今朝は、熊本を代表する和菓子の販売再開についてお伝えします。
ほんのり品の良い甘さの大納言あずきで、口当たり柔らかな求肥を包んだ、熊本を代表する銘菓「誉(ほまれ)の陣太鼓」。熊本市の老舗「お菓子の香梅」の看板商品として長年親しまれています。
そんな「陣太鼓」をはじめ、香梅のお菓子は熊本地震の影響で工場が被災し店頭から姿を消していました。震災から2ヶ月経った今月14日にようやく工場が仮復旧し、いよいよ今日20日から「陣太鼓」をはじめ、一部の商品が復活します!
「お菓子の香梅」3代目 副島健史社長にお話しを伺いました。
◆阿蘇の伏流水でできた陣太鼓
陣太鼓が出来たのは昭和33年。原材料を見て頂くと分かるんですけれども、7品目。本当に添加物を一切使っていない商品です。あとは「武者がえし」というパイ生地でくるんだ商品もありますが、年間を通して季節商品も含め350種類くらい、以前は3カ所に工場を分散していましたが、西原工場の水が阿蘇の伏流水ですので、とてもいい水ですから、すべての工場を西原工場に移して、西原工場一カ所だけという生産体制でやっておりました。
阿蘇の伏流水に恵まれた西原村。「お菓子の香梅」の商品は、そんな名水を生かして作られています。ところがその西原村は、震度7の地震に見舞われ、香梅の工場も甚大な被害を受けました。
◆お菓子作りに欠かせない機械が破損
まず建物はそうなんですけど、工場内に隆起、陥没があり、機械もほぼ倒れ、あと受水槽が破損したのがいちばん問題でした。水は最大180トンを使うんですが、その180トンの受水槽が割れてしまいまして、すべて水が流出、
受水槽がないと汲み上げることも、館内に回すことも出来なくなりました。お菓子作りに必要な5つのライフラインというのがあるんですが、電気、ガス、水道、蒸気、エア、その5つがすべて止まってしまいましたので、頭の中が真っ白になって、どこから手を付けたらいいんだろうという状態でした。最初に社員を集めて、一人も欠けることなく復旧すると宣言しました。まず雇用については安心してほしい、でもこの復旧には全社員が協力してもらわないとあり得ないということも伝えて、社員の協力の元、復興に向かって進み始めました。社員に大きなケガなどはなかったんですが、家が全壊半壊、今でも避難所生活や車中泊をしている社員もいます。そういった社員も会社のことを思って、そういう状況でも会社の片づけだったり生産の準備をやってくれて、これでここまでこぎつけることが出来たと思っています。」
工場が仮復旧したものの、販売が再開するのは看板商品の「誉の陣太鼓」と、「肥後五十四万石」、「銘菓本丸」の3種。県内の直営ほぼ全店で、今日20日から販売されます。
あすも「お菓子の香梅」、副島健史社長のお話しお届けします。