2016年4月27日

4月27日 母子避難の防災バッグ

今日も「子どもとママの災害時のメンタルケア」の話題です。お話を伺っているのは、NPO法人ママプラグ副代表、冨川万美さんです。ママプラグでは、2012年、東日本大震災で被災したママたちの体験談を「被災ママ812人が作った“子連れ防災手帖”」にまとめました。

今日はその体験談を踏まえて、授乳中の被災ママへのアドバイス、そして栄養面で気を付けたいことを伺います。

◆青汁や切干大根は重宝
いままで母乳でお乳をあげていたお母さんも、被災して母乳が出ていないんじゃないかと不安になっている方も多いと聞く。ミルクに切り替えたいと思っている方もいると思う。ただ、意外に哺乳瓶を消毒するスペースがないとか、消毒液が来ていないとか、哺乳瓶がもらえても使えなかったという例もある。そんなとき皆さん工夫されてい画のが、少しずつスプーンで飲ませるというやり方や、ガーゼにしみこませて飲ませたという例もあった。哺乳瓶を配布するなら消毒もセットで、という配慮が行き届いていればいいのだが、そういう物資が足りないということもある。
栄養面のポイントはやはりビタミン不足。炭水化物はとりやすいが、野菜は不足し、特に生野菜を口にするまでは日にちがかかってしまうので、ビタミン補給ができるサプリや青汁の粉末、切り干し大根の乾物など。一気に雑炊をつくるなどのときに、切り干し大根はすごくよかったよという被災ママの声もあった。なにか繊維質のものを口にできるといいと思
う。


切り干し大根などの乾物は、災害の備えとして備蓄しておく食材としても有効、とのこと。また災害の際に持ち出す「防防災バッグ」の中身も再点検してほしい。 特にお子さんがいるご家庭では「防災バッグ」の中身が重要です。
      
◆子ども中心の備え
旅行に行くことを考えてほしい。ライフラインが不安定なところに旅行に行くとか、旅行に行くバッグを持って渋滞に巻き込まれたなどをイメージするとわかりやすい。防災バッグというと子どものオモチャは入ってこないと思うが、渋滞に5〜6時間巻き込まれたら、子どもはこれがなかったらうるさいな、とか。あとはスキンケアアイテム。被災された女性が「あればよかった」というものの一つが化粧水。そういう日常生活の中で、自分が必要だと思っているものを、旅行バッグに詰め込むイメージで考えると具体的に必要なものが見えてくる。
小さいお子さんがいる場合は、お腹が減ったら泣き叫ぶし、トイレも我慢できないのでおむつを何枚も必要とする。大人は我慢できるが子どもは我慢できないので、子ども中心の備えになってくると思う。例えばトイレ問題。衛生面を考えると、おむつが汚れてしまって洋服が汚れてしまったら、どうしても着替えが必要になる。そういう日常生活のサイクルを見直して、お子さんがなるべく我慢をしないで済むような持ち出しバッグの中身が必要だと思う。


「防災バッグ」についてはこの他にも、水は2リットル1本より500ミリリットル4本をばらばらに入れたほうが軽く感じる。おむつも圧縮袋を利用するとさらにコンパクトサイズに。重いもの、使いなれないもの、子どもが絶対口にしない食べものははぶいて、より必要性の高いものを入れるなど、アドバイスいただきました。

「被災ママ812人が作った“子連れ防災手帖”」は現在品薄状態ですが、GW明けには本屋さんに並ぶ予定です。本の内容をコンパクトにまとめた「子どもとママを守る災害時のメンタルケア」は、ママクラブが運営する「アクティブ防災」のサイトで、無料で公開されています
***
また番組では、あなたからのメッセージもお待ちしています。
東日本大震災はじめ、避難生活を経験したことのある皆さんから避難生活で役立ったアイテムや体調管理のために行っていたこと、小さいお子さんや高齢者がいるご家庭へのアドバイスなどご自分の経験を踏まえたアドバイス、メッセージをお寄せください。メッセージは「メッセーフォーム」から。

