2015年12月1日

12月1日 福島県相馬市出身 巨人・鈴木尚広選手2

今週は、福島県・相馬市出身。読売巨人軍・鈴木尚広選手のインタビューをお届けしています。

球界を代表する、「代走のスペシャリスト」。鈴木選手が出る=盗塁する。相手も完全に警戒している。それでもこの選手は盗塁を決めちゃう。1塁から2塁まで鈴木選手は、3秒もかからない。その数秒のために、この選手、午前11時には球場入りしてナイターの準備をしているという・・・!!

ということで、その鈴木選手の「準備」について、そして、彼のスピードを後押しする存在、故郷・相馬市の人たちについて伺いました。

◆一つでも秀でることができれば。
中西:自分の中でルーティーンのようなものはあるんですか。
鈴木:もちろんあります。きっちり整っています。練習前の準備もそうですし、それも常に全部一定にやっていけば精神も全部整っているのでスムーズに行けるじゃないですか。

中西:じゃあ精神状態がいつも一定の状態で試合に。
鈴木:保つようにしています。代走と言うのはいつ行くか分からないんですよね。その中で一喜一憂しない。

中西:淡々と。
鈴木:淡々と、です。一喜一憂していたら足元をすくわれちゃうので。

中西:要するに喜んでいてもいけないんですよね。
鈴木:そうです。3回くらいまではベンチで相手の動きやゲーム展開を見るんですけど、3回以降はスイッチが入って、僕に選手たちも話しかけてこないですし、そういう雰囲気を自分で作っていくという形ですね。

中西:今年のオールスター出場。福島県相馬市の方々には、選出された時は何と言われましたか。
鈴木:友だちとかも「すごいすごい!」みたいな感じで、雲の上の存在扱いされて(笑)

中西:今までは違ったんですか(笑)
鈴木:いや、まあやっぱり同じ野球部の同級生ですから。でもちょっと尊敬されているような感じは受けましたね。

中西:でも地元の相馬市の方々が喜んでくれたのは嬉しかったんじゃないですか。
鈴木:もちろんそうですね。それで福島・相馬高校と言う名前も出ますし、それは僕にしか、野球選手にしかできないことでもあります。そういう意味では福島県の子どもたちに得意なものを見つけることの大切さを伝えられたのかなと思います。

中西:そうですよね。野球の中の「走る」ということに特化してもオールスターに出られて、しかもそのオールスターでも盗塁を2つ成功させたというのは地元の子どもたちにとっても色んな勇気を与えたんじゃないですか。
鈴木:やっぱりスタメンで出る、売って投げて走るというのが野球ですけど、一つでも秀でることができればそこまで行けることを体現して、実証できたのはよかったと思いますね。

中西:毎年元日、1月1日に相馬に帰って子どもたちと野球をしている。これは震災前から。
鈴木:震災前からずっとやっています。高校の野球部の同級生とやり始めて、子どもたちが成長して大きくなって少年野球に入ってチームができて・・・小学生と試合したり、混合で和気あいあいとして年を始めるというのをやっています。

中西:来年の1月1日はオールスターで活躍した後 初めての元日野球ですが。
鈴木:子どもたちが喜んでくれるのが一番うれしいですし、それを目指す子どもたちが一人でも出てきてほしいので、そういう意味では今年のオールスターは非常に大きかったなと思いますね。


ということで、今年も鈴木選手は 元日に相馬の子どもたち、地元の仲間と一緒に野球をします。地元を大事にしていて、地元の人たちからも愛されているのがすごく分かった。ちなみに鈴木選手のご実家はお肉屋さん兼焼肉屋さん。元日の野球教室の後は、みんなで焼肉パーティー!をやるんだそう。楽しそう!



