2016年1月20日

1月19日 富岡レインボーステーション2

福島県富岡町の小学生がつくるラジオ番組の話題です。

原発事故の影響で「全町民避難」が続く、福島県富岡町。避難先の郡山市で放送を続ける町の臨時災害FM「おだがいさまFM」では、富岡町の小学5年生たちによるラジオ番組づくりをサポートしています。番組名は「いまこそ発信レインボーステーション!」。今年度は10代から80代まで、富岡出身のさまざまな世代の人に子どもたちが直接インタビューしています。

今日はその中から、第4回放送分と第5回放送分のハイライトお届けしましょう!
第4回は、80代代表、ワタナベタダミチさんのインタビュー。ワタナベさんは昭和5年生まれの86歳。昭和初期の富岡の様子とは?

そして第5回は、40代代表で、TOKYO NO.1ソウルセットのメンバー、渡辺俊美さん。俊美さんはふるさと富岡の桜の名所、「夜の森(よのもり)」の思い出です。

◆レインボーステーション第4回ハイライト
Q。今日インタビューに答えてくださるのは70代、80代の方です。
  初めに富岡町で想い出に残っている場所を教えてください。
A.わたしは昭和11年から15年ころの、あなたたちと同じ生徒でした。富岡町岩井戸という山の中で育ちました。第一小学校まで約5キロの道のり。周囲は松原や原っぱとかいろんなところで、学校では教わらないような自然の教材がいっぱいありました。動物や植物、松山にはリスが松の実を食べにやってきた。そんなところを約1時間半かけて小学校に通っていました。学校から帰るといつも真っ暗でした。
→ とっても昔のことがいろいろわかったので、昔は道具がなくても楽しい遊びをしていたと聞いたので、わたしたちも真似してやってみたいなと思いました。

◆レインボーステーション第5回ハイライト
僕の名前は渡辺俊美といいます。僕は5歳まで川内村に住んでいて、小学校に上がるときに富岡第二小学校に移り住んで、18歳まで富岡町に住んでいました。うちのお母さんが小学校の先生だったので、自分も小学校の先生を目指したんですが、なぜか皆さんと同じ小学校4年生、5年生くらいのときにギターに出会って、大学は東京に行って、音楽のほうがやりたくなって、いま音楽を26年間続けています。
Q。満開に咲いた桜のトンネルはどういうところですか?
A.夜ノ森公園がありまして、僕は富岡第二中学校の裏のほうに住んでいたんですが、さくら通りというのがあるが、ぼくがいたころは夜桜のテレビの生中継とかよくやってたんです。
Q。誰といったんですか?
A.兄弟や友達、あとは東京に行ってから戻ってきたときは仲間など。そこにいくと誰かに会えるので、みんなに会いに行くという感じでした。


渡辺俊美さんのお話に出てきた「夜の森」は、全国有数の桜の名所。震災前は、およそ500本、2500メートルにわたる桜のトンネルを観に、毎年県内外からたくさんの人が詰めかけました。

2016年1月18日

1月18日 富岡レインボーステーション1

今日はこのコーナーで継続的にお伝えしているシリーズ、福島県富岡町の小学生がつくるラジオ番組の話題です。
原発事故の影響で「全町民避難」が続く福島県富岡町。避難先の郡山市で放送を続ける町の臨時災害FM「おだがいさまFM」では、富岡町の小学5年生たちによるラジオ番組づくりをサポートしています。5年生は現在7名。それぞれの個性が生きた番組にしたいという思いを込めて、番組名は「いまこそ発信レインボーステーション!」。10代から80代まで、富岡出身のさまざまな世代の人に直接インタビューするのが今年度の目標で、先週、ついに最終回の収録が終わりました。今日からの3日間は、子供たちの一年間の成長を、ラジオ番組を通して、お伝えしていきます。

まず今日は、去年9月に放送された、第3回目の放送分の一部をお届けします。子どもたちがインタビューするのは、60代の代表、サトウカツオさん。サトウさんは〔サクラスポーツクラブ〕に所属、仮設住宅などで暮らす町民に、健康体操の指導を行っています。メインインタビュアーはミツヒコ君とマユちゃんです。

◆レインボーステーション第3回
Q 合宿の里ってどこにあるんですか。
A 富岡町のスポーツセンター、みなさん覚えてないかな〜。体育館とかテニスコートなどがあって、その隣に合宿センターというのがあったの。東京大学や慶応大学とか大学の皆さんが来て、野球の合宿で10日間合宿をしていた。皆さんのお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんに聴くとわかるかもしれない。大学の応援合戦もあって、すごかった。大学の応援団の皆さんが一堂に富岡に来て、「オッス!」という掛け声で、まだまだ日本人大丈夫!という感じでわたしも元気づけられて、富岡は「合宿の里とみおか」としてやっていた。一年に一回10月になると、東京6大学の応援団が集まって富岡体育館で応援団フェスティバルというのもあった。富岡の皆さんが集まって、ステージを使って各学校の応援学校の応援合戦を見る、というもの。おじいちゃん、おばあちゃんも観たことがあると言う人もいると思うので、ぜひうちに帰って聴いてみてくださいね。


前年度の5年生は3人でしたが、今年度は7人。番組制作も前年度とはだいぶ勝手が違ったようです。子どもたちのラジオ番組づくりをサポートしている、「おだがいさまFM」の久保田彩乃さんに、お話を伺いました。

◆「子どもたちにふるさとのことを伝えたい」
昨年の5年生と違い人数が多い7人だったが、見事に一人ずつ個性を発揮してくれた。明るい元気の子がいれば、ちょっと奥で考えてじっとしている子もいるし、インタビューが苦手な子、得意な子もでてきて、やっているうちに子供たちも自分の得手不得手がわかってきて、
番組を通して彼らが進化したような感じ。
ただ楽しいだけの子どもたちだけの番組でなく、子どもたちからの発信だけでなく、富岡について大人たちから子どもたちに伝えたいこともあると思うので、大人と子どもが相互に発信できるような番組づくりを心掛けた。おだがいさまFMの原点「富岡町のラジオ」ということがうまくとりこめて、作れたんじゃないかと思います。


現在の5年生は、震災当時、幼稚園の年長組だった子どもたち。ふるさとの記憶が徐々に遠くなる中で、この番組は町のことを知る大事な機会になっています。
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パーソナリティ 鈴村健一

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