2016年1月4日

1月4日 気仙沼 アンカーコーヒー1

今週は、気仙沼のコーヒーの名店、「アンカーコーヒー」に注目します!

「アンカーコーヒー」は、2005年に宮城県気仙沼市でオープン。シアトルスタイルの洗練されたデザインの店舗で、自家焙煎の美味しいコーヒーを提供するお店として人気を集め、徐々に店舗数を増やしていましたが、2011年、東日本大震災による津波で本店を含む気仙沼市内の2店舗と焙煎工場が流出。去年の春に「マザーポート店」と名付けた本店を再建しました。

気仙沼といえば、全国有数の港町で、漁業や水産加工が盛んな町。そこで愛されてきた「アンカーコーヒー」は、いったいこの町でどんな歴史を積み重ねてきたんでしょうか?(株)オノデラコーポレーションでコーヒー事業を統括する、専務取締役の小野寺靖忠さんに伺いました。

◆長靴から革靴まで、軽トラからベンツまで
アンカーコーヒーをもともとやろうと思ったのは、僕はアメリカの大学いって、90年代後半のアメリカって、すごくコーヒー文化が花開いたっていうか、アメリカ人の生活の中にエスプレッソを中心にしたコーヒーが入っていったっていう時期だったんですね。で僕はミネアポリスっていう町で勉強していたんですけど、ミネアポリスはローカルのチェーンというかショップが多くて、焙煎をしている姿が見れたりとか、焙煎の匂いが体に着くくらい新鮮なコーヒーが出てたりとかそういうのがあったので、僕もそこで朝飯食べるのもコーヒーショップだし、勉強するのもデートするのも晩飯食べるのもコーヒーショップみたいな生活をしてたんですね。だから自分の生活の中にコーヒーショップがあるのが普通だったんですよ。で気仙沼に帰ってきてからそういう場所が見つけることが出来なくて、無いものは自分で作るしかない、ほかに人にも気に入ってもらえる、そういうコーヒーショップを作れば、事業としてもやれるだろうし、自分の生活も豊かになるだろうしっていうことで、はじめたというか・・・カフェラテが飲みたかったんですよね、カフェラテが好きなので。。
魚市場の向かいにあったんで、いろんな方が利用してましたけど、漁師さんて恥ずかしがり屋の方が多いので、長靴で入ってきちゃダメなんじゃないか?とか、礼儀正しい人が意外と多いんですよね。あと1号店がドライブスルー専門のショップだったんですけど、その時はあまり身なりとか長靴どうこう考えなくていいので、もう港から船から帰ってきたような軽トラに乗ったおじさんが来て、「カフェテラください」と来て、「はい!カフェテラ入ります!」とかやってましたね。だから基本的にその時のイメージがすごくあるんで、〔僕のコーヒーショップ〕というものの使われ方の中には、〔長靴から革靴まで〕、〔軽トラからベンツまで〕っていうそういうコンセプトで、ほんとに老若男女問わず、おじいちゃんと孫が買いに来てくれたり、どんな格好でもいいし、そんな風に使ってもらえるようにこれからも頑張りたいなって。
気仙沼の内湾の開発やってますけど、内湾の海が見える船の見える働く人が見える場所でまた店をやれたらなと思ってますし、あとは12月に女川町にも一店舗、女川町の方がうちのコーヒーショップみたいなのが女川町にもあって欲しいということで、女川町にも開店しましたね。


「アンカーコーヒー」は、気仙沼の「マザーポート店」や、女川の新しい中心街「シーパルピア女川店」など姉妹店の「フルセイルコーヒー」を含めて、宮城県と岩手県で8店舗を展開。自家焙煎の商品は、オフィシャルホームページで通販もしています。
アンカーコーヒーショップ

『LOVE&HOPE』、明日は震災の時の様子を、小野寺さんに伺います。

2015年12月31日

12月30日 富岡町の「除夜の鐘」

大みそかの今夜、ふるさと富岡町の「除夜の鐘」が、ラジオから響きます。

福島県富岡町は、震災と原発事故の影響でいまも全町民避難が続いています。そこで、町の臨時災害FM「おだがいさまFM」が取り組んでいるのが、大晦日にラジオで「除夜の鐘」を届けるプロジェクト。

今朝は「おだがいさまFM」の久保田彩乃さんと電話でお話しました。

今年も特別番組で富岡の「除夜の鐘」を放送します。富岡は町民が全国47都道府県にまたがって避難生活を送っている。おだがいさまFMの放送は、タブレット端末で全国の町民に届けている。そんな町民にふるさとの除夜の鐘を届けようと企画。今年で3回目。

今年は町内の地蔵院さんというお寺。震災前は400軒ほどの檀家さんがいた大きなお寺。住職は女性で石黒華心さん。震災後は栃木県に移り住んで、栃木県下野市の慈眼寺の住職も務めながら、富岡にも足を運んで寺の様子を見たり、法事を執り行ったりしている今回は12月中旬に地元の方と一緒にお寺に入り、鐘をついてもらって事前に録音した。その音を今夜放送します。

実は富岡町は平成29年に帰町宣言をすることを目指しているが、同時に放射性廃棄物の処分場の受け入れも決まっていて、町民にとっては複雑な状況が続いています。「地蔵院」の住職、石黒華心さんにお話を伺ってきました。

◆将来の子ども達の健康を考えると・・・
誰もが考えなかったことが起きてしまったが、誰が悪かったからこうなったとはいえない非常に難しい状態だが、皆さんが積み上げてきた素晴らしい人生を根こそぎ破壊したことに変わりはない。放射能というのは恐ろしいということ。そういったすべての思い出から未来の夢からすへてが破戒されてしまった。でも誰かを恨むとか、そういうことでは建設的な生活が送れないと思うので、できるなら一生懸命除染をしたり復興のために命がけで働いてくださるかたの努力が報われて、とはいえあのあたりに汚染物質が積みあがる予定なので、なかなか快適な昔通りとはならないけれど、いまよりは心のよりどころとして、小さいお子さんは無理としても町民が集まれる故郷になればと思う。平成29年の帰還について、わたしは無理だろうと思っている。将来の子どもたちの健康を考えるととても無理。安全ならばあの辺に国会議事堂を建てる土地を提供したい。


◇富岡町の地蔵院の「除夜の鐘」は、「おだがいさまFM」の今夜の年末特別番組で、夜11時台に放送します。
◇放送は、郡山市内では通常のラジオで聞くことができるほか、インターネットのサイマル放送でも聴取可能です。またツイッターでも情報を発信しています。

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パーソナリティ 鈴村健一

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