明日は、鈴木選手が語る、東日本大震災です。プロスポーツ選手として、あの時、鈴木選手は何を考えたのか。お伝えします。

2015年11月30日

11月30日 福島県相馬市出身 巨人・鈴木尚広選手1

今週は、福島県・相馬市出身。読売巨人軍・鈴木尚広選手のインタビューを5日間にわたってお届けします。

いま、「スペシャリスト」という言葉がいま最もふさわしい選手。バッティングでも守備でもなく、「代走のスペシャリスト」として球界を代表する存在です。
競争激しいあのジャイアンツで、「代走」として絶対的な信頼を得ており、去年は代走での盗塁数・日本記録を更新。プロ19年間で218盗塁。通算盗塁成功率は8割を超え、200盗塁以上の選手としては歴代2位。

そして今年、鈴木選手は原監督の監督推薦で、19年のプロ野球人生で 初めてオールスターゲーム出場を果たしました。地元・相馬市の人たちの歓声を受け、大舞台を駆け抜けた姿を覚えている方も多いはず。まずはこれについて伺いました。



◆37歳で立った、初の大舞台
中西:いま37歳、プロ19年目。まず聞きたいのは今年のオールスター。選ばれると分かったのはいつですか。
鈴木:1か月前くらいですかね。ミーティングの時に監督が、「今回は尚広をオールスターに選ぼうと思う」って全員の前で発表してくれたんです。

中西:いきなりですか?
鈴木:そうですね。いきなりです。僕も普通の試合のようにミーティングを聞いていたんですけど、ぽかーんとしちゃいましたね。「えっ?」みたいな感じですよね。

中西:「え、俺オールスターでるの?」みたいな感じですか。
鈴木:なんか実感が全然わかなくて、人ごとのような感じでしたね。どうしたらいいのかな、みたいな。

中西:そして監督推薦でオールスターに選ばれた。理由はなんだったんですか。
鈴木:なんなんですかね・・・。

中西:直接は聞かなかったんですか。
鈴木:聞かなかったですね。まあ、親心かな・・・。

中西:「代走」でオールスターに出るということに関しては?
鈴木:やっぱりオールスターっていうのは、毎日テレビに出ているレギュラーで、超一流でずっとスタメン、先発と言う選手が出るものだと思っていたのでちょっと自分としては引け目がありましたね。代走というカテゴリで選出されたわけなので。

中西:ただ実際オールスターに行って見てどうでしたか。
鈴木:年齢も37歳ですし、周りは若い子たちばっかりだったのでマイペースにできましたね。もうちょっと緊張するかなと思ったんですけど、意外とオールスターの雰囲気を非常に楽しめたという印象がありましたね。

中西:しかもきっちり、第1戦、第2戦ともに結果を出して。
鈴木:いや〜、シーズン中よりも緊張しましたね。決めて当然、いつ走るんだいつ走るんだという雰囲気で。シーズン中は駆け引きがあるんですけど、オールスターだと、これは初球から走ったほうがいいのかなとか、いつ出るんだろうとか。シーズン中は(試合の中で)自分が出るポイントがあるんですけど、オールスターは初めてですからどこでどういう風に出るのかが分からなかったので常に準備していました。

中西:その準備について伺いたいんですが、代走のスペシャリストの準備というのはどういうものなんですか。
鈴木:だいたい僕の場合は、東京ドームだと11時くらいに入ってますね。7時間前くらいからですかね。レギュラーの人たちに比べて運動量は落ちると思うので、とにかく自分の練習をしっかり整えていくという感じですね。

中西:じゃあ試合では本当に一瞬にかけているんですが、それ以外のところはたくさん練習をしている。
鈴木:そうです。レギュラーの人よりも多く動くと自分の中で決めていて、その自分のやるべきことを淡々とやりながら試合に臨むという感じですね。

中西:駆け引きの部分。走りずらいピッチャーとかいるんですか。
鈴木:いや、僕が出るとどのバッテリーも僕に意識が働きますから、やっぱり一筋縄にはいかないですね。簡単に走れるバッテリーはほとんどいないです。

中西:でもなんで成功するんですか。
鈴木:・・・どうなんでしょうかね〜。

中西:それがすごいなと思うんです。絶対に成功させなきゃいけない場面で、警戒されていても成功しているでしょ。
鈴木:そういう土壇場で力を発揮するのが得意なんでしょうかね。

中西:そうなりてえ〜(笑)

  
ちなみに鈴木選手、今でもジャイアンツの他の選手と競走して絶対に負けないそうです。37歳となった今も「巨人で一番速い」と話していました。

ちなみに、俊足の選手が盗塁で2塁に到達する所要時間は3秒弱。「その3秒」のために、鈴木選手は毎試合、淡々と準備を続けているわけです。

ということで明日は、鈴木選手の走塁を支える「準備」、そして、その走りを後押しする故郷・相馬市の人々についてお届けします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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