磨があります。お客さんの願いも込められるような必勝達磨を作りたいなと思ってダルマにしました。もう一つ地球儀については、私たちが海外に行って、世界の大きさや、自分たちが経験した素晴らしさを皆さんにも伝えたいと思って地球儀にしました。蜂蜜の蜜蝋のキャンドルの匂いがとてもいい匂いで温かみのあるものなので、ぜひ一緒に楽しんでいただければ嬉しいなと思います。


来年春の実現に向けて、米山さんたちの活動は続きます。「東京デザイナーウィーク」の会場では、チャリティ商品のロウソク販売の他に募金箱も設置されるので、ぜひ足を運んでください!

そして米山さんも参加した、東日本大震災の被災児童の自立支援プロジェクト「サポートアワーキッズ」の海外ホームステイは、現在、ポーランドとスイスに行く中高生を募集中です。
被災地に暮らしていて、ホームステイに参加してみたい、またはお子さんを参加させてみたいと思った方は、ぜひ「サポートアワーキッズ」のホームページを訪ねてみて下さい。
サポートアワーキッズ

今朝は、4月25日起きたネパール地震から半年、そのネパールの高校生を日本に招こうという、東北の学生の取り組みに注目しました。

2015年10月29日

10月29日 あすと長町仮設住宅のコミュニティづくり2

きのうに引き続き、仮設から災害公営住宅へ生活拠点を移す人たちの、新しい「地元作り」についてお伝えします。

宮城県仙台市太白区「あすと長町仮設住宅」。この、200戸を超える大規模な仮設住宅には、岩手・宮城・福島それぞれの避難者が入居したため、新たなご近所づきあい・コミュニティづくりが課題でした。

ただ、住民の方々が主体となって、様々なサークルを作り、自治会も立ち上がったことで、2012年には住民同士の交流も活発になったと言います。

そして現在。仮設で暮らしてきた住民の方たちは、新たな課題に向き合っています。この仮設住宅で、コミュニティづくりに関わって来た東北工業大学の准教授・新井信幸さんのお話です。



◆仮設から公営住宅へ
(震災から)1年後に、安心できるコミュニティ、楽しみながら関わり合い、支え合う関係ができたと言いましたが、今後どこに暮らすかが課題。みんなが災害公営住宅に住みたいという考えで一致するわけではない。被災したところの近くに集団移転して自力再建して住宅を建てたいという人もいっぱいいる。一方、地元の公営住宅に戻るよりも、あすと長町のとなり近所の関係でいられるほうが安心だという選択をした世帯が80世帯くらいいた。仮設住宅は233世帯なので3分の1。公営住宅は320戸くらいできたのでまだいっぱい余っている。(市外や県外など)外から来る状況になる。仮設住宅が始まった当初と同じような状況に、公営住宅がなっていく。。。


すでに、あすと長町仮設住宅のすぐそばには、3棟の復興公営住宅が完成。今年の春から入居が始まっており、この公営住宅には、また新たに、別の地域から避難者が入居してきています。つまり、再び「ご近所づきあい」をどうするかという課題が出てきたわけです。

そして現在。仮設で生まれた自治会のメンバーや、新井さんなどによって、新しいコミュニティづくりのための取り組みも始まっています。

◆集会所をカフェに
各復興公営住宅の1階の集会所ができたので、そこを閉めてしまうのではなくなるべくアイデアでどんどん使っていこうと。我々の方で先行して、こういう使い方ができるよというお見せしようと。先日から段ボールを使って棚を作るワークショップをやったりした。段ボールに絵を描いたりして作る棚。非常に楽しくオリジナルな棚ができるのだが、おじいちゃんおばあちゃんが来てくれたり小さい子供が自分のおもちゃ箱を作りたいとやってきたり、その「作る過程」がコミュニケーションの場になる。
ソフトとしての活動があるのは大事だが、やはりハード・空間としてみなさんがフラットより安い空間にしていくのは我々建築家の役割。そこでよく言われるのがカフェのような作りにしようというもの。例えばウッドデッキを作ってそこからスムーズに入れるとか、利用の仕方も靴を履き替えず土足で入れるようにすると車いすの方もそのまま入ってくれる。「町の縁側」のようなもの。古い農家には必ず縁側があり、そこでは隣近所の方々が玄関ではなく縁側から声をかけて座ってお茶を飲んだり。一番南側で日の当たる暖かいところ。そこで昼寝もできる。
縁側のように内と外を緩やかにつなぎ、スムーズに入っていけるような集会所が求められている。今までの集会する機能よりも、ちょっとした居場所として使える、ふらっと寄れる空間づくりも求められている。


LOVE&HOPE。今朝は、宮城県仙台市太白区のあすと長町(ながまち)仮設住宅のコミュニティづくりについて、お伝えしました。お話にあった「あすと長町の災害公営住宅」。すでに完成しており、実際エレベーター脇に縁側のようなベンチを置いたり、1階集会所には、オープンデッキができたり集会所にも工夫があるそう。

新井准教授によれば、「集合住宅で、集会所の役割は非常に大きい」という。私たちのイメージだと、コンクリートの四角い建物、クローズドなイメージですが、こちらの集会所は「縁側」のような、開放的でみんなが ちょっと立ち寄れる役割だといいます。実際最近は、集会所を「カフェのようにする」ところも多いとのこと。

その他、元自治会メンバーの方々は、「ご近所づきあい」を作るための様々な取り組みをしているようで・・・これはまた追ってお伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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