2016年1月21日

1月21日 新たな情報発信基地「釜石PIT」1

エンターテインメントを通して被災地を応援しようと、一般社団法人チームスマイルが岩手県釜石市の中心部に1月9日、「釜石PIT」をオープンさせました。ライブのほか、映画上映や首都圏での音楽ライブビューイング、また市民の発表の場としても利用でき、幅広い活用が期待されます。

チームスマイルの代表 いわき市出身の矢内廣さんに伺いました。

◆エンタメが心の復興になれば
やっと釜石PITがオープンというのは私にとってはとてもうれしい。感無量です。
(震災から5年を迎える中で、エンターテイメントが持つ力がこれからの復興にどう役に立つと思うか?)
復興というのは地元の方たちが両足で立つんだという気持ちを持つことが一番大事。東京からいろんなエンターテイメントのコンテンツをここへ持ってきます。ですけど、それだけではいけないと思っている。この場所を地元の人達がいろんな形で楽しめたり、子どもたちが元気になるようなイベントを作ったり、そういう自分たちも夢を実現できるんだ、ということを、喚起してくれるのがエンターテイメントや文化だと思ってる。そういう心の復興というのは、価値のある、力のあることだと思っています。



この釜石PITを企画・運営するのは、釜石まちづくり株式会社 井筒健太郎さん。釜石市出身、30歳で東京からUターンしてふるさとに戻り、町づくりに関わるNPOにつとめていました。

◆3月10日に戻すのではない
震災当日は、ここ情報交流センターの近くにあった病院でセミナーをしていた。車を取りに戻ろうかどうか迷ってた時にちょうど、保育園の園児たちが避難しようとしていたので一緒に手をとって子どもたちと山へ登った。まさか街が全てのまれるとは思ってなかったので、この先どうなるんだろうと思っていたが、自分の生まれた街なので何とかしたいという想いもあった。そんな中でこのPITに繋がるんですけど、東京芸術大学の日比野克彦先生との出会いがあり、お酒を飲んだりしながら未来の釜石について語りあったりした。釜石はもともと高齢化が進んで、新日鉄も縮小化していく中で人口も減少していく状況にあった。それで震災が来たからといって3月10日に戻していいのか、3月10日よりもっといい街に作り変えなきゃいけないんだ、ということを日比野さんに強く訴えた。それに日比野さんも感動していただいて、子どもたちに夢を与えられるようなものが何か欲しいな、という話をずっとしていました。



今朝は1月9日、岩手県釜石にオープンした「釜石PIT」。PITは「Power into Tohoku!」(東北に力を)の略です。
PITは、東京の豊洲、福島のいわきに続き釜石が3か所目で3月には仙台にもできる予定です。

外壁はアーティスト日比野克彦さんの監修で、全国から送られてきたハートマークがコラージュされています。
明日も引き続き、釜石PITについてお伝えします。

2016年1月20日

1月20日 富岡レインボーステーション3

今日も、福島県富岡町の小学生がつくるラジオ番組の話題です。

震災による原発事故の影響で、富岡町から避難し、現在は福島県三春町にある仮校舎に通う子供たち。小学5年生の授業の一環としてラジオ番組づくりを行い、町の臨時災害FM「おだがいさまFM」で放送しています。

番組の名前は「いまこそ発信レインボーステーション!」。今年度は10代から80代まで、富岡出身のさまざまな世代の人に直接インタビューをしています。

今日はその中から、第6回目の放送。20代の長沼蘭さんへのインタビューです。長沼さんは富岡町桜地区の出身。現在は声優を目指して郡山市内の専門学校に通う傍ら、「おだがいさまFM」でパーソナリティとしても活動しています。

◆レインボーステーション第6回ハイライト
Q。菊地書店はどんなお店でしたか?
A。菊地書店は富岡の中央商店街にありました。小さいときからあって、家族といったり友達と夜の森から自転車で行ったり、よく行ったところでした。漫画やコミック、月刊コロコロコミックなどを買いました。
Q。「いっちゃき」ってなんですか。
A。「いっちゃき」はよのもりのほうにあった駄菓子屋さんの名前です。お菓子をかってその後堤公園のほうにいってお話をしたりしていた。


ラジオ番組づくりを通して、1年間、町の方たちにインタビューした7人の子供たち。担任の松本先生にとっても、ラジオ番組づくりは初めての経験でした。

◆富岡への考えが深まった
わたしたちも普通の教科なら教科書も計画もあるが、なんにもないので、その中で授業したり活動したりするので、子どもたちと一緒にわたしたちも成長した。驚いたり、確かめあったり、疑問を感じたりということの連続でした。もともと素直で子供らしくて元気な子たちだったが、じっくり考えるようになった。考えが深まるようになってきたという印象。去年も富岡町については勉強しているが、そこに「人」「だれだれさんから聞いた」という、住んでいる人にとっては(富岡町が)大切なところだったんだ、これからも大切にしていきたい場所なんだということは大事にしたかった。


そして5年生の感想です。

「わたしたちは5年生の一年間、ラジオ番組づくりを通して富岡町の人たちにいろいろ話を聴いてきました。みんな、ラジオ番組づくりはどうでしたか?」
「わたしは質問して、答えてくださったその答えに対して、また質問できるようになりました。」
「誰にも質問ができるようになってよかったです。」
「いっぱい練習したけど本番になったらダメだったところが難しかったです。難しかったけどまたやりたい。」


富岡町では震災前、町内の2つの小学校におよそ900人の児童が通っていましたが、現在、避難先の富岡小学校三春校に通うのは、15人。来年度は5年生がいないことから、ラジオ番組づくりは一旦お休みになります。

◇「いまこそ発信レインボーステーション」、今年度最後の放送では、富岡出身の10代にインタビュー。1/28(木)に「おだがいさまFM」で放送されます。
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パーソナリティ 鈴村健一

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