2015年11月18日
11月18日 相馬高校放送局が伝える福島 ?
昨日に引き続き福島県相馬市の高校生たちが伝える、福島のリアルについてお伝えします。
県立相馬高校放送局では、震災後、原発事故後の生活を記録したドキュメンタリーなどを次々制作。これまでに作られた作品は全国で反響を呼び、各地で上映会も行われています。
そして現在、相馬高校放送局は、2年生部員・8人で活動が続いています。いまの放送部員は、4年前の震災と原発事故を、どんな風に捉えているのでしょうか。放送局・顧問の升田邦弘先生に伺いました。
◆震災が「ピンとこない」世代
一人は浪江町、その他の7人はもともと南相馬に家があった子が1人、あとは相馬、そして北の新地町ということろ。震災について生徒たちが話しをするということは確かにない。体験が一人一人違うのも大きい。自分の体験よりもっとひどい体験をしている可能性があるので、話しをすると人を傷つけちゃうんじゃないかと。いまの高校2年生は当時小学6年生、高1だと小学5年生だった。震災時小学生だったので放射能のことなどは大人たちがどういうことを考えていたのかは、よく分からないし震災のことはピンとこないという生徒もいる。それは前の世代の高校生たちとはちょっと違うのかなと思う。だんだん震災のことが薄れていくということに対して、いまの放送局の子達、特に浪江出身の子たちは「いろんな人の想いを形にするということをきちんとやっていきたい」という想いがあるようで、浪江から避難した子たちは心の中に整理できない部分を持っているのかなと。思っていることも言えずにここまできているという部分を感じた。例えば放送局の子たちは放送番組を作るという手段を持っているけれども、手段を持っていない子供達もいるわけで、聴く人はこの作品を聴いてそれが全てだと思われても困るし、ただ震災がまだ終わっていない部分が大きいというところに気づいてもらいたい。そこに気づいてもらえればそれでいいと思う。
こうして、震災当時まだ小学生だったという放送局のメンバーは、先輩たちと同じように、福島のリアルを放送作品にしています。
◆故郷を伝えゆく
いま現在だと、作品3本を完成させたところ。1本は「故郷を伝えゆく」。浪江町請戸という津波の被害もあったところの小学校に通って居たタマノくんという生徒が作った作品。同級生で郡山に避難している女子生徒の友人がいて、その子が浪江町の請戸に伝わる田植え踊りを震災後もやっていて、それを取材してさらに制作者・タマノくんの震災を伝えていくという自らの想いを語っていくという作品。
お話に出てきた浪江町(なみえまち)の請戸(うけど)地区は福島第一原子力発電所より10km圏内にあり、津波の被害も受けた地域。現在は避難指示解除 準備区域となっています。
請戸の田踊りは請戸地区に300年前から伝わるという郷土芸能。地元の方がバラバラに避難している現状では、その伝統を継承することすら困難とされています。
相馬高 放送局・タマノくんは、そこに焦点を当てた作品を作ったわけですが・・・この続きは明日のこの時間お届けします。
県立相馬高校放送局では、震災後、原発事故後の生活を記録したドキュメンタリーなどを次々制作。これまでに作られた作品は全国で反響を呼び、各地で上映会も行われています。
そして現在、相馬高校放送局は、2年生部員・8人で活動が続いています。いまの放送部員は、4年前の震災と原発事故を、どんな風に捉えているのでしょうか。放送局・顧問の升田邦弘先生に伺いました。
◆震災が「ピンとこない」世代
一人は浪江町、その他の7人はもともと南相馬に家があった子が1人、あとは相馬、そして北の新地町ということろ。震災について生徒たちが話しをするということは確かにない。体験が一人一人違うのも大きい。自分の体験よりもっとひどい体験をしている可能性があるので、話しをすると人を傷つけちゃうんじゃないかと。いまの高校2年生は当時小学6年生、高1だと小学5年生だった。震災時小学生だったので放射能のことなどは大人たちがどういうことを考えていたのかは、よく分からないし震災のことはピンとこないという生徒もいる。それは前の世代の高校生たちとはちょっと違うのかなと思う。だんだん震災のことが薄れていくということに対して、いまの放送局の子達、特に浪江出身の子たちは「いろんな人の想いを形にするということをきちんとやっていきたい」という想いがあるようで、浪江から避難した子たちは心の中に整理できない部分を持っているのかなと。思っていることも言えずにここまできているという部分を感じた。例えば放送局の子たちは放送番組を作るという手段を持っているけれども、手段を持っていない子供達もいるわけで、聴く人はこの作品を聴いてそれが全てだと思われても困るし、ただ震災がまだ終わっていない部分が大きいというところに気づいてもらいたい。そこに気づいてもらえればそれでいいと思う。
こうして、震災当時まだ小学生だったという放送局のメンバーは、先輩たちと同じように、福島のリアルを放送作品にしています。
◆故郷を伝えゆく
いま現在だと、作品3本を完成させたところ。1本は「故郷を伝えゆく」。浪江町請戸という津波の被害もあったところの小学校に通って居たタマノくんという生徒が作った作品。同級生で郡山に避難している女子生徒の友人がいて、その子が浪江町の請戸に伝わる田植え踊りを震災後もやっていて、それを取材してさらに制作者・タマノくんの震災を伝えていくという自らの想いを語っていくという作品。
お話に出てきた浪江町(なみえまち)の請戸(うけど)地区は福島第一原子力発電所より10km圏内にあり、津波の被害も受けた地域。現在は避難指示解除 準備区域となっています。
請戸の田踊りは請戸地区に300年前から伝わるという郷土芸能。地元の方がバラバラに避難している現状では、その伝統を継承することすら困難とされています。
相馬高 放送局・タマノくんは、そこに焦点を当てた作品を作ったわけですが・・・この続きは明日のこの時間お届けします。