2016年6月29日

6月29日 南阿蘇村 塩井社水源

今朝も被災地・熊本のレポート。
地下水が豊富で「水の国」とも呼ばれる熊本県ですが、その水源に異変が起きています。

熊本地震の影響で全線運休しているローカル線「南阿蘇鉄道」。この路線添いには至る所で地下水が湧き出す、「湧水池」があり、辺りの田んぼを潤してきました。阿蘇の大地に染みこんだ雨は、20〜35年かけて地表に湧き上がり、その美味しさから毎日ペットボトルに水を汲みにくる人の姿も多かったといいます。震災後も影響なく豊かな水量を誇る水源がある一方で、神社境内で澄んだ水をたたえていた「塩井社水源」は4月16日の本震直後に枯れ、深さ3メートルほどの池は消え、土が露出しています。地元住民の方に伺いました。

◆水の生まれる里
水車がありましてね、水の勢いで水車が回るわけです。廻ると同時にオルゴールがかかるんです。それを聴いて近隣住民の方は毎日を癒されて、今日も一日頑張るぞ、また今日一日が終わるぞ、一日頑張ったね、そういう生活を送っていた中で今回の震災に出くわしたわけなんですけど、その水車を発想して作られたのがこの方です!(笑)
名前は後藤と言います。塩井社水源の近くに住んでいました。深さは水面から下まで3mはあったと思います。毎分5トンの水が沸いて、長陽地区と白水地区に分かれて田んぼを潤していたわけです。ただ震災で塩井社水源の水路に水はないので。(何日目ぐらいであのように枯れてしまった?)本震の夕方にはかなり減っていた。水が濁って。飲み水に使おうと汲みにいったが、とても使える状況じゃなかったですね。だんだん3日〜4日目ぐらいにはひえあがってしまいましたね。残念というかもうがっかり。田んぼどうするか、というのが一番はじめてにあって。うちの地域でいえばそれが格なんですよ湧き水が。塩井社から流れてくる水をうまく利用して、洗濯も、野菜洗いもお米とぎも、生活の糧だったですね。南阿蘇というのは水の産まれる里、水というのは生活に欠かせないものがありまして、その水が豊富に流れているところで小さい時は泳いだり遊んだり、水との密着度というものがすごくありましたね。こういうことがあってすごく落ち込んだり、いろんな思いがあります。。だけど場所次第では水が枯れてしまったところもあるけど、今まで少なかった水が多くなったりとか、これは自然の現象だけんしょうがないですけどね。(駅名が長いで有名な?)「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」(それが表していますよね、水が豊富だったことを)そうですね。駅とか水源だとかオルゴールとかそいういったものを結び付けて地域おこしの計画を立ててたんですが、それが水が枯れたもんですから、どうしていくか、ってことです。今から・・・。


南阿蘇村の塩井社水源から、水路を流れる湧き水で動く「水車オルゴール」は「ふるさと」のメロディーを奏でる、水源巡りの観光客に人気のスポットでした。

南阿蘇村では湧水池が11か所もあります。その中で震災の影響で枯れてしまったのはこの塩井社水源だけ。白川水源など、多くの水源は今も良質な水が湧き出ています!その美味しい水を使ったスイーツや喫茶店も楽しみの1つです。水源巡り、夏の観光シーズンに出かけてみてはいかがでしょうか。

『LOVE&HOPE』、あすも熊本から、南阿蘇鉄道沿線のレポートをお届けします。

2016年6月28日

6月28日 阿蘇・高森田楽保存会(2)

被災地・熊本からのレポート。これから夏の行楽シーズンへ向け、震災で減ってしまった旅行者を呼び戻そうと頑張っている方の「声」を届けます。

今朝は昨日に引き続き、阿蘇郡高森町にある「高森田楽保存会」、本田研一さんのお話しです。
高森の伝統食として数百年の歴史を持っていたものの、戦後、作り手がいなくなっていた「田楽」を先代が再興。新たに町の名物として定着した「田楽」を、2代目の研一さんは守り続けてきました。今回の熊本地震で築140年を超える建物は被害を受けませんでしたが、客足はその日を境にぱったりと途切れてしまったといいます。

◆四季折々きれいな風景がある
年間でいちばん忙しくなるのが4月の中旬から5月にかけて。もうその時がまったくお客さまございませんし、5月の連休時もいらっしゃるお客様は5人とか、6人とか。“10分の1ですか?”って聞かれますけど、そんなもんじゃないですね。40〜50分の1ですかね。しばらくは難しいのかなと思ってますね。
(熊本全体が被災してるように見えてしまっているのも原因かなと思うが高森はそうでもなかった?)高森はまったく何もないんです。激しい揺れはあったんですが、家が壊れるわけでもないし、道路も普通の状況ですし。ですから高森にお見えになるのも、宮崎県側、大分県側から来る分にはなんにもなく来れる訳なんです。ただメインとなります熊本県側から来る道というのが、橋は落ちてしまうし、道路は寸断されるし。南阿蘇鉄道もそうなんですね。いちばん問題の立野に基地がありますのでそこをどうするかという問題があるんじゃないかと思います。南阿蘇鉄道が開通してくれたらいろんなお客様がお見えなんですけどね。。ただはっきり言えるのは、「来れるんですよ」、「昔と変わらないんですよ」っていうことだけは言えるんですよね。ちょっと遠回りすれば来れるんですよ。グリーンロードっていうのもとても走りやすいし景色がいいし、宮崎県の高千穂経由で来るとか、大分県からなら「やまなみハイウェイ」を通ってくるとかですね。遠回りを考えればいいんじゃないかと思いますけどね。長いドライブで宿泊でもして頂ければ、皆さんがいいと思うんですね。何しろ風景がとっても素晴らしいところです。
(ご主人がいちばん好きな風景は?)朝ですね。朝焼けで山の風景が変わってくるんですね。6月から7月というのは6時半くらいからですかね、山の変わりようは素晴らしいし、雲海が見えますしね。秋の紅葉、今度は阿蘇山の真っ白に雪を積む風景・・・四季折々本当にきれいな地域です。朝は鳥の声とか、自慢ですね、キツネとかタヌキが出てきたり、イノシシが出てきたり、大自然を相手とした生活です。ですから橋が壊れたり道路が壊れたりというのはじつは、大自然に対して我々が手を加えすぎたんではないかと思うんですね。変わっていくし、早くなるし、とくに現代的な感覚に溺れてしまったんですね。それが「ちょっと待てよ」って言われてるかなって思いますね。そのように考えてます(笑)。


震災の影響で客足が途絶えてしまった、阿蘇郡高森町の「高森田楽保存会」、代表の本田研一さんのお話しでした。

◇熊本空港や熊本市から高森町へは、今は外輪山を超える景色の素晴らしいグリーンロードを通るルートで高森へは行けます。

◇周辺にはお洒落なペンションも、温泉もあります。7月から熊本などの旅行が割安になるクーポンも出る予定なので、夏の行楽にぜひ。

阿蘇・高森田楽保存会へのアクセスは、コチラをご覧ください。
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パーソナリティ 鈴村健一

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