あなたの経験を、いま被災し困っている熊本そして大分の皆さんに伝えてください。
LOVE&HOPEからのお願いです。

2016年4月26日

4月26日 子どもとママを守る災害時のメンタルケア

今日は「子どもとママの災害時のメンタルケア」についてお伝えします。

熊本・大分地震を受けて、いま店頭で品薄状態となっている本があります。東日本大震災で被災したママたちの体験談をもとに、 避難生活を送るママと子どもたちへの、さまざまなアドバイスを綴った一冊。「被災ママ812人が作った“子連れ防災手帖”」です。
この本をとりまとめたNPO法人ママプラグでは、現在その内容の一部をオフィシャルサイトで無料で公開しています。今朝はママプラグの副代表、冨川万美さんに、怖がる子どもへの対応について伺いました。

◆子どもの恐怖や不安を吐き出させてあげる
被災して一週間以上が経ち、時間が経つにつれて懸念されていくのがメンタルな面。余震もまだ続いていて、身心ともに疲れている時期だと思う。お子さんを抱えて被災された方は、これからが大変な時期になってくる。年長のお子さんでも赤ちゃん返りがあったり、乱暴な言動が出たり、反対に無口になってしまったり、夜泣きやおねしょが続いてしまったり、寝言で夜うなされたり。いままでなかったお子さんでもそういうことが起こったりする。こういうときには仕方がないことで、子どもが怖がるのは当たり前だと言うことをしっかり受け止めてあげて、怖いよね、ということを吐き出させてあげることが重要。不安や恐怖を心にとどめてしまわないで、お母さんお父さんがいるから大丈夫だよと受け止め、抱きしめてあげるとか、抱っこして眠らせてあげる、などが必要となってくる。


さらに気を付けること。
〇災害時は「平気そうに見える子」が実は不安や恐怖を押し隠している場合がある。兄弟で言うと「上のお子さん」は気を使っている場合が多いのでお兄ちゃん、お姉ちゃんの様子にも気をくばってあげてほしい。
〇避難生活が長引く中で、少しずつ「生活のリズムを整える」ことも重要。起きる時間・寝る時間を一定にする、慣れ親しんだおもちゃで遊ぶなど、日常のリズムを親子で取り戻すことを心がけてほしい。

そして被災したお母さんたち自身のメンタルケアも心がけてほしいと話します。

◆お母さんがわずかな時間でも「リフレッシュ」することが大事
実は、被災されたお父さんお母さんにわたしたちが本当にお伝えしたいことは、子どものメンタルケアについてはお母さんも情報として仕入れたり、実践したりしているが、それを実践しているお母さん自身のメンタルのケアが後回しになっていること。子どもたちの学校が再開するのはGW明けとみられるなかで、お父さんお母さんは「子どもに前では」と、ぐっと我慢を続けている方が思う。例えばお友達同士で10分でも15分でもお子さんを見てもらって、その間にわずかでも一人の時間を持つとか、好きな音楽を聴くなど、気分転換ができるといいと思う。
東日本大震災のときの例としては、避難所の一つの部屋を「母子の部屋」「小さいお子さんがいるご家庭のための部屋」としたことで、そのコミュニティがかなりしっかりし、お母さんたちのリフレッシュ方法もうまくまわったパターンもある。知らない人同士でも助け合いは心強いことなので、同じ立場で固まるというよりは、ゆるいコミュニティをつくるのはいい方法だと思う。


今朝はNPO法人ママプラグの副代表、冨川万美さんに東日本大震災で被災したママたちの経験をもとに、避難生活を送る子育て中のママパパへのアドバイスをいただきました。

今回ママプラグがまとめた「子どもとママを守る災害時のメンタルケア」は、ママクラブが運営する「アクティブ防災」のサイトで、無料で公開されています。
«前の記事へ || 1 | 2 | 3 |...| 488 | 489 | 490 |...| 1066 | 1067 | 1068 || 次の記事へ»

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN