2019年11月19日

長野市長沼地区のいま?ボランティアの力

台風19号で大きな被害を受けた、長野県長野市、長沼地区からのレポートです。

千曲川の堤防決壊地点に近く、広範囲が浸水被害を受けた長沼地区。実は、全国有数のりんごの名産地ということで、被害は、この地区に広がるリンゴ農園にも及んでいます。被害状況、復旧へ向けた動きを長沼地区 住民自治協議会・会長の柳見澤宏さんに伺いました。

◆ボランティアの力を
(聞き手:JFN7局ネット『Hand in Hand』MC・高橋万里恵)
本当に赤くなっておいしそうなリンゴがたくさんあるんですけれども、水についちゃったりんごは、リンゴの上部のホゾという部分に土が入ってしまうんですよ。土が入ったリンゴは消費者に届けることができないものになっちゃうわけですから、それは落として木を弱らせないように作業をする。それから自分の家の周りが片付けば、堆積した土をかきだす作業をやり始める時期にちょうど来ていると思っていますね。(じゃあ、まだまだそういう意味ではボランティアの力は必要ですよね) 本当に人のパワーって凄いですよ。細かなところ、非常に愛情のあるというか、気持ちのこもった作業をしてもらうので、機械とは全く違う形で丁寧にやっていただいているのが印象に残りますね。ボランティアの方たちが来て、楽しそうにやっているのがホッとするんですよね。私たちは重労働かなと思うんだけれども、なごやかな会話をしたり、新たな出会いがあってその出会いを楽しんでいるみたいなボランティアの方たちを見ると、ホッとしますね。(地元の方との交流も生まれるという面もボランティアにはあるんですね。)それで私たちもボランティアの方たちがここまできて、いろんなかたちで片付いた。将来的にはその方達にもう一度来てもらっておいしいリンゴを食べてもらうみたいなことも企画したり考えながら、ボランティアの方たちとの関わりを強めているんですけどね。



きのうもお伝えしましたが被害は地区全体ではありません。例年通りリンゴの収穫、出荷ができているところもあります。一番怖いのは風評。リンゴが獲れていないのではと思いこんでりんご狩りなどのお客さんが来なくなることです。長野市は問題なく観光も楽しめるし、りんご狩りができる農園もあります。ちなみに、長沼地区を縦断する国道の愛称は「アップルライン」左右にリンゴ農園が続く風景はこの地域のシンボルです。その景色を復活させるには、やはり長野のリンゴを買う、観光することが大切です。

2019年11月18日

長野市長沼地区のいま?台風19号から1ヶ月

今週は、台風19号で大きな被害を受けた、長野県長野市、長沼地区からのレポートです。

北陸新幹線が水没した映像、みなさんもご覧になったはずです。千曲川の堤防の決壊で、大規模な浸水被害を受けたこの地区は、隣接する豊野地区、古里地区と合わせて、1000軒を超える住宅が、全壊・大規模半壊の判定を受けています。

本当に被害は甚大だったのですが、実際には同じ地区でも、被害に大きな差があることが分かりました。長沼地区 住民自治協議会会長・柳見澤宏さんのお話です。

◆復旧にも差が
長沼地区は4つの地区に分かれる。その中で特に報道されている長野市の穂保、そして津野地区が堤防が決壊した場所。決壊した川の流れの強さで家屋が壊れ、津波のあとのような被害状況なんですね。そういう地区もあれば、リンゴの葉摘をして赤いリンゴに挑戦してる者もいるんですよ。それから下のほう、赤沼地区は水位が高かった。その分土砂が堆積しちゃった。だから4つの地区で被害状況が違うんですね。そんな状況で、回復の度合いに差が出ているところが非常に地域の中では難しさを私は感じているんですね。


人口およそ2300人の長沼地区は、過去の水害経験から、住民の防災意識が高く、多くの方が早い段階で避難したそうですが、それでも逃げ遅れた方も多く、2人が亡くなりました。柳見澤さんのお話です。

◆「このくらいなら、いいや」
過信してたと言うとまずいんだけど、小さい頃から水に対する備えというか、恐れ、準備というものは本能的に持っていましたよね。今までも水かさが増えたことがあったんですけれども、今回の千曲川は急に水が上がったんです。それはやはりここでの雨量ではなく佐久市とか上流の雨量が非常に多かったものですから、それで避難しなくて、「このくらいならいいや」と思っていた人が慌てて2階に上がったというケースが結構あって、ヘリコプターで救出された方もいたのはそんな背景があったのかなと思っていますけどね。










※「津波のような被害」という言葉のとおり、水の力の凄まじさが分かります。

また、柳見澤さんご自身も被災され、親戚の家に身を寄せながら、自治会長として、長沼地区の復旧復興に奔走しています。また、長沼地区は10月末にようやくボランティアのサテライト拠点ができたばかり。これは被害がひどく現地に人がなかなか入れなかったためで、本格的な復旧はまさにこれからとなります。今後は片付けのボランティア、被災された方の心のケア、生活再建への支援・・・様々なサポートが必要です。 
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パーソナリティ 鈴村健一

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